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共産党の破防法調査対象への抗議を読んで思ったこと(中) 「敵の出方論」について

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承前

 鈴木貴子衆院議員が提出した「日本共産党と「破壊活動防止法」に関する質問主意書」中に、次のようにある。
四 昭和五十七年四月二十日、第九十六回国会、衆議院地方行政委員会に於いて、警察庁は「ただいまお尋ねの日本共産党につきましては、民青を含めまして、いわゆる敵の出方論に立ちました暴力革命の方針を捨て切っていないと私ども判断しておりますので、警察としましては、警察法に規定されます「公共の安全と秩序を維持する」そういう責務を果たす観点から、日本共産党の動向について重大な関心を払っている」旨答弁されているが、現在も警察庁は、日本共産党は暴力革命の方針を捨て切っていないと認識されているか、見解を求める。
 これに対し、政府はこう答弁している
四について
 警察庁としては、現在においても、御指摘の日本共産党の「いわゆる敵の出方論」に立った「暴力革命の方針」に変更はないものと認識している。
 これについて、BLOGOSに転載された、しんぶん赤旗の「「議会の多数を得ての革命」の路線は明瞭/政府の「暴力革命」答弁書は悪質なデマ」という記事は次のように反論している(太字は引用者による。以下同じ)。
「敵の出方論」=「暴力革命」が成り立たないことははるか前に決着ずみ

「敵の出方論」をもちだして「暴力革命」の根拠とする議論が成り立たないことは、政府答弁が引用している〔引用者註:質問主意書の項目の六に対する答弁で引用〕1989年2月18日の衆議院予算委員会における不破哲三副議長(当時)と石山陽公安調査庁長官(当時)との論戦でも決着ずみのものです。

 同委員会で不破氏は、国民多数の支持のもとに政権を目指す日本共産党の綱領路線を説明し、「敵の出方論」について、日本共産党など統一戦線勢力が選挙で勝って政権についたとき、これに従わない勢力が暴挙に出た場合に、政府が取り締まることは憲法に基づく当然の権利であることを解明しました。これに対し、石山長官は、「政権を確立した後に、不穏分子が反乱的な行動に出てこれを鎮圧するというのは、たとえどの政権であろうとも、当然行われるべき治安維持活動です」と答えざるをえませんでした。

 その一方で、石山長官は、「敵の出方論」について、「民主主義の政権ができる前にこれを抑えようという形で、不穏分子をたたきつけてやろうという問題」もあると答弁しました。

 これに対しても、不破氏は、1970年の第11回党大会決議の「人民の政府ができる以前に、反動勢力が民主主義を暴力的に破壊し、運動の発展に非平和的な障害をつくりだす場合には、広範な民主勢力と民主的世論を結集してこのようなファッショ的攻撃を封殺することが当然の課題となる」との文言を読み上げ、反論しています。

 日本共産党が、かつての一連の決定で「敵の出方」を警戒する必要性を強調していたのは、反動勢力を政治的に包囲して、あれこれの暴力的策動を未然に防止し、社会進歩の事業を平和的な道で進めるためであって、これをもって「暴力革命」の根拠とするのは、あまりに幼稚なこじつけであり、成り立つものではありません。それは、国会の質疑でもはるか前に決着ずみのことです。
 それは初耳だ。
 本当に決着済みの話だったのだろうか
 国会会議録検索システムで平成元年2月18日の衆議院予算委員会の会議録を確認してみた(いい時代になったものだなあ)。
 興味深い主張が見られるので、かなり長くなるが省略せずに引用する。
○不破委員 〔中略〕次に進みますが、一体、公安調査庁が我が党に対してそれを調査団体とする根拠を今度は伺いたいと思うのです。
 破防法には、明確に二つの要件が要るとしています。一つは、過去の問題です。「団体の活動として暴力主義的破壊活動を行った団体」。もう一つは、将来の問題です。そして「当該団体が継続又は反覆して将来さらに団体の活動として暴力主義的破壊活動を行う明らかなおそれがあると認めるに足りる十分な理由があるとき」と、つまりこの二つの条件がセットになって破防法の対象になるというのがあなた方の論理ですね、法律の。
 まず、最初の方から伺いましょう。我が党を過去に破壊活動を行った団体と認定する根拠はどこにあるのですか。

○石山政府委員 平たい言い方で申し上げますが、破防法が制定されました当時はそのような社会的事情があり、それに共産党が大きくかかわっていたというふうに考え、過去に破壊活動的な暴力活動があったという認定をしているわけでございます。

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