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東電メルトダウンマニュアル隠し――隠蔽体質に住民が抗議

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東電復興推進室塩原副室長に抗議書を提出する武藤類子さん(左)。(撮影/藍原寛子)

「メルトダウン(炉心溶融)と知っていたら、早期にもっと多くの人が避難できた」「命よりもデータが大事なのか」――。

社内マニュアルに従えば、2011年3月14日の時点でメルトダウンと判断し、国に報告すべきところ、東京電力は自社マニュアルも無視し、2カ月も後になって明らかにした。福島県の浜通り住民らは3月17日、この件について東電に抗議文を提出、隠蔽の経緯を明らかにするよう求めた。

抗議文を提出した住民らの要請で開かれた会合の席上、脱原発福島ネットワークの武藤類子さんが東電復興推進室の塩原秀久副室長に書面を手渡した。

塩原副室長、福島復興本社の木元崇宏リスクコミュニケーターらは、一部報道の「マニュアルは原子力部門の職員なら誰でもアクセスできる状態だった」ことを認めたが、「データの解析に時間がかかった。当時はメルトダウンという言葉を使わず、燃料の損傷がメルトダウンかどうかわからなかった」などと弁明。住民側からは「全電源喪失でメルトダウンを疑う状況で、誰でも読めたマニュアルを誰も知らなかったというのは説明になっていない」などの追及が続いたが、最後まで明確な回答はなかった。

同日、東電第三者委員会の初会合が非公開で開かれたが、定例記者会見で東電本店広報部は「抗議文については承知していない。第三者委員会の公開や調査は委員会に任せてある」との紋切り型の回答を繰り返すのみだった。

「2月の新潟県の安全管理に関する技術委員会で追及されなければ、この事実は今も隠されていた。震災から5年、事故を経ても東電の隠蔽体質は変わっていない」と武藤さん。いまだに地元住民は嘘をつかれ、隠され、騙され続けている。いったいいつまでバカにされ続けなければならないのか。

(藍原寛子・ジャーナリスト、3月25日号)

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