記事

乙武さんの話 不倫より大きな悩み

そもそも乙武氏のキャリアは、そのギャップから始まっていた。

五体は不満足でも精神は健全でポジティブというギャップがウケた。

 そのポジティブさを伸ばしてスポーツライター、教師、教育委員へとキャリアを作った。社会は乙武氏に、マイナスの身体と、ポジティブな精神というラベルを与え、その乙武“クン”は、印税報酬と社会進出の機会を得た。その強固なラベルの払拭は難しい。氏はアラフォーでも“クン”付けだ。

 そして今度は、爽やかで健全だが、不倫という不健全という新たなギャップが報道価値となった。もともとダークなイメージがあるタレントは不倫していたとしても(報道)価値がない。ベッキーや国会議員も健全なイメージやそうあるべき人の不倫だから意味がある。

 きっと乙武氏は昔から何も変わってない。氏の周りの人ならその人となりを理解しているから、さもありなんということだろう。蛇足だが当時、氏の早稲田の同級生にあたるわが妹は、ダブルデートのあと、彼は手がないのに手が早い、というブラックジョークを飛ばして家族に苦笑いを提供していた記憶がある。本当かどうかは定かではない。どうでもいい私自分の告白すると、大学時代の黒歴史に、合コンに行ったら実の妹がいた、という気まずい想い出がある。

 さて、人はみな人生の大きな矛盾を抱えているものだ。乙武氏の場合は、本当の自分に対する明確な自信や自己肯定感をもちながら、社会からは、本当の自分とそうでない自分のギャップこそが求められているという矛盾構造にある。それは不倫よりきっと重いテーマだ。

 氏のオープンな性格や精神性、明晰さ、伝える才能など氏の本体に近い部分を直接の価値として訴求することはいまのままでは難しいがこのパラダイムを抜け出す方法はないわけではない。たとえば最新医療技術とロボティクスによって、五体不満足を克服した上で、あらためて全くの健常者の活動家としてデビューする道である。名実共に五体満足になり、そこからイメージでなく、本質価値を訴求する。それは先端医療技術のブランディングにもつながり、彼が言うオリンピックとパラリンピックの統合にもつながるかもしれない。

 人は皆、なにかしらの本質的な矛盾構造を抱えて生きている。そしてそれが解くべき人生のテーマとなっている。人一倍さみしがりやなのに1人でいたい、本当は愛されたいのにお金をもとめてしまうといったように。

 乙武氏が、彼がいう障碍者という“おいしい”ラベルをうちすてて素で活躍できる日を祈っています。余計なお世話かな(^_^;)

あわせて読みたい

「乙武洋匡」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    本厚木が1位 住みたい街は本当か

    中川寛子

  2. 2

    桜問題で安倍前首相に再び窮地

    ヒロ

  3. 3

    安倍前首相の疑惑「詰んでいる」

    ABEMA TIMES

  4. 4

    バイキングで疑惑報道の社長怒り

    SmartFLASH

  5. 5

    安倍氏に弁護士「虚構だった?」

    郷原信郎

  6. 6

    小林麻耶 実母が海老蔵宅に避難?

    SmartFLASH

  7. 7

    GoTo見直し 協力体制みえず幻滅

    中村ゆきつぐ

  8. 8

    赤旗は佐藤優氏批判する資格なし

    鈴木宗男

  9. 9

    集団免疫 日本が目指すのは無謀

    ニッセイ基礎研究所

  10. 10

    GoToは75歳の年齢制限を設けよ

    永江一石

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。