- 2016年04月26日 07:30
<五輪エンブレム決定後は何をすべきか>全応募作品公開と王貞治公認エンブレムが成功の秘訣
2/2応募作すべてを公開する障壁がないとすれば「こんな多くの強敵を勝ち抜いた作品である」ということを証明する意味も込めて、およそ1万件の落選作を、Webで公開するべきであろう。
もし、「それはしない」という決定であれば、却って「手続き的には可能なことをなぜしない?」「A案よりも良い作品がたくさんあったのに、やっぱり不正に選んだんだ!」というような不信感や疑義を生むことになるだろう。
本当の意味でオープンにすることが、良からぬ粗探しや悪意ある憶測を生まない唯一の方法であるのだ。
【参考】<キンコン西野に直接聞いてみた>話題の落選エンブレムから見える「東京五輪」の行方
<王貞治氏が選んだエンブレムが知りたい>
一連のエンブレム騒動から、新エンブレム決定。これを東京五輪の成功に向けて、疑義や不信感を払拭し前向きに進めて行くためには、応募作全公開による「本当の透明性」を証明する以外に、もうひとつ重要なポイントがあると考えている。
それは、エンブレム委員・王貞治さんが自らの好みで選んだ「王貞治公認エンブレム」を発表する、ということだ。
分野横断で集められた有識者による「エンブレム委員会」とデザインの専門家による「審査員」という2段階の審査がなされたことは意外と知られていないが、実は多くの国民にとってはあまり関心のないことかもしれない。
なぜなら、多くの国民にとっての今回の審査での関心事は、やっぱり「王貞治さんが何を選んだのか?」であるからだ。もちろん、大人である王さんは「私もA案です」と言うかもしれないし、素直に「最終候補4案」のうちのいづれかを提示するだろう。
しかし、多くの人は、様々の規定や制約の元に組織的に検討されたエンブレムではなく、五輪エンブレム前提の細かいルールを取っ払い、「王さんの個人的な趣味」で選ばれたエンブレムが知りたいはずだ。
少なくとも第一次のデザインチェックをクリアした311件に関しては、王さんが多少時間をかけても良いので、再度確認して「王貞治公認エンブレム」を選び出してほしいと思う。もし、本当に「最終候補4案」のどれかを選んだのだとすれば、それ以外の307件から、一切の条件や制約を気にかけず、お気に入りのエンレブムの選び、それを公表してほしい。
<「王貞治公認・五輪応援エンブレム」の可能性>
もちろん、それは五輪の公式なコンテンツではない。だからこそ、自由に利用できる可能性も有する。「王貞治公認・五輪応援エンブレム」として、スポンサー企業や行政が製作者と交渉をして、利用権を確保しても良いだろう。実現すれば、五輪エンブレムではなく、企業や組織が自主的に作っている応援エンブレムと同様で、なんら制約はない。
「王貞治公認・五輪応援エンブレム」が何であれ、それが展開する商品やサービスは大きな注目と売り上げを生むはずだ。もしかしたら、自由度が高い分、公式エンブレムよりも魅力的なコンテンツになるかもしれない。その可能性は計り知れない。
例えば、その売り上げを、東日本大震災・熊本地震の復興支援として寄付したり、五輪マイナー競技の選手支援や、パラリンピックの支援団体などへの資金援助に利用してはどうだろうか。エンブレム公募という大事業の成果物のひとつとして、大いに価値がある試みだと思う。
<透明性とオープン性の証明はこれから>
透明性やオープンという言葉を使うのはたやすい。
しかし、それを実際に国民に体感してもらうためには、具体的なアクションが不可欠だ。誠意や説明などはほとんど意味がないし、「webで情報提供しています」という程度のことが、透明性の担保にならないことぐらいは、誰もが知っている。
「応募全作品の公開」と「王貞治公認・五輪応援エンブレム」はぜひ試みてほしい。もしかしたら、決定したA案かそれ以上に多くの国民から、前向きで建設的な関心を持たれるはずだ。東京五輪の盛り上がりに、一役も二役も買うだろう。
理論的にも実務的にも難しくはない。もし、それが無理であるとすれば、「透明性」と「オープン」を強く表明している以上、組織委員会・エンブレム委員会には、それが無理である理由を説明する義務がある。
透明性とオープン性、国民参加の証明は、エンブレムが決定するまでの仕事ではない。むしろ、エンブレムが決定して以降にこそ、本当に始めることができるはずだ。



