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終活相談から遺贈まで

日本財団、サポートセンター開設
完全無料で、どんな希望にも対応


人生の最期を考える“終活”についての相談が増えているため、日本財団がアンケート調査を行ったところ、女性の6割近くが自分のこととして認識していることが分かりました。その半面、相談しやすい人や場所の当てがない人が多いことも判明しました。そこで4月1日にサポートセンターを開設、終活相談から特定の人・団体に財産を贈与する“遺贈”まで、完全無料で対応することを3月31日、記者会見を開いて発表しました。

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記者会見で挨拶する笹川陽平・日本財団会長=左

記者会見は東京・赤坂の日本財団ビルで行われ、メディア関係者約40人が出席しました。まず、笹川陽平会長が挨拶し、「身寄りのない方、あっても自分の終末を豊かに過ごすために希望する対象に寄付をしたい方にきちっとお話をして、社会のために有効な還元をしていきたい」と述べました。続いて、ドネーション本部ファンドレージングチームの長谷川隆治チームリーダーがサポートセンターの事業について説明しました。

遺贈とは、遺言書の作成により法定相続人・法定相続人以外の人や団体に財産を無償で譲ることを指します。遺言で法定相続人以外のものに財産を取得させるには、遺言書を作成して遺贈する以外には方法がありません。

日本財団への遺贈についての相談は2013年から年々増加し、昨年は181人にのぼりました。相談者は「遺言書をどう書いたらいいかわからない」「寄付する相手が信頼できる団体かどうか分からない」などの悩みを持つ人が多かったそうです。

これまでに、日本財団で遺言書を作成したのは13件。このうち遺贈は3件で、遺贈額は約2億4700万円にのぼっています。69歳で亡くなった匿名希望の女性は1億5千万円の定期預金を寄付し、「世界の貧しい子どもたちのために使ってください」との遺言を残しました。このため、このお金を使ってミャンマーに知的障害者らの子どもを収容する施設を建設しました。

長谷川チームリーダーは「多くの人はどこに寄付したらいいかわからない。そこで、日本財団への遺贈だけでなく、遺言執行者の紹介、専門家への委託など、幅広くサポートしていきたい」と話しました。同財団が行う遺贈サポートのポイントとして
1. 本人が望む分野に資金を使用する
2. 人件費などは一切とらない
3. 相続税がかからない
4. 現金だけでなく、不動産も受け入れる
をあげました。
開設する遺贈寄付サポートセンターのスタッフは8人で、日本財団の顧問弁護士も加わります。2016年度は1500件の相談を受ける計画です。

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記者会見の全景

遺贈に前向き、3人に1人

日本財団は3月中旬、全国で40歳以上の男性1,252人、女性1,269人を対象にインターネットによるアンケート調査を行いました。その結果によると、人生の最期をどう迎えるかを聞いたところ、「家族の世話になりたくない。早めに準備をしておきたい」と答えた人が35.2%と最も多かった。男女別では、女性が43.7%で、男性の26.6%を大きく上回りました。

また、「自分の死について準備を始めている。最期には身辺をきれいにしておきたい」と答えた人が13.1%で、このうち女性は14.1%、男性は12%だった。この二つの回答を合わせると、女性の6割近くが死を身近に感じていることが分かります。

さらに、後者の質問に対する回答では、独身が22.8%で、ひとり親(12%)、2人夫婦(9.8%)に比べ高率でした。

終活の相談を誰にするか聞いたところ、「必要性は感じるが、家族や友人とは話しにくい」と答えた人が30.3%にのぼり、身近な人に相談しづらい現実が浮き彫りになりました。相談先については「無料で相談できる場所があれば相談してみたい」と答えた人が23.7%、「気軽に相談できる場所があれば相談してみたい」が22.3%、「無料で色々な相談に乗ってほしい」が18.4%と、6割以上の人が外部の相談機関の必要性を指摘していました。

また、男女別、家族構成別にみると、他人に終活の相談をすることに対して、独身女性の71.8%が「相談したい」と前向きの回答をしていました。さらに、無料相談の意向を聞いたところ、53%が利用に前向きで、男女別では女性のほうが積極的なことが分かりました。

無料相談に前向きの人に具体的に受けたいサービスを聞くと、「悩みや不安を聞いて、何をすればいいか整理してほしい」が42.7%と最も多く、「有料老人ホームや永代供養墓地など終活に関するサービス」が21.6%、「終活や遺贈などの情報を定期的に送ってほしい」が19.9%、「弁護士などの専門家の紹介」が15.9%の順でした。

続いて、遺言書の必要性について聞いたところ、「準備が必要と思うが、まだ作成していない」が58%と最も多く、「すでに準備している」と答えた人は3.2%にとどまっていました。遺贈に関して意向を聞くと、「遺贈したい」「遺贈に興味・関心がある」と前向きな答えをした人が30.9%でした。特に独身女性の50.6%、独身男性も36.9%が遺贈に前向きで、家族のある世帯に比べ、独身世帯に遺贈の意向が高いことが分かりました。

遺贈に前向きな人に、どのような目的・使途に遺贈したいと思うかを聞いたところ、「貧困家庭の子どもの教育支援」が39.4%と最も高く、次いで「難病で苦しむ子どもと家族の支援」が37.8%、「災害時の緊急支援や復興支援」が30.4%の順でした。次に、遺贈をする場合、どのような団体に遺贈したいかを聞いたところ、「自分の意思に沿って使っていただける団体」が49.7%で一番多く、「社会的に意義のある団体ことに使っていただける団体」35.1%、「経営がしっかりしていて、将来の信用性が高い団体」25.4%などの順でした。

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