- 2016年04月06日 12:03
風を吹かせよ、「逆風」という風を!- 鈴木耕
1/2政界は選挙一色
選挙が近い。参院選は7月には実施される。衆院選も同時に行われるのではないか、という観測がしきりに流されている。いわゆる衆参ダブル選挙だ。そのムードを作りだしているのは、安倍内閣そのものだ。
二階俊博総務会長ら自民党首脳は「衆参同時選があってもおかしくはない」と繰り返すし、山口那津男公明党代表までもが「安倍総理がご決断なされば、それを受けて対応する」と、ほとんど同時選を容認するようなことを記者会見で述べている。
政界では「解散風は吹きはじめたら止まらない」という。街角にはもう、参院だけではなく、衆院の立候補予定者たちのポスターもベタベタと貼り出されている。浮き足立っている議員たちは、国会でまともな議論をしている余裕もない。あれだけ批判を浴びた安保関連法についても、この国会で取り上げる予定はないという。ほとんど職場放棄だ。
しらけている有権者をそっちのけで、政界は選挙一色である。
野党統一候補と「さくらの木」構想
全国各地で野党共闘が進みつつある。4月初旬の段階で、全国に32ある参院1人区では、15区で野党統一候補が決定したようだし、これからあと10区で野党協力が成立しそうだとの情報もある。ただ民進党の一部には、依然として野党協力に反対するグループも存在する。
そんな煮え切らない民進党に業を煮やし、新たな「確認団体」を創立して比例代表に候補者を擁立しようという「さくらの木構想」も出てきた。これは、イタリアで政権交代の立役者になった中道左派連合「オリーブの木」をモデルにしたもの。代表には、安保法廃止の先頭に立つ小林節慶大名誉教授が就任予定とも聞く。野党議員の一部と市民団体メンバーらが参加する。40人以上の議員たちの参加も視野に入れているというから、大きなムーブメントになる可能性を秘めている。
米著名学者のアベノミクス批判
対する自民党はどうか。
安倍首相は、アメリカなどから著名な経済学者を招いてご意見をうかがうという「国際金融経済分析会合」なるものを急きょ開催。そこでノーベル賞受賞学者のクルーグマン氏らから「消費増税には反対」という意見を引き出し、それをもとに選挙前に「消費税引き上げは延期」という有権者の受け狙いの方針を示すつもりのようだ。何でも選挙に利用する。
ところが、そのクルーグマン氏が、自身のツイッターで秘密とされていた会合の内容をほぼそのまま暴露した。そこでは「商品価格の下落ではなく、需要不足こそが問題」とか「難民問題は経済には影響しない」「マイナス金利をこれ以上進めるのは無理がある」「アベノミクスは金融政策偏重に過ぎる」などと、安倍経済政策そのものの批判ともとれる議論を展開している。アベノミクスを一刀両断で切り捨てたのだ。
お墨付きを得ようとした安倍官邸は、逆に世界に向けて赤っ恥をかいた形となった。
アベノミクスは失敗、という評価がほぼ定着し始めた。TPP問題も、米大統領の有力候補者たちが揃って「TPP反対」を言い出したため、先行きはまったく見えなくなった。
劣化する自民党
「保育所落ちたの私だ!!!」のツイートが火をつけた怒れるママたちの反乱は、政府の対応のあまりのお粗末さで逆に火に油を注ぐ結果になっているし、安倍内閣の各閣僚のおバカぶりには開いた口が塞がらない。
甘利前経済財政担当相の金銭疑惑は、ご当人が「睡眠障害」とやらで雲隠れしたまま。もしこのまま済まされるようであれば、もはやこの国に司法も正義もないに等しい。検察や警察は、沖縄辺野古や国会前でのデモ参加者を抑圧するばかりで、ほんとうの巨悪は野放し、ということになる。
そこへ、自民党議員たちの、まさに呆然とするような暴言妄言失言の連発連打。浮気発覚、経歴詐称の疑い、報道圧力、国会会期中の愛人とのハワイ旅行、セクハラやパワハラ疑惑も続々と発覚中…。
これが国会議員? 冗談じゃない!
その上、自民党所属の地方議員たちの劣化ぶりも、それに拍車をかけるから始末が悪い。
それだけじゃ終わらない。今度は自民党の次期選挙の有力候補者とされていた人たちにも、同様のスキャンダル頻発。有名人だというだけで引っ張り出すからこんな始末になる。
ここまで来ると、自民党という政党そのものが劣化していると言うしかない。いくら一強多弱の政治状況だとしても、この自民党の体たらくはひどすぎませんか?



