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ドローンを災害報道でも活用しろ

どうも新田です。去年の夏、まだアゴラの編集長に就任する前、朝日新聞のドローンイベントでオフィシャルライターを務めたんですが、国内のドローン専門家としては第一人者である野波健蔵先生のお話を、襟を正して拝聴する機会に恵まれました。

【開催報告】超ミクロ偵察機、空飛ぶ車…SF映画の世界が実現へ。ドローンの秘める無限の可能性(上):未来メディアプロジェクト:朝日新聞デジタル

【開催報告】超ミクロ偵察機、空飛ぶ車…SF映画の世界が実現へ。ドローンの秘める無限の可能性(下):未来メディアプロジェクト:朝日新聞デジタル

ドローンのことを基礎から最先端の事例まで学べた中で、用途として期待されるのが災害時の現地偵察。有人の大型ヘリを飛ばすには低すぎる、しかし人力では把握できない俯瞰視点を得るという「空の産業革命」(野波先生)がドローンの利活用の実益ですが、まさに今回の熊本の大地震が、野波先生のお話を聞いてから初めての大災害。ドローンがどのように使われるか注目しておりました。

早速、行政側で国土地理院が南阿蘇村と益城町の被災ポイント3カ所にドローンを飛ばしましたね。すでに報道でも使われており、ご覧になった方もおられると思いますが、日本国政府のサイトとあって画像・動画の転載にあたっては、国土地理院と明記する条件のみで、あとは著作権フリー。特設ページでご覧いただけます。

益城町の断層の撮り方などは、まさにドローンならではの「鳥」目線。その気になれば、そのまま家屋の様子も接写できそうで、低空領域からの現状把握を可能にしたテクノロジーの力を感じます。

「騒音」で物議をかもす報道ヘリ

災害時の空撮といえば、行政だけでなく報道機関(テレビ局、新聞社)も活用します。しかし報道ヘリの爆音が瓦礫に埋もれた被災者が助けを呼ぶ声をかき消したといった話は、阪神大震災の頃から何度も指摘されてきました。今回は、どうなるやらと注目していたら、案の定、ツイッターではマスコミ叩きの材料として取りざたされておりました。今回の現場でのリアルはどうだったのか、住民側の生の声を知りたいところですが、一応、阪神の教訓を受けて、騒音の低減や飛行高度の設定、望遠レンズの高性能化などの現場での運用に一定の改善はされているようです。

ただ、それでも行政が報道機関にヘリ取材の自粛を要請するようなことがあったりと、コンフリクトはありますし、私も東京の都心部に住んでいると、何か事があったときにテレビ的には「画」になるスポットが周辺にあるので、報道ヘリの騒音は住民としてしばしば体験します。なので、救助妨害にならないように報道ヘリの騒音が100%完璧に配慮されているのかというと、疑問も拭えないわけですが、これがドローンであれば、耳をつんざくレベルの音があるものの、従来型の有人報道ヘリが、ぶちかます爆音とは比べるほどではありません。

熊本地震が、災害報道にイノベーションを迫る

しかも、ドローンへの移行は、取材者側にとっても、有人ヘリが飛んでいくことができない低空ゾーンの「画」を撮れることで、新しい視点での報道コンテンツが開拓できる可能性もあります。たとえば、被災地を一望する視点からドーンと地上へズームアップしていって、人間が歩いていくことのできない瓦礫の向こうの様子を映し出すといった、“鳥の目”と“虫の目”の往来を一気通貫で伝えることも可能になります。また行政側の利用と大きく違うのは、報道機関の場合、ヒューマンストーリーに着目した視点での撮影がありますので、いままさに救助される瞬間を“鳥の目”で映し出すことも可能になります(ここはどこまで接写できるのか技術的な議論はありますが)。

ドローン運行の法的位置付けについては昨今の改正航空法により、都市部を中心に規制が厳格化されましたが、民放連は昨年5月、与党議員に対して意見書を出し「取材・報道活動に配慮した規定がない」と申し入れております。報道機関の要望を受け、国交省は同7月に国交省も同7月に「報道機関がドローンを自由に運用できる仕組みを作る方針を示した」(新聞協会サイトより)はずなんですが、あれ、その後、どうなったのかな。今回も初動の取材でドローンを活用している社を見かけなかったので、まだ固まっていないのでしょうか(土日なので国交省取材できず…汗)。

まあ、“報道ドローン”の目を見張る成果がこの数日は見えないので、実効性のあるルール施行をお願いしたいところ。どちらにせよ、熊本地震は、災害報道にイノベーションを迫る契機になる気がします。ではでは。

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