国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団」によれば、報道の自由に関する2016年の世界ランキングにおいて、日本は72位で、3年連続で順位を落としたという。
「表現の自由」に関する国連特別報告者が日本での調査を終え、19日に記者会見したが、「日本の報道の独立性は重大な脅威に直面している」と警告した。
わしの中には攘夷の感覚があるので、外国人のチェックを受けること自体が不愉快なのだが、残念ながらこの件では彼らの指摘を、自信を持って否定することができない。
「特定秘密保護法」で何が隠されているのか、もはや国民は知ることができない。
中立性・公平性を求める政府の圧力が、「メディアの自主検閲」を生み出しているというのも本当だろう。
とりわけ安倍首相に対して自主規制が働いていると指摘されるが、あり得る。
国連特別報告者の取材では、ジャーナリストの多くが「匿名」を条件にしか答えないようだ。
何を恐れているのか?
国連特別報告者は勝手に日本にやって来て調査してるわけではない。
日本側からの招待で来日している。
だが、高市総務大臣に会えるよう何度も申し込んだが、高市は受けなかったのである。
報告者は「放送法第4条を廃止し、政府はメディア規制から手を引くべきだ」と提言した。
この問題を軽く見てる者が多いが、わしはその怠慢さを非難する。
政府が情報を隠し、報道にまで陰に陽に巧妙な圧力をかけ、報道が権力にひるんで自粛しているとしたら、国民は何も知らされぬまま国家の行方をおまかせするしかなくなる。
わしはそういう怠慢な国民にはなりたくない。
「一身独立して、一国独立す」なのだ。
独立心の強いわしは、「言論・表現の自由」を国家のために特別重要なものだと考えている。