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おかしなおかしなTPP(その1)ー当たり前ではなく異常な秘密主義

 環太平洋パートナーシップ協定、いわゆるTPPそのものの批准と関連法案の審議が4月6日から、衆議院TPP特別委員会で始まっている。(なお、正式な議題名は「環太平洋パートナーシップ協定の締結について承認を求めるの件」と「環太平洋パートナーシップ協定の締結に伴う関係法律の整備に関する法律案」である。)

 しかし、民進党が求めた交渉経過に関する資料がほぼ黒塗りで提出されたり、それに関する説明に担当の高鳥副大臣が応じなかったりしたために委員会はのっけから紛糾している。秘密保持契約を盾に情報が開示されないことに加えて、衆院TPP特委の委員長である西川公也衆議院議員が『TPPの真実—壮大な協定をまとめあげた男たち』なる本を書いていたことが明らかとなったが西川議員がこれを認めず、与野党間の押し問答が激しさを増している。ちなみにこの本、5月6日発売予定でアマゾンのサイトに掲載されていたそうだが、現在は削除されてしまっている。(もっともキャッシュは残っているので、発売予定であること、書名や価格が2160円であること、そして著者が西川公也議員であることは分かる。)

 TPPについては締約国においてもその秘密主義が問題とされてきた。外交交渉は秘密の中で行われるのが当然との答弁がTPP特委でも行われているが、民間企業同士が結ぶような秘密保持契約を締結して外交交渉を行うなどというのは、私が知る限りにおいては聞いたことがない。

 交渉が進められている最中には情報管理が徹底され、一部の関係者以外に情報が開示されないといことはありうる話だが、それは交渉を有利に運ぶためのある種の情報戦の一環ということであり、自国に関する情報を無防備に交渉相手に知られないようにするという意味での管理という話。交渉を有利に進めるために、意図的に特定の情報をリークすることもあるように、要はいかに上手に情報を利用するかであって、何でもかんでも秘密にするという話ではない。(今は話せないが話がまとまったら説明するといった表現は耳にしたことがあると思う。国家機密であれば当然の秘密であり、そこまで情報まで出せとは言わないが、機密にまで至らない情報の概要ぐらいは出せそうなものだが。)

 しかも、外国政府と秘密にすることを約束してきたから国民どころか国会議員にも情報は出せませんとは、今の政府はどっちを向いて誰のために仕事をしているのか?

 単純に考えれば、国家の存立に関わる安全保障交渉ではなく、単なる経済交渉なのだから、そこまで頑なに守らなければならない秘密がどこまであるのだろうか?

 別の観点から考えれば、何でもかんでも秘密にしなければならないほど、国民には知らせたくない不都合な真実があるということではないのか?頑なまでに情報を開示しない政府の対応は、自らそれを証明してしまっているようなものではないか?

 次回は、そのことを考えるために、目を日本からアメリカに転じて、「おかしなおかしなTPP」について考えてみたい。

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