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大阪の繁華街でトイレに覚せい剤約50グラムを置き忘れ

ファーストフード店のトイレに、約50グラムもの覚せい剤の入ったポーチを置き忘れたとして、女性が逮捕されました。こうした置き忘れ事案は意外に多いのですが、今回発見された覚せい剤は大量です。
<ニュースから>
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●マクドのトイレに覚醒剤置き忘れ…所持容疑で無職女を逮捕、大阪府警
マクドナルドのトイレに置き忘れられていた覚醒剤を端緒に、大阪府警曽根崎署が4月上旬、覚せい剤取締法違反(所持)容疑で大阪市の無職女(40)を現行犯逮捕していたことが30日、同署への取材で分かった。大阪地検は同法違反(営利目的所持)罪で容疑者を起訴した。
産経ニュース2016年4月30日 11:35
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ニュース記事によると、忘れ物に気付いた店側の通報を受け、警察官がポーチの中身を調べているところへ、問題の女性客が忘れ物に気付いて戻ってきたものの、警察官に気付くと、自分のものではないと言い立てたといいます。しかし、所持品検査で別の覚せい剤を所持していることが見つかり、現行犯逮捕されたそうです。

忘れ物、落し物のバッグやポーチから覚せい剤が見つかったというケースでは、こんな展開になることはよくあります。忘れ物に気付いて戻った持ち主は、覚せい剤がすでに発見された様子に気付くと、あわてて立ち去ろうとするのですが・・・。

たいていは、まず「自分のものじゃない」と否定します。でも、バッグやポーチの中には、カード類や携帯、名刺など、持ち主を特定できるものが入っています。
もし、名前のわかるものが見あたらなくても、持ち物のあちこちに指紋がついているし、さらに近ごろの繁華街には至る所に防犯カメラがあるので、この荷物を持った状態が捉えられているかもしれません。警察官は、持ち主が判明するのは、時間の問題だと説得することでしょう。ちなみに、防犯カメラの例では、捜査に数か月かかることが多いようです。

問い詰められて、次に出て来るのが「バッグは自分のものだが、覚せい剤や注射器に覚えはない。自分が置き忘れた後に、誰かが入れたに違いない」という言い訳です。
当人が否認する場合は、またしても科学的な証拠の出番です。覚せい剤の入ったビニール袋(パケ)や、使用済みの注射器には指紋が検出されるかもしれません。でも小さな袋や注射器の細い筒から、対照可能な指紋を採取することは難しいようで、私はこれまで、パケや注射器から指紋が検出されたというケースに出会ったことがありません。
もっと有力なのが、DNA型鑑定です。置き忘れるケースでは、パケと一緒に使用済み注射器や吸引用パイプが入っていることが多いのですが、ここから採取したDNAで、使った人間を特定できることがあります。

当人と覚せい剤を結びつけるものは、ほかにもあります。たとえば、覚せい剤事件での検挙歴があったり、覚せい剤とかかわりの深い暴力団と関係があったりすれば(これは警察のデータベースですぐにわかります)、当然、発見された覚せい剤との関係が疑われることになります。携帯電話に遺されたメールから、覚せい剤の入手が発覚することもあります。また、当人が「自分は覚せい剤など使っていないので、持ち歩くはずがない」と主張する場合には、毛髪鑑定をして、覚せい剤を日常的に使っているかどうかを確かめという方法もあります。

状況からみて、かなり疑いが濃厚であっても、当人があくまで否認する場合は、こうした様々な間接証拠を積み重ねて、総合的に判断することになります。近年では、こうした立証に多様な科学的証拠や客観証拠が使われるようになり、否認事件の認定にも、確実性が加わってきたように感じます。
そういえば、科学的証拠による立証の威力は、否認する当人に対して絶大なプレッシャーを与えるようです。DNA型鑑定用のサンプル採取や、毛髪鑑定用の毛髪採取を告げられると、それまでかたくなに否認していた被疑者が、観念して自白を始めたという例にもいくつか会いました。

たしかに、限られた時間とはいえ、不特定多数が手に触れることのできる場所に荷物が放置されていた以上、第三者がそこに覚せい剤を入れた可能性がまったくないとは言い切れません。
最後の決め手は、やはり当人の主張の真実らしさということになるでしょうか。何度繰り返しても、ぶれない内容、しかも真摯に自分の立場を説明する態度、こうした被疑者の主張に出会うと、弁護人は思わず身を乗り出すものです。
いっぽう、一般常識も意外と重要です。覚せい剤は、一般人が普通に持ち歩くものではなく、また、少量であっても高価な品物です。それを所有者不明の荷物に入れたりすることは、あまり考えられませんよね。

[参考]
古い記事ですが、置き忘れた覚せい剤事件について、法律上の「所持罪」の観点から、簡単にまとめた記事があります。香味のある方はお読みください。
●覚せい剤の落し物、忘れ物2 (2010/02/06)
http://33765910.at.webry.info/201002/article_6.html

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