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「歴史週間」 憲法制定の歴史教科書を読み比べる

4月28日(木)は、主権回復記念日です。昭和27(1952)年のこの日、サンフランシスコ平和条約が施行され、6年8か月間の連合国の占領が終わり、わが国の独立が回復しました。

午後6時から、砂防会館別館で恒例の「主権回復記念日国民集会」に参加しました。故井尻千男先生らの提唱で始まった国民集会も20年を迎えると言います。私は、衆議院議員初当選の10年前から参加しています。政治家としての原点を確認する場でもあり、昨年逝去された井尻先生の遺影の横で挨拶しましたので、井尻先生から政治家として叱咤激励をされているように感じました。

●現行憲法制定過程を歴史教科書はどう教えているのか

黄金週間(ゴールデンウィーク)に入り、10日間の長期休暇となる方もいらっしゃると思います。私にとっては、4月29日は昭和天皇誕生日であり、祝日「昭和の日」であり、5月3日は「憲法記念日」ですから、4月28日の主権回復記念日と合わせて、歴史を振り返り、その教訓から現在、そして将来を考える「歴史週間」であります。

戦後の出発点となった占領政策の目的は、日本が二度と連合国に刃向かわないようにするための物心両面での武装解除でした。その証文が現行の「日本国憲法」です。現行憲法は占領憲法と言われる所以です。

私たちは憲法をどう学ぶのでしょうか。日々の新聞やテレビ、書籍や雑誌、最近ではネットからも、学ぶことができます。何と言っても影響が大きいのは、学校教育です。現行の「日本国憲法」の制定過程を、今年4月から採用となっている新しい中学校歴史教科書はどう教えているのでしょうか。教科書は8種類ありますが、内容を大別すると次の2種類となります。

教科書の購入 http://www.text-kyoukyuu.or.jp/index.html

▼①東京書籍「新編新しい社会 歴史」(占有率トップ)

「民主化の中心は、憲法の改正でした。日本政府は初めにGHQの指示を受けて改正案を作成しましたが、大日本帝国憲法を手直ししたものにすぎませんでした。そこで、徹底した民主化を目指すGHQは、日本の民間団体の案も参考にしながら、自ら草案をまとめました。日本政府は、GHQの草案を受け入れ、それを基に改正案を作成しました。そして、帝国議会の審議を経て、1946(昭和21)年11月3日に日本国憲法が公布され、翌年の5月3日から施行されました。」(P244~245)

https://ten.tokyo-shoseki.co.jp/text/chu/shakai/rekishi/index.htm

欄外には、当時の文部省が作成した「あたらしい憲法のはなし」と帝国憲法と現行憲法の比較一覧表が掲げられています。

東京書籍以外の教育出版、日本文教出版、清水書院、帝国書院、学び舎も、ほぼ同様の趣旨の記述です。今回から新規参入し、ほとんど採用されなかったのですが、公私の有名エリート中学が採用されて話題となった学び舎の教科書は、国民運動によって憲法が制定されたとした詳細な記述となっています。

▼②育鵬社「新編新しい日本の歴史」(横浜市や大阪市等、全国6%の学校で使用)

その一方で、育鵬社は次のような記述となっています。

「GHQは、日本に対し憲法改正を要求しました。日本側は、大日本帝国憲法は近代立憲主義に基づいたものであり、部分的な修正で十分と考えました。しかし、GHQは日本側の改正案を拒否し、自ら全面的な改正案を作成して、これを受け入れるよう日本側に強く迫りました。天皇の地位に影響がおよぶことをおそれた政府は、これを受け入れ、日本語に翻訳された改正案を、政府提案として帝国議会で審議されました。議会審議では、細やかな点までGHQとの協議が必要であり、議員はGHQの意向に反対の声をあげることができず、ほとんど無修正のまま採択されました。こうして1946(昭和21)年11月3日、日本国憲法が公布され、半年後の1947(昭和22)年5月3日から施行されました。」(P255)

http://www.ikuhosha.co.jp/textbook28/rekishi.html

育鵬社以外では、自由社が同様の記述です。

●占領政策からの脱却 道半ば

2つを読み比べてみて、皆さんはどのように感じるでしょうか。どちらも文部科学省の検定を通っていますから、事実の間違いはありません。素直に学んだ子供たちは、まったく違った受け取り方になるはずです。それも東京書籍陣営の占有率は9割以上となりますから、全国の子供たちのほとんどは、現行憲法は占領下には制定されたけど、国民の意見も取り入れられた民主的な憲法だと思うことでしょう。しかしながら、本当の事実は育鵬社の教科書の記述通りです。

国立国会図書館が、日本国憲法の制定過程については、原典を明確にして、分かりやすく説明してくれています。

http://www.ndl.go.jp/constitution/

それにしても、文科省の教育行政とは何なのかと思わざるを得ません。教科書の内容を決める文部科学大臣告示の学習指導要領や同解説には、大綱的な記述でしかなく、教科書会社、編集者の書きたい放題となっています。教科書検定も、基準を変えましたが、まだまだ不十分です。

引続き歴史教育の充実強化、自虐史観からの脱却、教育の正常化に向けて、力を尽くしてまいります。歴史教育を見直さなければ、憲法改正には行きつかないと思っています。

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