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<野田聖子議員インタビュー>「子どもの二次災害を防ぎたい」ー特別養子縁組普及に向けて

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「一億総活躍」では総花的になってしまう

――話の内容は少し変わりますが、安倍政権の「一億総活躍」に関してはどのようにお考えでしょうか。

野田:

私の自分の力量でいうと、私自身がリーダーシップをとるならば、あれもこれもできないし、一億総活躍っていうのは総花的になって、色んなことを全てやらなければならなくなってしまうので、なかなか厳しいものだと思う。最初のアベノミクスでは、成長戦略の最重要な政策が女性政策だったので、これだけ一気呵成に取り組めば、相当日本の多様性を政策に織り込めるんだろうなと思ったのですが、第3次安倍政権での新しいアベノミクスでは、そこが薄まった感があって、やるとは言っていたけれども、それと同時にあれもこれもやらなければならないということで、女性だけに投資できるかというと、なかなか一億総活躍と言ってしまった以上厳しいのかなと。

男性が9割を占める弊害

――先日から話題を集めている待機児童問題に対する動きや、国会での野次に関して、どう思われていますか。

野田:

政治っていうのは9割男性ですから。それもお二人(Platnews編集部)のような若い人はあまりいなくて、自民党の国会議員の平均年齢が60歳ですから、それで9割は男性ですから、推して知るべしで、そもそも前の世代も私の世代もそうですけれど、男性が出産に立ち会うということも無かったと思うし、保育園の送り迎えもしたことないだろうし、子育てを妻に100%任せた世代の人たちが今自民党は主流ですから、ああいった野次が出るっていうことは無知っていうことなんです。それに尽きる。

――公職選挙法の改正に関して国会議員を男女同数にするというのも掲げていますが、具体的にどういった法案をお考えなのでしょうか。

野田:

世界中で女性議員の比率が高いっていうところは、大なり小なりクオータ制度を導入されているところばかりなんです。日本よりも封建的だと言われている韓国が、ある日突然日本より女性議員の比率が増えたのは、クオータ制の導入しかなくて。男性の理解が弱いといつまで経っても増えないので、外国に習うと、安倍総理が2030(Platnews編集部:2020年までに、指導的地位に立つ女性を30%にするということ)と言って、全ての分野で女性を3割、管理職を3割に増やすといったことを推進していますが、政治だけがすっぽり抜けていて、女性の政治家枠を3割にするためには、もう強行手段しかない。しかしずっと研究してわかってきたことがあって、今の公職選挙法、今の選挙のあり方では数を劇的に増やせないということがわかりました。

――具体的に言うと?

野田:

要は一番増やしやすいのは比例名簿ですが、日本の衆参の比例を見ると、参議院の比例、ここが一番増やしやすいのだけれども、非拘束なんです。つまり、強い順に選ばれていくという形で、ある意味民主的ですが、それをすると順位に縛りはかけられないから難しい。衆議院の方を見てみると、小選挙区も難しい。唯一残っているのが比例復活ですが、そのささやかな名簿ぐらいしかいじれなくて、そこで女性グループ、男性グループみたいな順位をつけることで、例えば女性が2人しか比例復活できなかったところが、3人になるとか。だからマイナーチェンジなんですが、何もやらないよりかは良いかなと。まずははじめの一歩で、女性を少しずつ、じわじわ増やしていくことが重要だなと思っています。今、自民党で逢沢一郎議員(Platnews編集部:選挙制度調査会長)と、上川陽子議員(Platnews編集部:女性活躍推進本部本部長)が中心となって勉強会が開かれています。

――法案の提出はある程度目途が立っていますか。

野田:

茂木敏充選挙対策委員長にも反対はされなかったので党内手続きは必要ないと思う。私とすればクオータと呼べるような代物ではないけれど、ただそういう意識、女性を増やしていこうという意識につながるのかなと。とりあえず、今の選挙で可能なクオータの導入はそこしかないのですが、それだけでも一部改正して、今国会で間に合わなくても、次の国会で間に合わせたいと思っています(Platnews編集部:2015年8月19日、衆院選比例代表で男女別のグループに分ける女性議員の選出増を狙った公職選挙法改正案をまとめた。)。

人口問題は長い時間をかけて取り組まなければいけない

――先ほどの「一億総活躍」にも関連してですが、少子高齢化が進んでいながら、2月発表された国勢調査で初めて人口が下がったというデータが出ましたが、十分な対策が行われていないと感じるのですが、現状の安倍政権への評価も含めて、どういった形で対策していくべきだとお考えですか。

野田:

人口減少というのは、経済政策みたいな簡単な話ではないんです。本当に長い期間をかけて直していかないといけない問題なので、今すぐにでも方針を決めなければならない。私は10年ぐらい前から警鐘を鳴らしていますが、安倍総理になってようやく、「人口減少はすべての政策にネガティブだよね」というコンセンサスがとれた段階です。自民党の中では10年前だと「何言ってんのお前」みたいな世界だったんです。安倍総理が得意としている安全保障にも人口減少がすごく大きく響きます。若い人がいなくなるということだから。そこがどうもかみ合っていない。経済政策もそうです。これだけの負荷がかかっている日本において、ありきたりな経済政策をしてたのでは無理です。そこが「本当にそれぞれの責任者はわかってくれているのか」って不安です。

――この前フォーリン・アフェアーズに載っていた論文でも、「生産年齢人口の伸びが年2%を下回ると、その国で10年以上にわたって高度成長が起きる可能性は低くなる」と書かれていました。

野田:

そもそもこの国に経済成長っていうのはナンセンスな響きで、成長、成熟した国家で、何一つ不自由ないわけです。これからの成長戦略で残るところは健康長寿ぐらいしかないんです。今二人で「これがないと不便」っていうのはないでしょ?

――ほとんどないですね。

野田:

だから日本では経済がもう成熟しちゃっているんです。だから、経済成長ってこの国にはそぐわないんです。むしろこの成熟の維持っていうのを考えなきゃいけないのに、私としては、現実と言ってるキャッチコピーのズレを感じてしまう。経済成長って開発途上国が抱えるテーマであって、日本には合っていないと思う。

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