記事
  • Sozen
  • 2011年03月18日 06:30

中東緊張で原油大幅続伸

3月17日のNYMEX WTI 原油先物は大幅に続伸し、前日比$3.44高の$101.42/bblで引けました。引け後の時間外取引は$101/bbl台後半です。

日本の震災を受けた総弱気が一巡してアク抜けと判断されたのか、中東・アフリカ情勢を巡る緊張が再評価されて一気に前週末水準を回復しました。

先月以来中東・アフリカ情勢の緊張で買われ過ぎの観があった原油相場は、東日本大震災を受けた日本の短期的な石油需要低下懸念や原発危機によって修正の下げに見舞われましたが、$90/bblの大台半ばでサポートされて再度の上昇局面となっています。
ただ、リビア内戦による原油供給途絶はかなり市場に織り込まれつつあるので、ペルシャ湾岸情勢が今後の焦点となるのでしょう。

リビアではカダフィ政権軍がシドラ湾沿岸のシドラ、ラスラヌフ、ズエイティナなど主要な石油拠点を概ね奪回し、北東部の反政府派拠点ベンガジを攻撃中で反体制派はかなり追い詰められています。
今後カダフィが完全に復権した場合、反体制派に対して寛容な態度で臨むことは無いでしょうから、内戦は長期化、泥沼化する可能性が高いのでしょう。それは、カダフィが追放された場合の混乱より大きなものになることが確実です。
これに対し、欧米諸国は広範な軍事攻撃を含むカダフィ政権への追加制裁を検討中です。
リビアの原油供給は、ほぼ全面停止の可能性が高くなっていますね。

バーレーンはサウジアラビアなどの部隊の応援で治安を強化し、反政府運動の抑え込みを進めています。
これに対し、イスラム教スンニ派の体制側によるシーア派市民への弾圧として、国内でシーア派が優勢なイランやイラクが強く反発し、サウジアラビアでもシーア派住民による抗議デモが行われるなど、シーア派とスンニ派の宗教対立が激化しそうな様相です。
イラン、イラク、サウジアラビアという大産油国を巻き込んだ緊張ですから、原油相場への大きな影響が懸念されます。

日本の情勢については、震災直後にはショッキングな映像が世界中に流れて経済活動の大幅な低下が必要以上に懸念されましたが、その後計画停電が行われるなどの報で需要の低下が予想外に少ないどころか、原発危機によって発電向けの石油需要が高まるといった観測が市場で支配的になっています。
福島原発の危機も、最悪の事態は既に市場に織り込まれているのかもしれません。

国際エネルギー機関(IEA)などにより、日本の発電用石油需要は日量17〜20万バレル増加する見通しとなっています。IEAによる2011年の日本の石油需要見通しは日量425万バレルでしたから、5%弱の増加ということになりますね。
一方、東京電力の電力供給力不足による首都圏の経済活動への制限がどの程度日本の石油需要に影響を与えるのか、或いは復興需要がどの程度のものになるのかなどは今のところ予測困難です。

2011/3/17
NYMEX WTI Apr $101.42/bbl ( +3.44 )
20日移動平均: $98.61 ( +0.30 )
ボリンジャーバンド
 +2σ: $109.11 / -2σ: $88.11
 幅: $20.99 ( -3.16 ) / 100日平均: $10.53
ボラティリティ
 41.78 ( +1.07 ) / 100日平均: 26.32

トピックス

  1. 一覧を見る

ランキング

  1. 1

    BLOGOSサービス終了のお知らせ

    BLOGOS編集部

    03月31日 16:00

  2. 2

    なぜ日本からは韓国の姿が理解しにくいのか 識者が語る日韓関係の行方

    島村優

    03月31日 15:41

  3. 3

    「いまの正義」だけが語られるネット社会とウェブ言論の未来

    御田寺圭

    03月31日 10:09

  4. 4

    カーオーディオの文化史 〜ドライブミュージックを支えた、技術の結晶たち〜

    速水健朗

    03月30日 16:30

  5. 5

    BLOGOS執筆を通じて垣間見たリーマンショック後10年の企業経営

    大関暁夫

    03月31日 08:27

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。