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「ゴルフ優勝の大山志保選手」―賞金全額を熊本地震被災者に寄付―

第35回フジサンケイレディスクラシックで大山志保選手が優勝、優勝賞金1440万円を全額、熊本地震の被災者に寄付した。同クラシックでの10年振りの優勝と「7年間暮らした熊本への思い」を勝因に挙げたさわやかな笑顔に拍手を送りたい。

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フジサンケイレディスクラシックで優勝した大山志保選手

日本財団では東日本大震災以来、災害支援をはじめ、多様化する日本の社会で次々に生まれてくる社会課題を解決するには、国や地方自治体にすべてを頼るのではなく民間の参加こそ必要と考え、寄付文化の醸成を目指している。

東日本大震災では多くの芸能人やプロスポーツ選手が直接、間接に支援の手を差し延べ、被災地の人々を勇気付けてきた。しかし多くは目立たぬようプライベートな形で行われ、ほとんど知られていないケースもある。

東日本大震災の被災地に総額4億円を寄付したSMAPのメンバーの一人・中居正広さんは、今回の熊本地震でも被災地を訪れ、目立たぬよう大きなマスク姿で炊き出しのボランティア活動をしたと報じられている。昨年10月、静岡・浜名湖ボートレース場で開催されたSG(スペシャルグレード)の「ボートレースダービー(全日本選手権)」で優勝した守田俊介選手は優勝賞金3500万円を東日本大震災の被災地に全額寄付した。

日本には古来、人に知らせずひそかに善行をする「陰徳」の文化がある。加えてスポーツマンや芸能人には、ファンや関係者の応援で今日の地位を築くことができたとの思いがあり、これが寄付の動機になっているケースも多い。大山選手も今回の寄付に当たり「お世話になった熊本に」と感謝の気持ちを語っている。

もっとも折角の善行を「売名」に結び付けて報道されたり、「格好をつけた」と仲間や関係者から揶揄されるケースもあるらしい。日本財団も多くの方から寄付をいただくが、意外なほど匿名希望が多いのは、こうした影響かもしれない。仮にそうであれば残念と言うしかない。

プロスポーツ選手や有名芸能人の寄付や支援活動が、どれだけ被災者を勇気付けているか、皆がもっと広く知るべきだと思う。大山選手のさわやかな寄付はいい機会である。何事も気にせず、自分の判断で、どんどん寄付をしてほしいと思う。そしてメディア関係者にも、この種の美談をもっと積極的に報道してもらいたい。

日本と違って外国には、スポーツ選手や芸能人が、臆することなく自分の判断で寄付をする文化がある。同僚や仲間の目線を気にしたり、売名行為と言われるのを恐れる必要はない。日本のスポーツ選手や芸能人も、もっと胸を張り、堂々と寄付や支援活動に貢献してほしい。

災害のほかにも、小児難病、孤児の養子縁組、再犯の防止、障害者の就労支援、ろう者や貧困家庭の教育問題、不登校児の問題等、支援を必要とする社会課題はいくらでもある。民が民を助ける社会を作るには、寄付はいくらあっても足りない。

スポーツ選手や芸能人に対する国民の注目度は高い。あなた方の積極的な寄付行為が日本の寄付文化を育てることにもなる。

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