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英語能力テストの大学入試活用、まだまだ進む?

新学期の授業も、徐々に本格化してきたころでしょう。このうち英語に関しては、近年、コミュニケーション能力の育成を目指して、「聞く」「話す」「読む」「書く」の4技能をバランスよく育成することに、力が入れられています。そうしたなかで注目されているのが、英検・GTEC・TOEFLなど、4技能を測定できる民間の英語資格・検定試験(英語能力テスト)です。しかも、大学入試での活用が、今後ますます広がりそうなのです。

文部科学省が昨年11~12月、全国の国公私立大学を対象に調査したところ、回答した695大学のうち43.0%に当たる299大学が、入学者選抜で英語能力テストを活用していました。入試方法別に見ると、推薦入試が29.2%、AO入試が24.2%と多く、一般入試は6.3%にとどまっています。ただし、国立は81大学のうち、一般入試での活用が11.1%に当たる9大学となっています。国立大学はどこも留学生の受け入れや日本人学生の海外留学に力を入れていますから、活用は今後ますます増えていきそうな気配です。

もちろん、裏を返せば、半数以上の大学では、英語能力テストを入試に活用する必要性を感じていないわけです。活用していない大学に理由を尋ねたところ、「自校で行っている入学者選抜の方法で十分と考えている」が74.2%と圧倒的。さらに、その理由を聞いてみると、「4技能の能力の測定をしなくても優秀な学生が確保できる」「現行のカリキュラムでは、4技能の能力を必要としない」といった答えが、多く返ってきました。

それでも、大学入試における英語能力テストの存在感が、さらに高まっていく可能性があります。2020(平成32)年度から大学入試センター試験に代えて導入する「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」で、英語の4技能試験を導入するばかりか、受験生が英語自体を、英語能力テストで代替できるようにすることが提言されているからです。

本体の英語試験では、「話す」能力の測定で、ICレコーダーやタブレットパソコンなどによる「音声吹き込み試験」を行うことが考えられるとしていますが、採点も含めて技術的には課題も多く、新テスト開始当初の導入は先送りとなる可能性もあります。そうなると、既に4技能の測定に実績のある英語能力テストの存在が、クローズアップされていくことになるでしょう。

活用が広がっていくに従って、ネックとなりそうなのが、受検料の高さや、受検会場の制約です。とりわけ受検料は、1回1万円を超えるものもあります。ただし、入学者選抜でも活用が促進されるとなれば、値下げに踏み切るところも出てくるでしょうし、国も経済的に困っている生徒に対し、何らかの支援策を講じることが予想されます。

文科省は既に昨年3月、大学はもとより、中高の英語力評価でも、英語能力テストの活用を促進するよう、関係者に通知しています。英語能力テストの実施機関側でも、文科省の音頭で連絡協議会が設置され、共同でウェブサイトも運営しています。日本全体でグローバル化に対応していくためにも、社会総掛かりでの対策が求められます。

(筆者:渡辺敦司)

プロフィール

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渡辺敦司

1964年北海道生まれ。横浜国立大学教育学部卒。1990年、教育専門紙「日本教育新聞」記者となり、文部省、進路指導問題などを担当。1998年よりフリー。連載に「『学力』新時代~模索する教育現場から」(時事通信社「内外教育」)など。

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