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スポーツ通じて考える 過ち犯した少年との向き合い方とは - 大元よしき  

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絶妙な声掛けで少年たちの表情が和らぐ

 ディフェンスを付けないランニング&パスでは、走るコースやパスを受けるタイミングでの声出しなどを学び、その後の「1対2」や「2対3」と呼ばれるディフェンスを付けた練習では、お互いにコミュニケーションを図りながら、ボールを前に運ぼうとする様子が見て取れた。もちろんミスも多くすぐに出来るわけではないが、指導者の意図を理解し、それに応えようとしていることは明らかだった。

 印象的だったことは「ナイスパス!」や「ナイスラン!」「いいね、そのタイミング!」などと講師から声を掛けられた少年たちの表情が、はにかんだようにパッと明るくなったことだ。ふたりの講師は全ての少年に声を掛けたはずである。言うまでもないが、声を掛けられ、褒められれば人は嬉しくなるし、さらに頑張るようになるものだ。

 「最初はみんな表情が硬いし、こちらが何を話し掛けても反応がなくて、どう接しようかと考えてしまいましたが、いったん声が出始めると早いですよね。どんどん出るようになってきました(笑)。言われたことを一生懸命やろうともしていました。反応が無かったのは伝わっていないんじゃなくて、外部の我々に対してどう対応していいのか、わからなかったということですね」と土佐は笑った。

 筆者は講義全般を通じて少年たちの表情の変化に注目していたが、開始から30分、1時間と経過するうちに、講師はもとより、仲間同士の距離感も縮まっていったのではないだろうか。2時間はあっという間に過ぎていった。

少年たちへの指導後は、法務教官へのレクチャーの時間を作った。法務教官武田侑紀専門官は少年院における体育指導の意義をこう語る。

 「心身の成長、善良な社会の一員として健全な生活を培わせるための体育指導ですが、社会から切り離されている生活の中では、それ以上に仲間同士のコミュニケーションであったり、チームワークであったり、思いやりの心を持つことであったり、人が集団生活をする上で一番大切なことをスポーツは教えやすいと思っています。

 また、自己肯定感がとても低い子たちばかりなので、先生たちに褒めていただくと嬉しくなって、それをキッカケに伸びていくことも考えられます。私たちのように日常的に接している教官とは違って、外部の講師に指導を受けることは貴重な機会です」

外部講師とスポーツの意義

 また、法務教官田添梓生専門官は、「大人との関わりがあまり得意でない子たちばかりなので、外部の講師との触れ合いはとても新鮮で、社会との触れ合いそのものでもあるのです。

 スポーツから学ぶことは、たとえばパスひとつを取りあげてみても、相手が取りやすいことを考えてどこにパスを放ればいいのかとか、周りの状況を考えながら自分が持って前に出るとか、状況に応じていろいろなことを自分で考えながら、自分で行動することです」

 それを受け佐藤淳次長はこう繋いだ。

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