みなさん、こんにちは。
衆議院議員 うえにし小百合です。
私が3月23日の法務委員会で質問したテーマの“更生”については昨日ブログで書きましたが、本日はもうひとつのテーマを書かせていただきます。
私が平素より“いじめ問題”に取り組んでいることはブログ等で既にご報告させていただいておりますが、勉強会や省庁とのレクで課題として出てくるのが、次々に出てくるSNSを介した被害への対応です。
ですので、「インターネットを悪用した人権侵害」に関しても法務大臣・人権擁護局長に質問をしました。
~上西小百合ブログ:法務委員として考えるいじめ問題~
http://ameblo.jp/uenishi-sayuri/entry-12119222923.html
平成25年5月に「いじめ防止対策推進法」が成立し、私も勉強会に出席をさせていただいておりますが、いじめ問題等で命を落とされた方の関係者の皆様の無念さは言い表しようもありません。
“表現の自由”は匿名性の有無に関わらず尊重されるべきですが、苦しむ被害者がいる以上、今申し上げたような事態は看過できませんので、法務行政に携わる法務委員として全力を挙げた対策を行わなければならないと思っております。

法務省人権擁護局局長から取り組みについてお伺いしましたところ、法務局に「インターネットを悪用した人権侵害」に関する相談が平成26年度は4390件あり、法務局のアドバイスを受けた被害者が自分で解決できずに再度法務局に相談したものの内、実際に法務局が法令・判例に照らし合わせ人権侵害事件だと判断したものは1429件にものぼるとのことでしたから、職員の方々が真摯に解決へ向けて取り組まれているということはいうまでもありません。
~インターネットを悪用した人権侵害をなくしましょう~
http://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken88.html
ただ、ひとつ申し上げられるのだとしたら、これだけインターネットを見ると目にするのも憚られるような汚い言葉が溢れている割には相談件数自体が少ないことがみてとれます。
被害者救出に力を発揮するこの制度を我々議員がそれこそインターネットでこの制度を拡散したり、メディアの皆様のお力添えを賜りながら、一人でも多くの方に発信をすることが必要だと思いますので、委員会質疑の中でも制度の広報活動へのご協力を委員の先生方に呼びかけさせていただきました。
~「STOP!ネットトラブルの歌」
青森県警察の啓発活動・心のネット強化事業~
https://www.police.pref.aomori.jp/keimubu/kouhou/doga27/doga2.html
また、「インターネットを悪用した人権侵害」を行ってしまう方々にも啓発が必要だと考えています。
色々とヒアリングをしておりますと、多い意見は、“ストレスが溜まり、憂さ晴らしをどこかでしたい。
インターネット上だと匿名で何でも書き込めるから友人や勤務先にばれないだろうから大丈夫だ、と安易に書き込んでしまった。”というものでした。
書き込みは単なる個人の悪意あるものなのに「みんな」「我々」「国民」など、主語が大きくなっていて、その為、述語はそれにつられて非常にきつくなっています。
単なる一個人の意見が、まるで何か大きな集団の意見のように聞こえる言葉が被害者に世間全体から否定されるような錯覚を与えてしまいます。
ですから、『本来の匿名でしか発せられない切実な言葉』ではなく、『人を罵るだけの汚い言葉』に伴う責任を人権侵害を行う加害者に自覚させる必要があるのです。
いくらネット上では匿名性があるとはいえども、その書き込みが事件と認定されれば捜査で発信者は特定され罪を問われる訳ですし、その事前段階においてもプロバイダ責任制限法に基づき、人権侵害を受けた被害者は人権侵害情報の発信者の情報開示請求ができる訳ですから、ネット上の書き込み、情報発信には匿名であっても責任が伴うことを周知徹底していくというのも、抑止力に繋がる大きな課題ではないかと思い、法務大臣のご見解をお伺いさせていただき、私と同じ考えで加害行為の啓発推進への力強いご意欲もお聞かせくださいました。
~特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限
及び発信者情報の開示に関する法律の概要~
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/top/denki_h.html
今回、質問時間の中に聞きたいことを詰め込みましたが、国が国民の人権を守るために闘う姿勢を明確にすることは必ず国民に希望を与えます。
人権侵害の被害者となられた方々の声に真摯に耳を傾け、国民が人権を正しく理解できる社会を法務省の皆様、法務行政をお支え下さる関係者の皆様とともにつくりあげてまいることをお誓い申し上げます。