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12月決算企業16社の給与・年棒をチェック! 楽天は年棒1億円超の取締役も出現間近?

12月期決算企業が増えている

 有価証券報告書の提出を済ませた15年12月期決算企業のうち、16社の従業員平均年間給与と社内取締役の平均年俸を調べてみた。現在、従業員平均給与トップは9月期決算のM&Aキャピタルパートナーズ(6080)。M&A業務を手がける同社のそれは何と2253万円。

 グローバル企業として、海外投資家を意識するということだろう。欧米企業と同様に年次決算期を12月にする企業が増えている。すでに提出された有価証券報告書から、従業員や社内取締役の懐具合を探ってみた。

 ただし、従業員の平均給与や社内取締役の報酬総額の開示は親会社単独ベースだが、グローバル企業の場合は、グループ(連結)決算重視。そのため、親会社単独については開示情報が少なくなっている現実がある。とくに、メーカー系の場合は、生産現場の人件費は製造原価に「労務費」として計上するのが基本だが、製造原価を開示する企業は激減。社名にホールディングス(HD)などを付けて、持株会社体制に移行している企業も多く、従業員数の増減が大きかったりもする。人件費総額が全体では減っているが、社員数も減員になっているため、平均額が上がることもある。そのあたりも踏まえてみよう。

キヤノンとJTは対照的な推移

 グローバル企業の代表格であるキヤノン(7751)とJT(2914)は、対照的な推移といっていいだろう。両社とも従業員数は14年比で、グループも単独も減員だが、キヤノンは従業員給与や取締役の平均年俸は横バイ、それに対してJTは上昇を示した。

 JTの場合、親会社単独の取締役は同数での推移だが、従業員数は1400人弱の減少。それにもかかわらず役員報酬や従業員の給料・賞与総額はおよそ45億円増。その結果、従業員の平均給与も社内取締役の平均年俸も増額。年俸1億円超の社内取締役は14年の1人から3人に増えている。

 ヤマハ発動機(7272)は、単独従業員数も給料・手当・賞与総額もほぼ横バイ。取締役の人数の関係で平均年俸は上昇しているが、報酬支給総額そのものはダウンでの推移だ。

 旭硝子(5201)の場合は、社内取締役への報酬総額が5000万円弱の増額になったために、平均額もアップ。従業員の平均給与は、人件費そのものは70億円増額だが、人数も増加したため微減での推移になったようだ。ちなみに、旭硝子は製造原価に含まれる労務費を含めてグループ全体の人件費を開示。14年は2678億円(4万9961人)、15年は2747億円(5万1448人)。1人平均にすると14年536万円、15年533万円ということになる。

 タイヤ・ゴムのブリヂストン(5108)、住友ゴム工業(5110)、横浜ゴム(5101)、東洋ゴム工業(5105)の4社の従業員給与は、やや増額のブリヂストンを除いてはほぼ横バイでの推移。ただし、東洋ゴム工業は免震・防振ゴム問題を抱えており、社内取締役の平均年俸は大幅ダウンになっている。

※上段は従業員平均給与で、カッコ内は平均年齢。
下段は社内取締役の平均年俸で、カッコ内は1億円以上の人数
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キリン、アサヒ、サントリー、サッポロを比較

 ビール・飲料のキリンHD(2503)、アサヒグループHD(2502)、サントリー食品インターナショナル(2587)、サッポロHD(2501)の4社では、15年の決算で赤字に転落したキリンが、従業員給与も社内取締役の年俸もダウンになっている。

 キリンHD単体は持株会社であり、従業員数は80人未満、それも管理部門中心であることから人件費は製造原価費ではなく販売管理費に計上されるが、給料・賞与は14年24億円が15年は22億円に減額。社内取締役への支給総額も5800万円ほど減っている。その結果、いずれもダウンになったわけだ。

 なお、サントリー食品インターナショナルの親会社、サントリーHDの従業員給与は、14年1032万円、15年1040万円での推移である。

 山崎製パン(2212)単体の15年従業員数は、14年比で215人増。800億円を超えていた製造原価費に含まれる労務費の推移はともかく、販売や管理部門の従業員の給料手当・賞与はおよそ16億円の増額。社内取締役への支給も4000万円増。そのため、従業員平均給与も社内取締役の平均年俸もアップ。

※上段は従業員平均給与で、カッコ内は平均年齢。
下段は社内取締役の平均年俸で、カッコ内は1億円以上の人数
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楽天は1億年超の社内取締役も?

 楽天(4755)も山崎製パンと同様に、従業員給与も社内取締役の年俸も上昇。単体従業員数が14年比で611人増、それに対して人件費を52億円増額の369億円にしたことで従業員給与の平均額がアップした。社内取締役への支給総額も増額になっており、1億円を超える社内取締役の出現はまちがいないところだろう。

 ワシントンホテルなどを展開している藤田観光(9722)は、ホテルの改装工事などの影響もあり、単体ベースの臨時雇用者を含む就業者がおよそ140人減少。そのため、ホテルの現場を担当する従業員などを含めた人件費が5億円近く減額になったことで、従業員平均給与がダウンになったようだ。一方、社内取締役の平均年俸はアップ。支給対象人数が増えたが、報酬総額も1億円の増額になったためだ。

 旅行代理店の近畿日本ツーリストやクラブツーリズムなどの親会社であるKNT-CTHD(9726)は、従業員の平均給与が大幅ダウンになっている。ただし、持株会社である親会社単体の従業員が急増したためで、計上している給料手当総額そのものは増額。グループ全体でいえば、従業員の減少にもかかわらず人件費は増額になっており、実質的には横バイ程度での推移と推定される。従業員の平均給与と大差がない社内取締役の平均年俸はどう読めばいいのだろうか。今回の16社の中では低い水準にあるのは確かだろうが、持株会社の取締役は、役員を兼務する子会社から報酬を得るケースもあり、実際は1000万円を割っていることはないはずだ。

 阪急電鉄や阪神電気鉄道の親会社、阪急阪神HD(9042)も、持株会社からの支給だけでみれば、平均年俸は800万円前後での推移になっている。

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