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関西電力次期社長、“視界不良”の経営をどう舵取りするか - 西木雅博

関西電力が3月末に開いたトップ交代会見で、岩根茂樹次期社長は「会社として大変厳しい状況が続いている。社長拝命はまさに身の引き締まる思い」との心情を吐露した。これは偽らざる心境だろう。大手10電力の中で原発依存度が高い関電は、福島第1原発事故後の原発停止で最も打撃を受けた会社の1つ。原発の代わりに動かした火力発電所の燃料費がかさみ、2015年3月期まで4期連続で巨額の赤字を計上。2度の電気料金値上げと原油価格の下落を追い風に16年3月期は黒字転換する見通しだが、4月から始まった電力小売りの全面自由化もあって顧客流出に歯止めがかからない状態だ。

岩根氏は経営企画畑の保守本流だ。原発停止で13年と15年に経済産業省に対して料金値上げの申請をした際には、対応で陣頭指揮も執った。燃料や資材、原発などを担当したこともあり、森詳介会長は「非常に幅広い業務経験をしている。人格、経験ともに申し分ない」と太鼓判を押す。関西の経済界からも「技術系のトップが続いたが自由化も始まり電力業界は戦国時代。事務系で融通無碍な考え方ができる岩根氏は適任」(関係者)と期待の声が上がっている。

ただ、岩根氏が自ら指摘した通り経営環境は厳しい。今年に入って高浜原発3、4号機(福井県)が再稼働したが、大津地裁の運転差し止め決定で稼働時期が見通せなくなった。原発再稼働で料金を値下げして、新電力を迎え撃つ戦略は当面取れなくなった。この苦境をいかに脱するか。岩根氏の手腕に注目が集まる。

関西電力次期社長 岩根茂樹(いわね・しげき)
1953年生まれ。京大法学部卒。76年関西電力入社。常務などを経て2012年4月から副社長。16年6月に社長就任予定。

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