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セクハラ事件で女性が自殺し社員が書類送検――問われる『道新』の企業責任

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書類送検の知らせを受け、Mさんの遺骨に手を合わせる両親。(撮影/木村嘉代子)

『北海道新聞』函館支社で嘱託看護師の女性Mさんが同社男性社員2人からセクハラ(性的いやがらせ)を受け、それが原因で自殺した(詳細は本誌昨年12月25日号参照)として、両親が暴行などの容疑で告訴した件で、函館中央署は2月15日、同社社員を函館地方検察庁に書類送検した。

2月21日はMさんの命日(15年死亡)。自宅に安置した遺骨の前で父親は、「次にどうなるか具体的にわからず、まったく気持ちが安らぎません」と心境を明かした。

両親は、「『道新』が『セクハラの事実は存在しない』と納得できる形で説明してくれていたら、表沙汰にするつもりはなかった」という。

Mさんが残した告発資料の真意を確かめるため、両親は昨年2月末に函館支社幹部と面談し、(1)就業規則通りに処理されたか、(2)「ハラスメント相談報告」は本物か、(3)セクハラ窓口の対応および担当者は適切だったか、の調査を依頼した。しかし、『道新』から返答はなく、同年4月に「結果がでるまでには半年以上かかる」と聞かされ、翌5月、刑事告訴に踏み切った。

「あまりにもバカにしている」。両親は、「自分たちも『道新』から不誠実な扱いを受けた」と憤る。

Mさんは、セクハラ被害を訴えたが、会社が適切な措置をしなかったことを告発文で批判していた。「そもそも、会社がもっと真摯に娘の声を聞いて対処してくれたら、こんなことにならなかったのに……」と母親は述べ、こう続けた。

「(男性社員は)『お酒を飲んでいてわからなかった』と言っていますが、それで許され、何も処罰されなかったのが、一番悔しい。(娘の死が)本当に残念でなりません」

両親の代理弁護士によると、『道新』からの15年6月26日付回答には、調査の結果セクハラの事実は認められず、それゆえ民事賠償の義務はないとの記述があるという。

セクハラ防止や被害者対応などの企業責任の是非は、今後、民事訴訟で問われることになるだろう。

(木村嘉代子・フリーライター、3月18日号)

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