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イスラム協力機構首脳会議の終了(サウディ対イランの対決)

イスタンブールで開かれていたイスラム協力機構の首脳会議は15日2日の日程を終了しましたが、どうやらこの会議は「イスラム協力」どころか「イスラム対立」会議の様相を示した、極めて異例の会議となったようです。
そのため最終コミュニケの発出も遅れた由。

そもそも、会議の冒頭から、イスラム諸国の対立、というか今回の議長国のトルコと前回の議長国エジプトの対立を反映し、異例のものとなり、エジプト首脳のシーシ大統領は欠席、代わりに出席した外相も、エルドアン大統領と握手もせず、目も合わせず、挨拶でも大統領への発言(通常こういう時に主催国に…お世辞でも…礼を言うのがふつう)もなしに、前回議長としての挨拶が終わり次第、退席した由。
エルドアンも、徹底的にエジプトを無視した由。
前回の首脳会議がカイロであり、当時のムルシー大統領とトルコは無二の関係であったものですが、中東の変わり身の早さというか、変化の激しさと速さには驚かされます。

それはともかく、アラビア語メディアによると、今回の会議での実質的な問題は、徹底したイラン対サウディ及びその支持国の対立、抗争であったとのことです。
(まあ、この機構のそもそもの発想がサウディで、確か事務局もサウディにあるし、GCCだけでも多くの国があるので当然と言えば当然ですが)サウディは、出席諸国の3分の2の支持を得て、イランのアラブ諸国に対する介入、干渉を非難し、ヒズボッラーをテロ組織として非難し、それを最終コミュニケに盛り込もうとし、それをイランが防ごうとする対立、抗争が続機、結局はサウディの意向が大幅に盛り込まれた最終コミュニケが採択されたとのことです。
このため、イラン大統領ロウハニは最終セッションは欠席したとのことです。

最終コミュニケは、明確な形で、イランの中東及びイスラム諸国に対する干渉、介入を非難し、特にシリア、イエメン、バハレン、ソマリア等に対する介入を非難し、テロに対する支援を非難したとのことです。
さらにイランとイスラム諸国間の関係は、「善意の隣人」関係で、主権の尊重及び内政不干渉に基づくべきであるとして、サウディ大使館等に対する襲撃を非難した由。
ヒズボッラーに関しては、シリア、イエメン、バハレン、クウェイト等に対するテロ活動、テロ組織の支援等を非難した由。
これに対して、イラン外相は、サウディがイランに敵対する条項の挿入を強行したことを非難し、これはイスラエルに奉仕するだけのものだとし、今後イスラム協力機構はこの宣言を後悔するであろうとした由。

http://www.alquds.co.uk/?p=516821
http://www.aljazeera.net/news/international/2016/4/15/القمة-الإسلامية-تدين-تدخلات-إيران-وحزب-الله
http://www.alarabiya.net/ar/arab-and-world/2016/04/15/اسطنبول-اختتام-القمة-الإسلامية-اليوم.html

まあ、この最終宣言が、現実政治にどの程度影響のあるものかは別にして、これまでこのような政治的対立は表面を糊塗してきたイスラム間の関係で、矢張りサウディ対イランの対立は、ごまかしの効かないところまで来ているのかもしれません。
その意味では、今回の首脳会議は象徴的な意味があるように思われます。
それにしても、多勢に無勢の会議で、最後まで粘るイランの外交姿勢及び努力は、大したもので、わが日本の外交当局も大いに見習うところがあると思います(全く関係はないのですが、このようなイランの粘り腰を見ていると、戦前の国際連盟総会で、日本の満州政策が非難されたことに対して、時の松岡外相が席を立って、国際連盟からも脱退して、その後の国際的孤立の道と太平洋戦争に道を開いたことを思い出します。あの時は、松岡の態度が決然としているとして、国民もこぞって歓迎したものでした)

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