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- 2016年04月06日 08:40
ヘイトスピーチにどう向き合うべきなのか 規制は警察権力の肥大化と表裏の関係 ヘイト抗議の女性の首を絞める
自民、公明両党が、ヘイトスピーチに対する法案を提出することになりました。
内容は、禁止も罰則もなし、というものです。
「ヘイトスピーチ 与党、罰則盛らず…法案提出へ」(毎日新聞2016年4月5日)
「自民、公明両党は5日、特定の人種や民族に対する差別的言動を街頭で繰り返すヘイトスピーチの解消に向けた法案をまとめた。憲法が保障する表現の自由の重要性に配慮し、禁止や罰則の規定は盛り込まない理念法にとどめた。近く国会に提出する方針だ。」
禁止や罰則を設けない理由については次のように述べられています。
「禁止・罰則規定を見送ったことについて、規制の実効性を疑問視する声もあるが、法案をとりまとめた公明党の遠山清彦座長代理は会合後、記者団に「公権力が特定言動を取り締まることは、憲法との整合性に疑義があるため」と説明した。 」
一般論としては、この通りです。特定の表現を禁止し、さらにはそれに罰則が設けられるということになると、結局は、現場に臨場した警察官の判断によってデモなり集会なりが容易に規制できてしまうことになるからです。
上記法案のヘイトスピーチに対する定義「日本以外の国または地域の出身者で適法に居住するものを、排除することを扇動する不当な差別的言動」は、在日朝鮮・韓国人の二世・三世が該当しないのではないかという問題もありますが、非常に狭いものです。色々な効果と結びつけることを目的としたものということから狭くなるのは一定、理解はできますが、ここませ狭いのであれば、あってもなくても同じです。むしろ、これに該当しなければ「適法」のお墨付きを与えかねません。
これに対して民進党は、ヘイトスピーチの禁止規定を盛り込んだ人種差別撤廃施策推進法案を出しています。
この法案の特徴は「禁止」されていることですが、法案の詳しい内容はわかりませんでした。
昨年の夏に民主党が提出したものと同じでしょうか。
「ヘイト禁止法案、採決見送りへ 表現の自由で与野党に溝」(朝日新聞2015年8月28日)
恐らく罰則はないものの、与党案に対して実効性がないと主張していることから、与党案に比べてヘイトスピーチを規制するための施策について、もう一歩、踏み込んでいるのでしょう。
しかし、実際にヘイトスピーチを止めさせるという効果をどのように実現するのか、現実に可能なのかどうかが問題です。
在特会は、確信犯です。氏名などが公表されようとも全く意に介さないでしょう。
むしろ、さらに挑発的な行動を取ることが予想されます。
また、ヘイトスピーチであることを理由にした集会、デモの禁止(公安条例での不許可とするための指針になること)は、それ自体、表現の自由に対する脅威になります。
つまり、それらヘイトスピーチという言動が、さらに効果的な立法に「改正」させるための口実となり、罰則に結びついたり、警察権力により解散を命じることができるなどとしてしまっては政治的表現の自由に対する重大な脅威になりかねません。規制法の対象は拡大されていきます。
在特会は確信犯であると同時に社会に対する挑発勢力だということです。
しかも、このような警察の取り締まりをみてしまうと、かかるヘイトスピーチに対する規制法ができたりした場合、より警察の権力を肥大化させかねません。
「ヘイト野放し 有田議員「警察は抗議女性の首を絞めたのか」」(田中龍作ジャーナル)
「当時現場を見ていた有田氏にウソは通用しなかった。「何を言ってるんですか? 配布した写真を見ましたか? 警察官が首を絞めているじゃないですか」。有田氏は追及の手を緩めなかった。
河野太郎・国家公安委員長は「警察の警備に行き過ぎがあったとしたら申し訳ないと思う」と謝罪した。」
自民、公明案も同様です。在特会の異様なまでの挑発行為はさらにエスカレートするでしょうし、それが結局は「禁止」にもっていく口実にもなりかねず、ひいては権力による政治的表現の自由への抑制の第一歩に結びつくものです。
それ以上に、自民、公明両党は、憲法「改正」による緊急事態条項の創設まで企んでいるのですから、権力の肥大化に歯止めが掛からなくなります。
「国家緊急事態条項とヘイトスピーチ規制 狙われているのはヘイトスピーチではなく、政府に反対する言動」
私たちは、ヘイトスピーチに対して、どのように向き合えばよいのかが問われています。
これらは、格差社会や閉鎖的な匿名社会などを背景に排外主義的な思想に結びついたり、あるいは極右思想と結びついたりします。
在特会などのヘイトスピーチは、極端に少数派イジメであり、差別感むき出しの主張ですが、このようなことを本心から主張しているのは、決して在特会特有の問題ではなく、ネトウヨたちも同様の発想なのです。
ツイッターへの炎上に参加する人たちには、裕福な層ではないかという分析があります。
「ネット分析 子供があって裕福な人ほど…「炎上」参加者はこんな人」(毎日新聞2016年4月2日)
国際大学グローバル・コミュニケーション・センターの山口真一助教の分析ですが、このように述べられています。
「(1)子供と同居している親は、そうでない人よりも、炎上行為に参加しやすい(2)個人年収や世帯年収が高くなるほど、炎上に参加する確率が高まる−−という結果が示された。「子供を持つ、裕福な人ほど炎上に参加している」」
満たされぬ心が、集団的に1つのほころび(問題のあるツイート)に集中砲火を浴びせる行動に出るということになるわけですが、私は、山口氏の分析になるほどと思いました。
このような言動とヘイトスピーチは似通っており、この社会の歪みそのものだということです。
この社会が生み出したヘイトスピーチなのですから、力で抑えきることは最初から無理です。
この歪んだ社会はむしろ政治によってもたらされたものであり、人に対する優しさを踏みにじってきた自公政権こそその差別意識が生み出される元凶です。
建前ではヘイトスピーチはダメだという保守・反動派の議員たちもその内心は共感を寄せているとしか思えません。
所詮、安倍自民党政権にはヘイトスピーチが生まれてくる社会を改革しようなんていう気はさらさらないのです。
人に対する思いやり、優しさを教えていくような教育が前提になければ、ヘイトスピーチを抑止することはできませんが、そのような教育は自公政権では絶対にできません。
政治そのものが弱者に対して冷たいからであり、人に対する思いやり、優しさを国民が強い意志で持つことになれば、ヘイトスピーチはなくなるかもしれませんが、しかし、他方でそれは政権批判そのものに直結してしまうという発想でしかありません。
安倍自民党政権とその政策そのものを転換させること、これこそがヘイトスピーチに対するもっとも効果的な抑止方法です。
内容は、禁止も罰則もなし、というものです。
「ヘイトスピーチ 与党、罰則盛らず…法案提出へ」(毎日新聞2016年4月5日)
「自民、公明両党は5日、特定の人種や民族に対する差別的言動を街頭で繰り返すヘイトスピーチの解消に向けた法案をまとめた。憲法が保障する表現の自由の重要性に配慮し、禁止や罰則の規定は盛り込まない理念法にとどめた。近く国会に提出する方針だ。」
禁止や罰則を設けない理由については次のように述べられています。
「禁止・罰則規定を見送ったことについて、規制の実効性を疑問視する声もあるが、法案をとりまとめた公明党の遠山清彦座長代理は会合後、記者団に「公権力が特定言動を取り締まることは、憲法との整合性に疑義があるため」と説明した。 」
一般論としては、この通りです。特定の表現を禁止し、さらにはそれに罰則が設けられるということになると、結局は、現場に臨場した警察官の判断によってデモなり集会なりが容易に規制できてしまうことになるからです。
上記法案のヘイトスピーチに対する定義「日本以外の国または地域の出身者で適法に居住するものを、排除することを扇動する不当な差別的言動」は、在日朝鮮・韓国人の二世・三世が該当しないのではないかという問題もありますが、非常に狭いものです。色々な効果と結びつけることを目的としたものということから狭くなるのは一定、理解はできますが、ここませ狭いのであれば、あってもなくても同じです。むしろ、これに該当しなければ「適法」のお墨付きを与えかねません。
これに対して民進党は、ヘイトスピーチの禁止規定を盛り込んだ人種差別撤廃施策推進法案を出しています。
この法案の特徴は「禁止」されていることですが、法案の詳しい内容はわかりませんでした。
昨年の夏に民主党が提出したものと同じでしょうか。
「ヘイト禁止法案、採決見送りへ 表現の自由で与野党に溝」(朝日新聞2015年8月28日)
恐らく罰則はないものの、与党案に対して実効性がないと主張していることから、与党案に比べてヘイトスピーチを規制するための施策について、もう一歩、踏み込んでいるのでしょう。
しかし、実際にヘイトスピーチを止めさせるという効果をどのように実現するのか、現実に可能なのかどうかが問題です。
在特会は、確信犯です。氏名などが公表されようとも全く意に介さないでしょう。
むしろ、さらに挑発的な行動を取ることが予想されます。
また、ヘイトスピーチであることを理由にした集会、デモの禁止(公安条例での不許可とするための指針になること)は、それ自体、表現の自由に対する脅威になります。
つまり、それらヘイトスピーチという言動が、さらに効果的な立法に「改正」させるための口実となり、罰則に結びついたり、警察権力により解散を命じることができるなどとしてしまっては政治的表現の自由に対する重大な脅威になりかねません。規制法の対象は拡大されていきます。
在特会は確信犯であると同時に社会に対する挑発勢力だということです。
しかも、このような警察の取り締まりをみてしまうと、かかるヘイトスピーチに対する規制法ができたりした場合、より警察の権力を肥大化させかねません。
「ヘイト野放し 有田議員「警察は抗議女性の首を絞めたのか」」(田中龍作ジャーナル)
「当時現場を見ていた有田氏にウソは通用しなかった。「何を言ってるんですか? 配布した写真を見ましたか? 警察官が首を絞めているじゃないですか」。有田氏は追及の手を緩めなかった。
河野太郎・国家公安委員長は「警察の警備に行き過ぎがあったとしたら申し訳ないと思う」と謝罪した。」
自民、公明案も同様です。在特会の異様なまでの挑発行為はさらにエスカレートするでしょうし、それが結局は「禁止」にもっていく口実にもなりかねず、ひいては権力による政治的表現の自由への抑制の第一歩に結びつくものです。
それ以上に、自民、公明両党は、憲法「改正」による緊急事態条項の創設まで企んでいるのですから、権力の肥大化に歯止めが掛からなくなります。
「国家緊急事態条項とヘイトスピーチ規制 狙われているのはヘイトスピーチではなく、政府に反対する言動」
私たちは、ヘイトスピーチに対して、どのように向き合えばよいのかが問われています。
これらは、格差社会や閉鎖的な匿名社会などを背景に排外主義的な思想に結びついたり、あるいは極右思想と結びついたりします。
在特会などのヘイトスピーチは、極端に少数派イジメであり、差別感むき出しの主張ですが、このようなことを本心から主張しているのは、決して在特会特有の問題ではなく、ネトウヨたちも同様の発想なのです。
ツイッターへの炎上に参加する人たちには、裕福な層ではないかという分析があります。
「ネット分析 子供があって裕福な人ほど…「炎上」参加者はこんな人」(毎日新聞2016年4月2日)
国際大学グローバル・コミュニケーション・センターの山口真一助教の分析ですが、このように述べられています。
「(1)子供と同居している親は、そうでない人よりも、炎上行為に参加しやすい(2)個人年収や世帯年収が高くなるほど、炎上に参加する確率が高まる−−という結果が示された。「子供を持つ、裕福な人ほど炎上に参加している」」
満たされぬ心が、集団的に1つのほころび(問題のあるツイート)に集中砲火を浴びせる行動に出るということになるわけですが、私は、山口氏の分析になるほどと思いました。
このような言動とヘイトスピーチは似通っており、この社会の歪みそのものだということです。
この社会が生み出したヘイトスピーチなのですから、力で抑えきることは最初から無理です。
この歪んだ社会はむしろ政治によってもたらされたものであり、人に対する優しさを踏みにじってきた自公政権こそその差別意識が生み出される元凶です。
建前ではヘイトスピーチはダメだという保守・反動派の議員たちもその内心は共感を寄せているとしか思えません。
所詮、安倍自民党政権にはヘイトスピーチが生まれてくる社会を改革しようなんていう気はさらさらないのです。
人に対する思いやり、優しさを教えていくような教育が前提になければ、ヘイトスピーチを抑止することはできませんが、そのような教育は自公政権では絶対にできません。
政治そのものが弱者に対して冷たいからであり、人に対する思いやり、優しさを国民が強い意志で持つことになれば、ヘイトスピーチはなくなるかもしれませんが、しかし、他方でそれは政権批判そのものに直結してしまうという発想でしかありません。
安倍自民党政権とその政策そのものを転換させること、これこそがヘイトスピーチに対するもっとも効果的な抑止方法です。



