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- 2016年04月10日 07:00
「CNNを占拠せよ」を合言葉に抗議デモ発生も〜米大統領選の「偏向」報道で話題沸騰 - 小林恭子(在英ジャーナリスト)
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11月の米大統領選本選に向けて2大政党の候補者指名争いが熾烈化する中、メディア報道に偏りがあるという批判が出ている。民主党の有力候補の一人バーニー・サンダース上院議員の支持者たちは、3日、米ケーブルニュースの専門局CNNのロサンゼルス・オフィスの前で「CNNを占拠せよ」というスローガンを掲げ、抗議デモを行った。共和党員で不動産王のドナルド・トランプ氏に報道が集中しすぎているという世論調査の結果も出ている。
独立メディア「オルタネット(AlterNet)」の報道によると、CNNのオフィス前に集まったのは約1000人のデモ参加者(数百人という報道もある)だ。サンダース上院議員の扱いが少ないことへの怒りを示すためだった。
サンダース氏が画面に出ない「バーニー・ブラックアウト」現象への抗議は、同候補がハワイ、ワシントン、アラスカなどの予備選で対抗するヒラリー・クリントン氏に大差をつけた後に実施された。「偏向を止めろ」、「CNNがメディアから消えるべき」、「バーニーを支持する」などが書かれたプラカードを高く上げながらオフィス前に集まった参加者たちが声を上げる中、CNNは「旅番組の予告編を流し続けた」という。
サンダース陣営の支持者たちはCNNを本来の「ケーブル・ニュース・ネットワーク(Cable News Network)」ではなく、「クリントン・ニュース・ネットワーク(Clinton New Network)」と呼んでいるという。これまで常にクリントン氏を表に出し、サンダース氏の予備選の勝利を小さく扱うだけだったからだ。
「それも無理はない」と「オルタネット」のアレクサンドラ・ローゼンマン氏は書く。CNNはタイムワーナー社に所有されているが、同社はクリントン陣営の選挙戦への資金提供者の中で、8番目に大きな金額(約8万7000ドル)を出しているからだ。
しかし、5日付のウェブサイト「トゥルース・リボルト」は、CNNがサンダース議員を十分に報道していないという主張に若干の疑問を投げかける。
デモ当日にサンダース氏はCNNの記者にインタビューされていたし、これまでにもCNNはサンダース氏に数多くのインタビューを行い、タウン・ミーティングやディベートで発言する同氏の様子を報道してきたからだ。
サンダース支持者たちがメディアの偏向ぶりを主張する根拠の1つが、データ分析会社「データデシジョン」が1月に発表したある調査結果だった。
データデシジョンは、各候補者がメインストリームのメディアで言及された数とグーグルで検索された数を比較した。これによると、クリントン氏と比較して、サンダース氏がメディアで言及された数が極端に低かったという。例えば、クリントン氏のグーグルでの検索回数は9,235,231だったがメディアでの言及回数は87,737。サンダース氏は前者が21,536,032だが、メディアでは29,525と極端に低かった(数字はいずれも昨年6月から半年間)。
3月26日、同社は調査結果についての分析を追加している。
これによると、データの意味を理解するには3つの要素が必要になる。
(1)大手メディアでニュースを見る人は年齢が高い傾向がある。この年齢層はクリントン陣営のニュースを知りたがっている場合が多いため、報道が増える。
(2)グーグルで検索をする人は年齢層が若い傾向があり、若者層にアピールするサンダース陣営の検索回数がより増えた。
(3)クリントン氏が国務長官だったこと、政治スキャンダル(電子メール事件など)があったことから、大手メディアでの報道の機会が増えた。
CNNを含む大手メディアがサンダース氏よりもクリントン氏をより多く報道していたのかどうかについて、別の例も見てみよう。
■CNNは「クリントン・ニュース・ネットワーク」?

デモの様子を伝えるオルタネットの記事
サンダース氏が画面に出ない「バーニー・ブラックアウト」現象への抗議は、同候補がハワイ、ワシントン、アラスカなどの予備選で対抗するヒラリー・クリントン氏に大差をつけた後に実施された。「偏向を止めろ」、「CNNがメディアから消えるべき」、「バーニーを支持する」などが書かれたプラカードを高く上げながらオフィス前に集まった参加者たちが声を上げる中、CNNは「旅番組の予告編を流し続けた」という。
サンダース陣営の支持者たちはCNNを本来の「ケーブル・ニュース・ネットワーク(Cable News Network)」ではなく、「クリントン・ニュース・ネットワーク(Clinton New Network)」と呼んでいるという。これまで常にクリントン氏を表に出し、サンダース氏の予備選の勝利を小さく扱うだけだったからだ。
「それも無理はない」と「オルタネット」のアレクサンドラ・ローゼンマン氏は書く。CNNはタイムワーナー社に所有されているが、同社はクリントン陣営の選挙戦への資金提供者の中で、8番目に大きな金額(約8万7000ドル)を出しているからだ。
しかし、5日付のウェブサイト「トゥルース・リボルト」は、CNNがサンダース議員を十分に報道していないという主張に若干の疑問を投げかける。
デモ当日にサンダース氏はCNNの記者にインタビューされていたし、これまでにもCNNはサンダース氏に数多くのインタビューを行い、タウン・ミーティングやディベートで発言する同氏の様子を報道してきたからだ。
サンダース支持者たちがメディアの偏向ぶりを主張する根拠の1つが、データ分析会社「データデシジョン」が1月に発表したある調査結果だった。

デシジョンデータ社によるメディアでの取り上げ数とグーグルの検索数
3月26日、同社は調査結果についての分析を追加している。
これによると、データの意味を理解するには3つの要素が必要になる。
(1)大手メディアでニュースを見る人は年齢が高い傾向がある。この年齢層はクリントン陣営のニュースを知りたがっている場合が多いため、報道が増える。
(2)グーグルで検索をする人は年齢層が若い傾向があり、若者層にアピールするサンダース陣営の検索回数がより増えた。
(3)クリントン氏が国務長官だったこと、政治スキャンダル(電子メール事件など)があったことから、大手メディアでの報道の機会が増えた。
CNNを含む大手メディアがサンダース氏よりもクリントン氏をより多く報道していたのかどうかについて、別の例も見てみよう。



