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三菱自動車燃費性能偽装事件-やはりコンプライアンス経営はむずかしい

すでにマスコミで大きく報じられている三菱自動車さんの燃費性能偽装事件、私も午後5時からの社長さんの会見を生中継で視聴しておりました。毎月、毎月、外部委員を中心に企業倫理委員会をまじめに開催してきた三菱自動車さんですが、ホントにコンプライアンス経営はむずかしいと痛感します。また、いろいろと事実が明らかになれば詳細なエントリーを書きたいと思いますが、最初に気づいた点をいくつか述べておきたいと思います。

ひとつは同業他社(OEM供給先)からの指摘(正式な指摘は先週だったそうです)によって不正発覚に及んだこと。これはどう考えても自浄作用を発揮できなかったといわれてもしかたないところです。三菱自動車さんが最初に公表した文章は、かならず日産自動車さんの広報または法務のチェックを受けていますので、その文章内容から何が読み取れるかがポイントです(日産の指摘で発覚したこと、三菱の意図的な不正であることを明示することにより、日産はまちがっても不正に加担しているわけではない、むしろ日産は三菱の公表を後押しした、との強い日産側の意思が明確になっています)。なお、これに呼応して日産自動車さんも お詫び文書をHPで公開しています。

心配といいますか、懸念されるのは、三菱自動車英国法人が、英国・欧州向けに「不正はないから心配しないで」と公表している点(こちらのニュース)。今回の性能偽装はどこまで広がるかわからないのに、早々と英国法人が「海外向けは関係ない」と公表して大丈夫なのでしょうか?これから開始される第三者委員会による調査は、日産自動車から指摘された不正だけでなく、同様の不正がどこまで広がっているのか、という点も当然に調査範囲に含めるはずです。しかしこの英国法人のリリースからすると、もはや第三者委員会の調査範囲も三菱側が限定してしまう、ということになってしまうのでしょうか?このあたりも今後の重要なポイントです。

そしてもっとも気になるのが昨年11月の毎日新聞さんのこちらのニュースとの関係ですね(これは工場労働者さんもコメントで述べられているところかと)。開発が遅れていることを経営者に報告すると「しめしをつける」(同社広報部)として担当者の退職を余儀なくされ、また開発の遅れを隠すために偽装に走らざるをえないとなると担当者が責任をとらされてしまうって、まさに「チャレンジ」「工夫しろ」のジレンマの世界かなぁと。「攻めのガバナンス」が推進するスピード経営、効率経営を高めるため、三菱自動車さんはこの6月から監査等委員会設置会社に移行する予定ですが、まさにスピード経営、効率経営を目指した末にこのような不祥事が発生したわけです。今後、取締役監査等委員に就任される方はたいへんですね。

3年前、当ブログでも(こちらのエントリーで)取り上げましたが、三菱自動車さんは2012年に国交省から不適切なリコール対応で厳重注意を受けています。これは内部通報によって発覚したのですが、今回は一切内部通報や内部告発はなかったと会見で社長さんが述べておられました。現場でも性能偽装の事実を放置していたとすれば、コンプライアンス意識の欠如はかなり深刻なのかもしれません。

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