エジプトは確か言論の自由の問題で、欧米諸国や一部のアラブ・メディアより批判を受けていますが、どうもこのエジプトの言論の自由の問題は国営TVにまで広がっているようです。
確かしばらく前に国営TVの女性アナウンサーが、政権批判をしたとかで降ろされた事件があったかと思いますが、今度は国営TV総裁の更迭です。
23日エジプト首相は、国営TV総裁isam al amir を罷免し、後任にsafa al higazi を当てると発表しました。
これを伝えるal arabia net (最近エジプトが接近しているサウディ系のメディア)は、最近国営TVの番組が政権との間で悶着を起こし議論の的になっているものが多いとコメントしています。
その一つは数日前に報道された「最後までの革命家」とでも題する番組で、シナイ半島解放の記念日に、25日デモをするように呼びかけ、国家に対する扇動をしたというものです。
もう一つは、数週間前にエジプトはムバラク時代から何ら変わっていないとして、シーシを攻撃した番組とのことです。
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/egypt/2016/04/24/بعد-بث-برامج-تحريضية-إقالة-رئيس-التلفزيون-المصري-.html
日本でも公共放送が政府の政策を批判したとか偏向しているとかの批判は聞きますが、エジプトの場合、そもそも政権の宣伝機関である政府TVがこのような状況にあるとしたら、むしろエジプトのマスコミ人の間に、根深い政府に対する不満と批判が広がって居るということでしょうか?
一部の報道から、全体を推測することは避けるべきですが、国営TV総裁の更迭というのは、矢張り相当の事件だと思います。
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- 2016年04月24日 17:41