- 2016年04月16日 20:45
【4月14日の国会】政府が進める地方分権改革の中身とは?- 寺田 洋介
2/2地方からの提案をいかに実現するかという基本姿勢に立つ
石破国務大臣:
青柳議員から4問ご質問を頂戴をいたしました。
地域主権改革および道州制についてであります。民進党の綱領におきまして、地方の創意工夫による自立を可能とする地域主権改革を断行する、とされていることは承知をいたしております。政府といたしましても、現在、地域が自らの発想と創意工夫により、課題解決を図ることができるよう、地方分権改革を推進しているところであり、これは、国は外交・安全保障など、国家の本来的任務を重点的に担い、住民に身近な行政はできる限り地方が担うことで、住民サービスを向上させることを目的といたしております。
平成26年からは、国が選ぶのではなく、地方が選ぶことができる地方分権改革を目指し、提案募集方式を導入し、地方からの提案について可能な限り実現を図っておるところであります。今後とも、「知恵は現場にこそある」との考えのもと、地方の熱意と現場の生の声を真摯に受け止め、やる気のある地方を応援する地方分権改革を、着実かつ強力に進めてまいります。
また、道州制は国家の統治機能を集約・強化するとともに、住民に身近な行政はできる限り地方が担うことにより、地域経済の活性化や行政の効率化を実現するための手段の1つであり、国と地方のあり方を根底から見直す大きな改革であります。このような大きな改革であることから、その検討にあたりましては、道州制の具体的な姿を明らかにしつつ、国民的な議論を十分に行うことが必要であります。また、地方団体の声を聞きながら、丁寧に議論を進めていくことも重要であります。民進党の基本的政策合意において、「基礎自治体の強化を図りつつ、道州制への移行を目指す。
その際それぞれの地域の選択を尊重する」とされていることも認識をいたしております。道州制に関しましては、与党において、議論を前に進めるべく、精力的に検討が重ねられており、政府としても連携を深め、取り組んで参ります。
次に地方創生のあり方についてであります。地方創生とは人口減少の克服と、地域活性化を一体として実現することを目指すものであり、従来の取り組みとは大きく異なるものであります。すなわち、国がメニューを示すやり方ではなく、地方が創意工夫を発揮できるよう、地方の主体的な取り組みを、国が支援することといたしております。
地方創生の実現にあたりましては、地方が国の総合戦略に盛り込んだ支援策を活用しつつ、各地方の自由な発想に基づく、地方版総合戦略を策定し、すべての政策に国も地方も具体的な成果目標を設定し、徹底した効果検証を行うといった点で、ともに力を合わせて取り組んでいくものであります。地方創生はすぐに成果が現れるものではなく、息長く取り組むことが重要であります。国民の皆様方にご理解をいただきながら、自由度の高い新型交付金や、企業版ふるさと納税制度などの財政面に加え、情報面、人的な面でも地方を支援をいたして参ります。
今後の事務・権限の移譲についてであります。従来の委員会勧告方式による、分権改革の成果を基盤とし、平成26年6月に、地方の代表も参画をしている地方分権改革有識者会議において、それまでの取り組みの総括を行いました。その中において、個性を活かし自立した地方を作るため、国主導による集中的な取り組みから、地方の発意に根ざした息の長い取り組みへの転換が望まれる、とされたところであります。これに基づいて、委員会勧告方式に替えて、国が選ぶのではなく、地方が選ぶことのできる地方分権改革を目指し、事務・権限の移譲や、地方に対する規制緩和についての提案募集方式を導入をいたしました。
この提案募集方式は、まさに地に足のついた、現場で住民や自治体の職員が困っている課題について、ユーザー目線で提案をしていただき、解決するためのものであり、住民サービスの向上に大きく資するものであると考えております。提案募集方式を通じた取り組みにつきましては、全国知事会から、「地方分権改革の力強い前進が図られたことに感謝する」、また、指定都市市長会からも、「地方自治体の政策実現の幅が広がる、大変意義のある取り組み」とご評価をいただいております。個々の自治体の発意に応じ、選択的に権限を移譲する手挙げ方式は、地域特性や、事務処理体制等の差が大きい事務・権限の場合、特に国から地方への移譲に際して、新たな突破口になりうるものと考えております。
その際、手挙げ方式により移譲を受けた自治体において、事務・権限を適切に執行することができるための、技術的助言などを行い、自治体間で制度が異なることにより、住民に不利益が生じないよう留意をいたして参ります。今後とも、移譲する事務の性質に応じた手挙げ方式も選択肢とし、地方からのご提案をいかに実現するかという基本姿勢に立って取り組んで参ります。
最後に、地方版ハローワークに関し、求職者への求人情報の提供のあり方、国のハローワークとの役割分担や、重複の防止についてのお尋ねをいただきました。ハローワークのあり方については、全国知事会からの要望も踏まえ、求職者・求人企業にとって、何が一番いいのかという観点から検討し、地方版ハローワーク等の創設を行うこととしたものであります。求職者への求人情報の提供のあり方については、地方版ハローワークにおいても、職業安定法第5条の7に基づき、求職者に対して、その能力に適合する職業を紹介するよう努めることが求められております。国のハローワークからオンラインで、全国的な求人情報の提供を受けた地方版ハローワークでは、求職者の希望する勤務地に応じ、当該情報を活用して、職業紹介が行われるものと考えております。
国と地方との役割分担につきましては、国は憲法第27条に定められた勤労権の保障のため、全国規模のネットワークによる雇用のセーフティネットの役割を担います。地方公共団体は、地方自治法第1条の2において、地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担うとされ、また、雇用対策法第5条において、地域の実情に応じ、雇用に関する必要な施策を講ずるように努めなければならない、とされていることを踏まえ、住民に身近な場所で地方公共団体が提供する福祉サービスや産業振興施策と一体となった雇用施策を講じます。こうした役割を分担しつつ、互いに補完し合いながら効果をあげることが期待されるものであります。
国と地方の事業の重複につきましては、ただいま申し上げました通り、地方版ハローワークは国と地方の適切な役割分担のもとで、住民の利便性向上を図るものであり、国と地方が単に同じ事務を重複して行い非効率である、いわゆる二重行政が生ずるものではございません。地方版ハローワークの形態は様々であると考えられますが、各地域において、国と地方公共団体が雇用に関する協定の締結などを通じて十分に協議し、住民にとって利便性が高く効率的なサービスが提供されるよう努めて参ります。以上であります。
(衆議院インターネット中継より)
今回の質疑も含め、地方分権改革をどの程度進め、またいかに実現するかという点については議論が尽きない。道州制の導入については、石破大臣も言及していた通り、まだまだ国民的議論が不足しているように思う。おおさか維新の会が党独自の憲法改正原案に「道州制の導入による統治機構改革」を入れているが、地域活性化が求められる中、憲法改正の可能性も踏まえて今後より具体的に議論していくべきであろう。そして、今後は、答弁にもあったように、国民の利益につながるかという観点で、着実にPDCAサイクルを回しながら最適な地方分権のあり方を探っていっていただきたい。



