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サムスンの粘り腰

このところ不発続きだったサムスンが前倒しで投じたGalaxyS7が好評のようです。ウォン安も追い風となってサムスン電子が7日に発表した1~3月期の営業利益は、市場予想を上回る前期比7.5%増の6260億円になる見込みだそうです。

サムスンの1~3月営業益 6260億円=市場予想上回る- 朝鮮日報
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今年は、スマートフォン市場が、成長期から成熟期へと新しいステージに入りそうですが、ブランドとしてはトップを走るサムスンも、上はアップルと競合し、下からは中国勢に追い上げられ、厳しいポジションに立たされていますが、その節目のスタートをサムスンが先行したカタチで、サムスンの市場の変化に対する対応力や粘り腰もなかなかのものです。

しかもGalaxyS7はとくに目新しい特徴があるわけでもないようですが、改善を積み重ね、デザインを見直し、旧機種にはあったが廃止されてしまった便利な機能のいくつかを復活させて、総合点を高めて競争力強化をはかってきたようです。ウォール・ストリート・ジャーナルがなかなかうまくレビューしています。
韓国のサムスン電子は、例えるならちょっとやぼったいガリ勉だ。そのサムスンが、今週発売の「Galaxy(ギャラクシー)S7」で初めて最高のA評価を獲得した。

 そうだ、サムスンはスマートフォンというクラスで1番になったのだ。

 長年B+の評価に甘んじてきたが、ようやく数学オリンピック参加チームのキャプテンを任せられるほどの成績に達した。Galaxy S7と、より大型の「S7 Edge(エッジ)」のカメラは、筆者が行った暗い場所での全ての撮影テストで米アップルの「iPhone(アイフォーン)6s」を上回った。ディスプレーは驚くほど鮮明で、画素数はiPhone 6sの3倍以上だ。プロセッサーは非常に高速で、バーチャルリアリティー(VR、仮想現実)の新たな世界を楽しむのに最適だ。
Galaxy S7、スマホに望むすべて備えA評価-意外性はなし - WSJ

中国のメーカーの追い上げに対しては、総合力で引き離してやる、追いついてついてこれるものなら、追いついてきてみろということでしょうし、アップルに対しては、ハードの性能ではこちらが上だということでしょう。

また今や、成長力や規模の点で、スマートフォン市場の焦点はインドですが、中国勢、また現地企業の攻勢でシェアを落としてきたものの、新製品効果、またローカライズで成功してきており、再びトップシェアを固めてきている点でも粘り腰の強さを見せているようです。
例えば、サムスン電子が最近導入した「Sバイク」モードという機能はインドに多い二輪自動車の運転手をターゲットとしており、起動すると電話をかけてきた相手に受信者が現在運転中で、応答できないことを知らせてくれる。

このほか、データをあまり多く使用せず、充電ができない環境で長時間スマホを使用できる機能などを搭載したモデルがインドでは人気だ。
焦点:アップル、インド攻勢 新スマホでシェア伸ばすサムスンの脅威に

一方のアップルは、iPhoneSE投入、中古機種の販売でインド市場の巻き返しをはかりたいのでしょうが、はたしてローカル独自のニーズに対応するきめ細かなマーケティング展開をはかれるのかどうかにかかっているのではないでしょうか。まだアップルの直近の業績がわかりませんが、アップル対サムスンでは、どうもこの節目での勢いとしてはサムスンに分がありそうです。

しかし、この成熟を迎えた局面の競争を長期で見れば、技術はかならずキャッチアップされるので、結局はブランド力の競争、決済システムも含めたビジネス・モデルでいずれがより勢力圏を広げることができるのか、そしてどれだけ地域ニーズに対応したマーケティングが展開できるのかの競争になってくるのではないでしょうか。

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