- 2016年04月12日 23:42
第357回(2016年4月12日)
3/4では、デラウェア州の人気の秘密は何か。関連文献を調べると、意外なことに、人気の源泉は会社法制等の「内容」とは別のところにあるようです。
デラウェア州の会社法改正には州両院(上下院)の3分の2以上の賛成多数が必要との規定が同州憲法に定められていたため、法的安定性、予測可能性、政策的一貫性の面で優れていることが評価されたという説です。
その流れは今でも続いており、デラウェア州は会社法に精通した優秀な裁判官を揃え、迅速かつ予測可能性と柔軟性の高い会社法運用をしていると評価されています。
会社法の内容自体は、企業保護に重きを置いた州と、少数株主や顧客の利益保護に重きを置く州の、中間的な立場だと言われています。
他州の多くは企業保護を強化することでデラウェア州に対抗しようとしています。一方、デラウェア州はバランスのとれた柔軟な会社法があり、出資者(株主)の正当な利益を保護することに腐心。
会社法の内容がバランスよく整備され、行政手続のオンライン化・電子化も進み、企業の設立・登記等のプロセスが明快・簡便・迅速。最短1時間足らずで起業できるほどです。
こうした総合的な会社法制・行政体制が、米国上場企業の経営者、出資者双方に好まれているというのが実情でしょう。
3.パナマ文書
さて、「パナマ文書」。中米パナマの法律事務所「モサック・フォンセカ」から流出した膨大な顧客データのことです。
「モサック・フォンセカ」は世界の大企業や富裕層の間でタックス・ヘイブンに強い法律事務所として知られています。顧客の租税回避行動を支援する法律事務所です。
従業員500人以上、40か国以上に事務所を擁し、顧客(企業及び個人)は約30万。世界の大手金融機関と連携し、英領タックス・ヘイブン等に多くのペーパーカンパニーを設立。
「モサック・フォンセカ」は世界で4番目に大きなオフショア法律事務所であり、「世界で最も口が堅いオフショア金融のリーダー」と評されています。
報道によれば、約1年前、その顧客データを南ドイツ新聞の2人の記者が某人物から入手。「モサック・フォンセカ」はPCをハッキングされたとしています。
会話の録音音声ファイル、1970年代から最近までの電子メール(480万件)、PDFファイル(214万件)、電子ファイル(305万件)、テキストファイル(32万件)、写真(112万件)、その他も含め1150万件。200ヵ国、21万4千の企業・個人が登場するデータです。
流出データ量は2.6テラバイト(TB)。2010年米国外交公電ウィキリークス流出事件の1.7ギガバイト(GB)の1500倍のデータ量です。
米国機密情報をリークしてロシア亡命中のスノーデンが自らのツイッターに「データジャーナリズム史上最大の漏洩事件」と評したほか、ウィキリークスは「パナマ文書流出に米国国際開発庁と米投資家ジョージ・ソロスが関与」とコメントしています。



