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焦点:中国大手銀トップ、西側との報酬格差が一段と拡大

[北京 5日 ロイター] - 中国の大手国有銀行は世界最大級の保有資産を誇るが、経営トップの報酬は西側金融機関に比べてかなり見劣りする。しかも昨年は政府による広範な引き締め政策の一環としてさらに半分に減らされ、概ね欧米銀の初任給を下回った。西側銀のCEOとの報酬格差は一段と広がり、銀行の経営幹部職はアピール度が下がるばかりだ。

資産規模が世界最大の中国工商銀行(ICBC)<601398.SS><1398.HK>の姜建清会長の昨年の報酬は55万元(8万5000ドル)弱。ICBCの年次報告によると、2014年の110万元から52%減った。

これは米JPモルガン・チェース<JPM.N>のジェイミー・ダイモンCEOが手にした昨年の報酬2700万ドルの0.3%にすぎない。スイスの金融大手UBS<UBSG.S>のセルジオ・エルモッティCEOの1430万スイスフラン(1480万ドル)と比べても微々たるものだ。

中国の大手銀を率いるのは通例、中央政府が指名した官僚で、大手銀トップ就任は多くの場合、将来政界でより強力なポジションに就くためのパスポートとなる。しかし報酬には上限が定められ、現状では激しく削られている。

西側と中国の金融機関トップの報酬格差は、世界金融危機後に中国の大手銀が世界ランキングで上位に入り始めたころから拡大傾向が続いている。今や資産規模で世界上位10行のうち中国が4行を占める。

中国銀の幹部報酬削減は、金融機関が逆風に見舞われている時期に重なった。各行は過去10年で最大規模に膨らんだ不良債権や、中国の景気減速に伴う事業の成長鈍化などへの対応に苦しんでいる。

かつて中国の国有企業幹部には、追加的な報酬によって安い給与を補う道があった。しかし習近平国家主席が進める汚職摘発により、こうした追加収入を得ることは難しくなった。

政府は大手国有企業全体で幹部報酬の削減を進めているが、最新の年次報告から政府が銀行に対して極めてつらく当たっている様子が読み取れる。国内大手5行の会長と行長の昨年の報酬はいずれも50%削減された。

中国建設銀行(CCB)<0939.HK><601939.SS>の王洪章会長は前年の120万元から60万元以下に減った。中国農業銀行<601288.SS><1288.HK>、中国銀行<601988.SS><3988.HK>、中国交通銀行<601328.SS><3328.HK>の大手3行の会長の報酬も14年の半分になった。

(Shu Zhang、Matthew Miller記者)

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