■関東圏はどうでしょう?
さて、このような外国人観光客の宿泊数が分かる統計情報があるのですが、関東はどうでしょうか?
統計情報からは、千葉県が宿泊者数340万人で6位、神奈川県が210万人で9位、栃木県が17万人で29位、茨城県が16万人で32位、埼玉県が15万人で34位、群馬県も15万人で35位といった結果が導き出せました。
日光東照宮や富岡製糸場のような世界遺産や、草津や鬼怒川温泉などがあり国内有数の観光地となっているにもかかわらず、北関東は苦戦しています。
一方、成田空港があり、東京ディズニーランド等の巨大テーマパークのある千葉県や箱根や横浜といった観光地がある神奈川県は堅調に外国人観光客の誘致に成功しているようです。
ただし、この統計情報は宿泊客数の統計となっています。ですから、例えば、都内に宿泊して日帰りで日光東照宮や富岡製糸場、偕楽園、秩父などを見に行くといった観光客の動向については本資料からは把握できません。
そのため、外国人観光客が北関東を訪れていないとは言えないことに注意が必要です。おそらく宿泊した近隣の都道府県にまでは足を延ばすと考えられますので、関東には相当数の外国人観光客が訪れていると考えていいのでしょう。
■魅力の発信など地道に取り組む必要があります
さて、国内6位の千葉県については少し気になる点があります。というのは、千葉県内の統計情報では75.9%の外国人観光客が印旛と呼ばれる地域に宿泊しているという点です。
印旛地域は成田空港よりも都心よりの地域ですから、外国人観光客が千葉県内各地の観光地を訪れているかどうかはちょっと疑問です。成田空港を利用する外国人観光客が、日本に到着してとりあえず一泊、もしくは出国する前に一泊といった外国人観光客も多数いると考えられますので、統計に表れている数字ほど多くは外国人観光客が千葉県内を観光していない可能性もあるのです。
そのため、千葉県ではインターネットの活用に力を入れているとのことです。報道では
増加する訪日外国人を県内観光地に呼び込もうと、千葉県はインターネットの活用に力を入れている。清潔で快適なトイレ情報に特化したサイトを開設、「自慢のおもてなしトイレ」を紹介したり、風光明媚(めいび)な自然、お祭りなど県内の魅力を紹介する動画も作成。千葉日報 2016年4月9日
とされており、千葉県内の魅力を地道に国内外に発信しているとのことです。
■外国人観光客数6位の千葉県ですら魅力を発信しようとしています
観光客数が6位といえば、とても立派な数値です。ここまで大きなシェアを占めていれば、訪日外国人観光客数が増えれば勝手に千葉県の観光客数も同じような比率で増加すると判断しても不思議ではありません。
しかし、そのような立派な数値を残している千葉県でさえ、積極的に国内外に自県の魅力を発信しています。(統計数字ほどには観光客が県内を回遊していないといった危機感があるのかもしれません。)
確かに、インバウンド消費を取り込んでと掛け声は、それが上手くいけば地域の経済活性化につながる魔法の杖のように聞こえます。しかし、本気で外国人観光客を取り込もうと考えた時には、千葉県のような地道な取り組みも必要なのです。
インバウンド消費を取り込みたいと考えたとき、あなたのお住まいの地域は、ここまで地道に粘り強く取り組む覚悟があるでしょうか?
【参考記事】
■当事者が誰も得をしないオワハラ行為を今すぐ止めるべき理由(岡崎よしひろ 中小企業診断士)
http://sharescafe.net/44683992-20150511.html
■キングジムの型破り開発術を中小企業が単純にマネしてはいけない理由(岡崎よしひろ 中小企業診断士)
http://sharescafe.net/44623331-20150507.html
■もう起業貧乏にはならない!専門家のアドバイスを『タダ』で利用し起業する方法(岡崎よしひろ 中小企業診断士)
http://sharescafe.net/42751168-20150106.html
■自動運転技術が確立されたとき、中小企業にとってチャンスが訪れます(岡崎よしひろ 中小企業診断士)
http://sharescafe.net/48236024-20160331.html
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岡崎よしひろ 中小企業診断士



