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日本の為替介入への牽制

IMFのラガルド専務理事は14日の記者会見で、足元で進む円高について「日本の市場を注視している」と述べた。そのうえで急激な為替変動があった場合には「為替介入は正当化される」と指摘した。

 14日から15日にかけてワシントンでG20が開催されたが、開幕に先立って、麻生太郎財務相は米国のルー財務長官と会談して為替政策を協議し、通貨安競争や過度な相場変動の回避を原則とするG20合意を「すべての国が尊重することが重要」との考えで一致した(以上、日本経済新聞の記事より)。
 また麻生財務相はG20に出発する前に、「為替相場の急激な変動や無秩序な値動きは望ましくないことははっきりしていて、それに対してしかるべき対応を取ることをG20でも合意している」と述べて、急な円高の動きに対しては必要な措置を取る考えを改めて示した(NHK)。

上記の記事からは、今回のようにドル円が120円から110円割れに大きく切り下がるようなケースの場合には、為替介入もありうることを示したかにみえるが、これは通貨安競争や過度な相場変動の回避を原則とするG20合意を確認したものである。しかし、これで本当に為替介入は可能なのかといえば、疑問が残る。ラガルド専務理事がわざわざ日本について言及した背景には、何かしら理由もありそうだが、そのIMFの関係者からは下記のような発言も出ていた。

 IMFの対日審査責任者を務めるリュック・エフェラールト氏は12日、ワシントンでのインタビューで、「為替レートが極めて無秩序な動きを示さない限り、現時点での日本の介入には正当な理由はない」と発言していたのである(ブルームバーグ)。

 要するに「過度な相場変動」という表現に対する解釈の違いがここには存在する。G20では「過度な相場変動」に対する介入の必要性は認めており、その解釈の上で今回のような円高にも介入で対応できるかといえば、現実にはかなり難しいといえる。

 エフェラールト氏の発言にもあったように「極めて無秩序な動き」、つまりは過去のイングランド銀行を狙い撃ちにしたような動きや、百年に一度といった金融不安による通貨の急落などに対しては介入の必要性は認める。しかし、今回の円高は円安がやや進みすぎたことの調整ともいえるため、無秩序な動きに該当するとは思えない。

 16日の日経新聞電子版によると、ルー米財務長官は15日、米ワシントンで開いたG20財務相・中央銀行総裁会議後の記者会見で「最近は円高が進んだが、為替市場の動きは秩序的だ」と述べた。これはつまり、日本政府が円安誘導策に動くことをけん制した格好となった。

 このように米国やIMFが今回のような円高の是正に対して、介入もありうるとした日本の意向に賛同するとは考えづらい。このため、日本での為替介入、特に通貨安となる円売り介入についてはかなり困難ではないかとみている。

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