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がん保険 診断されたのに「給付金0円」って

ファイナンシャル・プランナー 前野彩=文

がん保険 必ずもらえるとは限らない

もし、「がん」と診断されたら……。そのショックは想像を絶するものがあります。

そんなとき、がん保険に入っている人なら「お金のことは何とかなるはず」と思うことでしょう。でも、それが「思い込みの保障」だったとしたらどうでしょう? がん保険の内容によっては、「何とかならない」ケースがあるのです。今回は、その主な例をQ&A式に解説していきます。

Q1:がん保険に入っていたら、給付金(保険金)は必ずもらえる?
A1:必ずもらえるとは限らない。

がん保険に加入しても、給付金はもらえない免責期間というものがあります。それは、通常90日または3カ月。

がん保険の「保障のスタート」は、「申込書+告知書+第1回目の保険料の払い込み」の3つがそろって、なおかつ、90日または3カ月経過してから。そのため、この期間中にがんと診断された場合は、給付金をもらうことができません。

そのため、現在加入しているがん保険を見直す際には、注意が必要です。

新しいがん保険に入ったからといって、現在加入しているがん保険をすぐにやめてしまうと、実質無保険になります。保険料を節約したつもりが、大きな後悔にならないように気をつけてくださいね。

Q2:申し込んでから、90日または3カ月の間にがんになったら?
A2:がん保険は無効。

残念ながら、がん保険は無効になります。先ほど述べた免責期間の関係でそうなるのですが、原則として支払った保険料は戻ってきます。

「がんと診断されてもわざと黙っていて、90日経ってから請求したらいいんじゃないの?」

という素朴な疑問を受けることがありますが、90日(3カ月)の間にがんと医師によって診断されたことがわかれば、当然給付金は出ません。

がん保険 診断されたのに「給付金0円」

Q3:がんと診断されたら、どんながんでも診断給付金がもらえる?
A3:「初期がん」の場合、0円のこともある。

診断給付金が出る出ないは、がんの内容によって判断が異なることがあります。がんは、大きく「悪性新生物」と「上皮内新生物(初期がん)」に分かれます。

たとえば、「がん診断給付金100万円」の保険に入っている場合、悪性新生物と診断された場合は100万円を受け取ることができます。

ただし、上皮内新生物の場合は、保険会社によって対応が分かれます。上皮内新生物でも悪性新生物と同じ金額(100万円)をもらえる保険会社もあれば、50%(50万円)のところ、あるいは、10%(10万円)のところ、さらには0円のところもあります。

金額だけで比較をすると、上皮内新生物で十分な給付金が出ない保険会社は不利なように思う人もいますが、決してそうではありません。上皮内新生物は、転移や再発の可能性がほとんどないといわれるがんのため、今後の継続的な治療費などもあまりかかりません。

そこで、上皮内新生物を診断給付金の満額給付から除外することで、支払う保険料を安くなるような商品にしているのです。上皮内新生物が気になる場合は、加入の際に「上皮内新生物と診断された場合はどうなりますか?」という確認をしておきましょう。

Q4:3カ月経って、がんと診断されたのに、給付金がもらえないケースがある?
A4:給付金がもらえないケースもある。

がん保険の商品によって給付金を出す出さないの判断は、がんの診断だけでなく、「がんと診断されたこと+入院」の2つが条件になっていることがあります。その場合は、1日以上「入院」しなければ、給付金がもらえません。

がんの平均入院日数は約20日と短縮化の傾向にあります。すでにがん保険に加入している人は、自分のがん保険が「診断だけ」なのか、それとも「診断+入院」が必要なのか、確認しておきましょう。

なお、商品によっては、初めてがんと診断されたときには「診断だけ」で受け取れるけれど、再発などの場合は「診断+入院」が必要な場合もあります。もしもの時のために、こちらも確認しておきましょう。

がん診断されたら保険料を払わなくてもいい?

Q5:がんと診断されたら保険料を払わなくてもいい?
A5:保険料免除特約付きなら払わなくていい。

「保険料免除特約」をつけた場合は、がんと診断されたらそれ以降の保険料を支払わなくても保険が継続します。この保険料免除特約は、もともとがん保険にセットされている商品もあれば、特約を自分で選ぶ必要がある商品もあります。

また、保険料免除となる対象のがんが悪性新生物だけ(上皮内新生物は対象外)の商品と、上皮内新生物でも免除になる商品があります。

特約保険料は年齢や性別によって異なりますが、月額数百円です。保険料を何歳まで支払うのか(60歳までか、終身払いか)、保険料はいくら支払うのかなどによって、特約を付ける、付けない、を検討しましょう。

実は、ここまでご紹介してきた5つのポイントのことをきちんと理解している人は多いとは言えません。相談者にいらっしゃった方に、加入している保険の内容や5つのポイントなどを説明すると、「知らなかった!」と驚かれる方が少なくありません。

加入した後に、がん保険の内容が自分が考えていたものと違うことを知るのは驚きですし、ショックでしょう。しかし、いざ書類にハンコを押して保険の契約をしたとなると、「知らなかった!」ではすまされません。「了承している」ということになります。

がん保険の内容は、各保険会社によって様々です。だからこそ、思い込みの安心にならないように、事前にシミュレーションして「もしもこんな時にはどうなりますか?」と遠慮なく確認してください。

また、すでに加入している場合も、わからないことが出てきたときは、担当者や保険会社に連絡して、納得できるまで説明してもらいましょう。

保険ショックにならないためにも、もしものための手間と理解を惜しまないようにしてくださいね。

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