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焦点:日銀は追加緩和で幅広い選択肢検討、高まるETF増額の期待度

[東京 15日 ロイター] - 早期の物価2%目標の達成に不透明感が増す中、日銀が次回4月27、28日の金融政策決定会合で、追加の金融緩和を議論する公算が大きくなっている。注目の緩和手段に関しては、幅広い選択肢が検討されているもよう。中でも上場投資信託(ETF)の買い入れ増額については、インフレ期待の押し上げ効果の観点から、日銀内の「期待度」が従来よりも高まっている。

日銀は1月の金融政策決定会合で、マイナス金利政策の導入を決めたばかり。しかし、その後も金融市場で円高・株安が進行し、経済・物価の下振れリスクが再燃した。日銀内でも、このまま手をこまねいていた場合、デフレ局面に逆戻りしかねないリスクに関し、注目する声が広がっている。

こうした情勢の下で、これまでの量的・質的金融緩和(QQE)では、決して「主役」ではなかったETF買い入れに脚光が当たり出している。

もともと世界の中銀の中では、ほとんど前例のなかったETF購入に対し、日銀は「タブー」を乗り越えて踏み切った経緯がある。リスク・プレミアムの縮小に効果があるとの狙いからだ。

ただ、国債と異なりETFには償還期限がなく、購入額を増加し続ける場合、将来の利上げ局面における対応が難しくなるとの声が日銀内にはあった。

だが、年明け後の市場では、海外経済の不透明感の高まりなどを背景に投資家のリスク回避姿勢が強まり、株安・円高が進行。株価下落を受けた企業や個人の心理悪化を背景に、インフレ期の低下や逆資産効果による消費活動への悪影響も懸念される情勢に直面。

さらにマイナス金利政策の導入で、イールドカーブ(利回り曲線)全体が大きく低下しているにもかかわらず、その後もリスク資産への投資意欲の明確な高まりは見られていない。

このため、日銀内ではリスク・プレミアム縮小の観点から、ETFには増額余地があるとの見方が広がっている。

一方、具体的な緩和手段に関しては、幅広い選択肢から、様々な組み合わせが検討されているもようだ。

黒田東彦総裁は13日、米ニューヨークのコロンビア大学で講演し、物価2%目標の達成に必要な場合は「ちゅうちょなく追加的な金融緩和措置を講じる」とあらためて強調。

手段についても「数多くある」とし、量・質・金利の3つの次元の緩和策を「最大限活用することによって、必ず2%の物価安定目標を実現する」との決意を表明した。

黒田総裁は、これまで追加緩和時に3つの手段のどれを採用し、または組み合わせるかは「その時点の金融・経済情勢を踏まえ、必要かつ最も適切な政策を講じる」(5日、衆院財務金融委員会での答弁)と述べるにとどめていた。

市場では、金融市場の不安定な状況が続く中で、現在、年間約3兆円のペースで買い入れているETFの増額が「最低限」(外資系証券)との見方もある。

一方、金融機関などから消極的な反応も出ているマイナス金利について、市場の一部では、一段のマイナス幅拡大が金融機関の収益圧迫懸念を強め、銀行株安を招きかけないため、日銀は選択肢から排除するのではないかとの声が出ている。

だが、日銀は最近の円高・株安は、海外経済など外部環境の悪化が原因で、マイナス金利導入が原因ではないとの立場。むしろ、マイナス金利は「株高、円安の方向に力を持っているはず」(3月7日、黒田総裁講演)と主張している。

また、マイナス金利導入で警戒された長期国債買い入れの札割れや、大幅な応札倍率の低下など量的緩和への支障も、今のところみられていない。

取引量の減少という市場機能の低下は否めないものの、日銀内では導入から2カ月が経過し、当初混乱した金利市場の目線も定まってきたとの声もある。

このため、年間80兆円のペースで保有額を増加させている長期国債の買い入れの増額も選択肢と日銀ではみている。

市場では持続性の観点から、増額に懐疑的な見方も少なくないが、そうした打ち止め懸念を払しょくするため、昨年12月の金融政策決定会合で長期国債買い入れの平均残存期間の長期化などQQEの補完措置が決定された経緯がある。

市場では「3つの次元のどれかを排除すれば、その手段の打ち止め感が意識され、緩和効果が減殺されてしまう可能性も否定きない」(国内銀行)との指摘も聞かれる。

マイナス金利導入で長期金利までマイナスとなる中、追加緩和によって日銀が効果として強調する実質金利のさらなる低下を促すには、低下気味の期待インフレ率を高めることが不可欠。豊富な手段を確保した日銀だが、その選択は難しい判断を迫られる。

(伊藤純夫 竹本能文 編集:田巻一彦)

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