- 2016年03月28日 15:39
江田憲司代表代行記者会見2016年3月28日(月)
2/2○安全保障に関する民進党の考え方について
【読売新聞・平田記者】
明日、安全保障関連法の施行となるが、受け止めを伺いたい。
【代表代行】
施行するのに、いつから運用するのですか。何か後ろめたいことがあるから、選挙の後にするのではないですか。PKOの改正はいつから実施するのですか。そんなやましい法律なら、やめたほうがいいですよ。
我々は、ご承知のように違憲の安保法制をまず一旦すべて白紙に戻して。ただ申し上げたいのは、そこは共産党や社民党とは違う。我々民進党はしっかり対案を出しました、領域警備法案、PKO法改正案、周辺事態法改正案。残念ながら昨年、維新の党だけが対案を出して、当時、民主党にも相当働きかけたのですが、なかなか対案が出なかった。これも合流効果ですよ、今年になって領域警備法案、PKO法改正案、そして周辺事態法改正案を出した。我々はやはり北朝鮮の核ミサイルの脅威、さらには中国の海洋進出の脅威、こういうことにしっかり万全の態勢をもって臨まなければいかんと思っていますから、こういった対案を出したというのも大きな合流効果、民進党結成の成果ではないかなと私は思っています。
【NHK・加藤記者】
安全保障関連法の施行に関して、対案を提出したのが一つの成果だとおっしゃったが、提出された対案がなかなか審議されていない状況があると思う。これについて、政府側にどのような対応を求めていくか伺いたい。
【代表代行】
安保法の対案については引き続き強く審議を求めていきます。しかし、安倍自公政権は取り合わないでしょう。審議すればするほど(安保関連法の)あらが出てくるわけですから。また「違憲」「違憲」の大合唱になるわけですから、絶対に取り上げませんよ。だから選挙で決着をつける。この違憲の安保法制を強行した安倍政権でいいのか、しっかり違憲の部分を白紙化して、北朝鮮の核ミサイルの脅威や中国の海洋進出に対応できるような領域警備法、そういった対案を提出した民進党がいいのかということです。
私は、周辺事態法も、橋本政権の時の逐条で、橋本総理が非常にお好きな法案だったものですから、一日中、執務室でやりました。その時も集団的自衛権と個別的自衛権の議論をさんざんしましたが、安倍政権以前は、法制局はもちろんのこと、みんなも個別的自衛権の範囲内でおさめるために苦労してきた。はっきり言えば、私も秘書官仲間が今、防衛省や外務省で事務次官や局長をやっていますから、こう言っていますよ、「我々は役人だ。時の政権から、『個別的自衛権の範囲内でおさめろ』と言われたら、幾らでも知恵を出してそういう法律を作るんだけれども、安倍総理からは『集団的自衛権に踏み込め』という指示があったから作っただけだ」と。役人としてはそうでしょう。
私はこの点は申し上げますけれども、大阪で橋下さんと別れたから、私は個別的自衛権の範囲内におさめる派です。集団的自衛権はまかりならんという立場ですから。ルビコン川を渡ってはだめだということです。
安全保障のアの字も知らないような政治家が大部分でしょう、経験もなければ知識もない。私は一番の原点は湾岸戦争、PKO法案の徹夜国会明けの成立まで、私も実は海部・宮澤政権、丸々官邸に出向しておりました。今で言う内閣総務官、当時、内閣副参事官ということで通産省から出向して、官邸の国会対応・演説担当として全部見届けましたが、一番思ったことは、本当に政治家というのは安全保障を知らない。選挙にならない、票にならないから。外交や安全保障をまともに勉強したひとがいない。こんな人に、集団的自衛権だと言って、自衛隊も外国から見れば軍隊ですから、それを海外にどんどん派遣したら、ということは、内閣総理大臣が最高司令官ですからね。私は、子どもに鉄砲を持たせるようなものだと思っていますよ、今でも。子どもに鉄砲を持たせてはいかんのです。でも、子どもが鉄砲を持つことがあるから、しっかり歯止めをかけた。それを、なんだかんだ理屈を付けて集団的自衛権でルビコン川を渡ってしまったら、際限なく行きますよ。
私が一番問題だと思っているのは、この「重要影響事態」で地球の裏側まで行けると言ったでしょう。地球の裏側の戦争って何ですか。日本とは全く関係ない戦争です。そこで空中給油をやる、そこで武器弾薬を提供する。敵はそこを狙うに決まっているじゃないですか。私は、言いますけれども、共産党や社民党ではないですよ、しかし戦争に巻き込まれるじゃないですか。当たり前のことでしょう。それをやろうとしているのです。絶対に止めなければいけないです、これは。今度の選挙はそういう戦いです。
○世論調査の受け止めについて
【テレビ朝日・河村記者】
各マスコミの世論調査が一部出ているが、(民進党の)支持率が、民主党と維新の党を足した数にも及ばない場合があったり、「期待する」が1割台に留まっていたりする。そういった支持率についてどう思われるか。
【代表代行】
まあ強がりですが、こんなものですよ、新党の船出というのは。私も幾つか作りましたが、橋下さんと維新の党を作った時もこんなものでした。全てはこれからですね。
とにかく国民の皆さんはまだまだ「民進党というのはわけわからん」と思っていると思います。だからこそ昨日採択した綱領だとか基本政策を、今日からもう街頭に出ますが、しっかりと訴えて、民進党は何ぞやということをわかっていただければ必ず活路は開けると思いますし、こういう中でも期待が30%近くあるということは、3分の2の歩留まりでも政党支持率20%ですから。皆さんご承知のように、野党は、どんなに頑張っても支持率20%に届かない、どの時代でも。政権交代前の民主党の支持率だって、覚えていますが、よくて15~16%ではなかったですか。それが、選挙が近づくにつれてやはり与野党平等に皆さん扱ってくれますから、メディア、テレビ、平等に。特に選挙のひと月ほど前になると、テレビの討論番組も平等に扱ってくれますからね。大体、平時は野党のメディア・カバレッジなんて低いですよ。そういうことも影響するでしょう。
それから私の経験を言わせていただくと、みんなの党、2009年8月8日に結党した3週間後に選挙をやりました。「みんなの党?なんだ、こりゃ?」と言って、テレビにも出してもらえない。当時5人、政党要件があったのに、テレビは「30秒、あんたビデオでしゃべれ」と。あとの政党はみんな1時間2時間討論していた。「こんな政党は消えてなくなるよ」と言われた。ところが、どうでしょう、300万票取った。当日、覚えていますが、皆さん方の政治部長さんから、何人からも「江田さん!」と電話がかかってきて、「いやあ、みんなの党が意外に伸びている。下手すると5行くよ」みたいな話で、結局7まで行った。300万票。
維新の党はどうだったでしょうか。維新の党、一昨年の年末、皆さんの調査はみんな27議席、30行かないという予想です、直前まで。蓋をあけたらどうでしょう、41議席。現状維持ですね。
要は消極的支持が、最後、乗るんです、こういう政党は、野党というのは。要は、有権者は最後に選択する。特に無党派の人、決めかねている人は。「自民か民進か」となったら、最後どちらかを選択しなければいかんということで、乗ることもある。
ですから、希望は失わず、前を向いてしっかり国民の皆さんに訴えかけて、理解を求めることができれば、必ず活路は開けると思っております。
○待機児童問題・緊急対策案について
【NHK・加藤記者】
待機児童に関する問題だが、今日夕方、政府が、保育士の給与4%引き上げなどを盛り込んだ自民党・公明党の提言をもとに、(小規模保育所の定員)上限の撤廃や処遇の改善などを含んだ緊急施策を発表することになっているが、今後、民進党としてどのように待機児童対策をやっていくのか伺いたい。
【代表代行】
これは、またちょっとプライベートにわたって申しわけない、私はこれでも保育園の送り迎えをついこの間までしていました。まだ小さい子どもがいるものですから。女房も働いているから。
保育士は大変な重労働ですよ、皆さん。保育士の皆さんの持病って、わかりますか?やったことある人、わかるでしょう、保育園に送り迎えをして、保育士の人とつき合った人は。腰痛ですよ。重労働なんですよ、抱っこしたり、バギーのでかいので公園に連れていって。大変なんですよ。にもかかわらず、「いやぁ、子どもと遊んでいればいいんだろう、保育士は」と言って、給料が全産業平均の11万円低い。とにかくこれに真正面から向き合わないとだめですよ。
自民党はどうです、これ。2%上げる。人事院勧告の1.9%、これは当たり前ですよ、だって公務員の平均なのだから。プラス2%?月々6000円ですよ。たった6000円月給を上げる。11万円の格差があるのですよ。だから我々民進党は真正面から向き合って、まあこれでも足りないけれども、月々5万円上げましょうと。11万円の格差があるのですから。
5万円分は2770億円です、こんな財源は出せますよ、皆さん。私、この前、予算委員会でやったでしょう。公共事業、例年5兆円ですよ。橋本政権の時も5兆円、小泉政権の時も5兆円。安倍政権になってナンボになっていますか?10兆円になっているんですよ。震災(復興)とかありますから、多少増えるのはいいでしょう。しかし、毎年2兆、3兆円を使い残している。私がパネルを用いて質したのは、財務省資料です。毎年2兆、3兆円を残している。2770億円の財源がなんで出てこないのですか?聞きたいですよね。簡単にできるんです。
介護士だってそうです。介護士だって10万以上格差がある。それを我々はせめて、また「バラマキだ」とあらぬ批判をされるから、1万円上げる法案を出しました。保育士については、真正面から向き合って、5万円給料を上げる法案を出しました。
それだけではありません、今回、自民党の案で問題なのは、小規模保育所の定員19名(上限)を上げるというのでしょう。保育の質を落とす。それから月々6000円上げるって、財源はどこなのですか?また補正を組むのですか?財源はどこから引っ張ってくるのですか?ですから簡単に言えば、自民党案は財源の手当てもせず、保育の質を落とし、お子さんや、親ごさん、保護者の皆さんにリスクを押しつける。簡単に言えば的外れ、期待外れの案だと思います。
我々民進党は真正面からそれを受け止めて、保育士の給料5万円アップだけではなくて、一時保育、これは自民党も言っていますが、病児保育も大事ですよ、皆さん。それから私の家庭はNPOの保育ママ、近所の一般家庭に預けています。お互い、共働きで21時以前に帰ってこられないので。幾ら保育園に預かってもらっても21時までです。だけど我々は23時、24時になることもある。そういう時には保育ママ、NPOがやっています。しかし問題もあるんですよ。このNPOはしっかり認証して、やはり子どもを持つ親としては、本当に一般家庭に預けて大丈夫か、本当にこの人、信頼できるのかというのを、ちゃんと第三者でチェックしてほしい。僕ら何しているかというと、預けた親同士でお互い情報交換して、「あ、ここなら大丈夫だ」と預けている。ずっとお世話になっていますよ。そういうところの整備も必要です。きめ細かな、皆さんご夫婦で働き方が多様ですから、そういうところに本当にきめ細かい保育サービスをやっていくのが非常に大事だと思います。
○日米安保条約をめぐるトランプ氏の発言について
【共同通信・比嘉記者】
アメリカの大統領選で、今ちょっと話題になっているが、共和党の候補者指名争いのトップを走っているトランプさんが、ニューヨークタイムズのインタビューで、日米安保条約は片務的であると。日本に対して金額の増額を求めるか、そうでないのであれば米軍を撤退させるべきだと主張している。このトランプさんの考え方について伺いたい。
【代表代行】
まず、よく勉強してから物を言ってくださいと。いやしくもアメリカの大統領、アメリカの大統領といえば単にアメリカの大統領に留まらず、世界の大統領的な存在。世界平和にも歴代大統領は責任を持ってきた。もう少し勉強されたらどうですか。
在日米軍基地をなぜ持っているのか。片務ではありませんよ、これは。確かに日本も守っていただいていますが、しかし米国の世界戦略の一環に組み込まれていることも事実でしょう。
そんな、大統領になってできもしないことを、票が欲しいのか何が欲しいのか、言うことは極めて問題だと思います。
【共同通信・比嘉記者】
在日米軍あるいは在韓米軍が撤退した後のことについて、日本と韓国は核兵器を持ちたくなるだろうと、核保有の容認ともとれる発言もしている。これについても伺いたい。
【代表代行】
コメントに値しないでしょう。
○安全保障に関する民進党の考え方について
【読売新聞・平田記者】
安保法制に関して、集団的自衛権と個別的自衛権の話が先ほど出たが、昨年、維新の党は集団的自衛権を限定的に認める対案を出した。さきに民主党と出した対案には、集団的自衛権の行使に関する法案は入っていなかった。先ほどの話だと、大阪がいなくなったことによって個別的自衛権だけでいいのだという話をされたかと思うが、そういうところで齟齬はないという理解でよろしいか。
【代表代行】
詳しくご説明しますと、大阪、具体的には橋下・江田論争というのが延々とありまして、その当時からいらっしゃった記者の皆さんはみんなご存じだと思います。
私は、先ほど言いましたように、ルビコン川は渡らない。確かに安全保障環境は変化した。武器技術の進展もある。昔は対艦砲しか持っていなかったような国ならば、大砲をぶっ放しても日本に届かない。しかし日本に対して北朝鮮がノドンを200発以上向けて、いつでも着弾するような状況で、直接的に日本の領土・領海に侵入がないからといって、指をくわえて座して死を待っていいのか。
例えば日本海にアメリカのイージス艦が浮かんでいるとして、北朝鮮がそこに短距離ミサイル砲を撃ったと。だけど、「あれは米艦船だけへの攻撃なのだから」と指をくわえているうちに、同時にノドンがぶっ放される。僕は、その可能性が高いと思いますよ。当たり前じゃないですか、北朝鮮の司令官もバカではないんですから。アメリカのイージス艦や艦船を日本海で攻撃するということは、大変な覚悟ですよ。もう全面戦争の覚悟です。
だからノドン200発を同時に発射する、あるいは発射しなくても発射する蓋然性が高いという時に、日本の自衛隊が(自衛権を)発動するのは何も問題がないと私は思っていて、それは従来の個別的自衛権の範囲内で認められる。なぜならば、2003年、当時の秋山法制局長官がそう答弁しているじゃないですか。それを、維新の党の対案というのはもう少し条文化したということです。
橋下徹さんは、僕もさんざん議論しましたが、あの人は憲法改正して集団的自衛権をフルに認める立場だというところから、議論をここから始めたのです。
私は、さっき言ったように、いろいろな安全保障環境が変化して日本の国民の生命・財産を守るにしても、個別的自衛権の範囲を適正化することで、現代的にマッチするように範囲を適正化した上で対応するというのが妥協の産物で、よくグラフを出したのですが、私は個別的自衛権の範囲で認めて、橋下さんは集団的自衛権の中でも認めている。結局、両者の合意点は個別的自衛権とも言えるし、集団的自衛権とも言える、交わった部分だけを「自衛権」と称して認めたのですね。
しかし、もう大阪はいませんから、元に戻して個別的自衛権の、この(集団的自衛権と)交わる部分も含めて、多少適正化しますよ、さっき言ったように。それはやりますということですから、民主党とはそんなに齟齬がないと思いますし、両党の統一会派の合意で、対案は確かに3法案にとどめましたが、このいわゆる安倍政権が今度設定した「存立危機事態」に対応する部分について、どういう対応をしていくかについては引き続き検討ということになっていますから。それが具体的な法案になっていくのか、それとも解釈運用になっていくのかわかりませんが、その点については全く、大阪が出ていったことで問題ないと私は認識しております。
○衆議院選挙制度改革について
【朝日新聞・藤原記者】
自民党が2020年の国勢調査に基づいて「アダムズ方式」を導入して定数を見直すという案を出したが、枝野幹事長は既に「これは先送りだ」と批判している。これに関しての受け止めと、この改革に対して後ろ向きともとれる自民党の態度を、「身を切る改革」を訴えてきた代表代行としてどのように受け止めているか伺いたい。
【代表代行】
もちろん、抜本改革を先送りする、言語道断だと思いますね。また出ますよ、最高裁の「違憲」判決が。1人別枠を残しているのでしょう、「アダムズ方式」をやらないということは。いくらちょっと減らすと言ったって。懲りない面々だなぁと、本当に思います。大島議長には、元自民党出身とはいえ、ぜひリーダーシップを発揮していただきたい。
「アダムズ方式」を採用するとおっしゃるのなら、2010年から(の国勢調査に基づいて)やるというのは当たり前ではないですか。なんで公明党も降りるのですかね、いいことをおっしゃっていたじゃないですか、2015年でやるのが一番いい。ただ、調査会の答申が10年ごとの大規模調査と書いてありますから、我々は2010年と。自民党は、2020年。ということは、実際に行われるのは2022年。今から6年後。というか、野田・安倍党首討論で国会定数の抜本的な削減をしますと約束してから、10年たってやっとやるなんて、誰が保証するんだろうなと。安倍政権もないだろうし。本当、無責任だなと思います。



