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乙武氏の「浮気」騒動の「途方も無く薄っぺらい正義感」について

あえてこういう投稿をすること自体が「煽り」に繋がるのが嫌なので、クローズドの場で書こうと思っていなのですが、やっぱり敢えてここに書こうと思います。

このたびは、夫、乙武洋匡の行動が週刊誌で報じられた件につきまして、多くのみなさまにご迷惑をおかけしたことをお詫び致します。

このような事態を招いたことについては、妻である私にも責任の一端があると感じております。

今日に至るまで二人でしっかり話し合った結果、3人の子どもたちのためにも、あらためて夫婦ともに歩んでいくことを強く決心致しました。

本人はもちろん、私も深く反省しております。

誠に申し訳ございませんでした。

2016年 3月24日
乙武仁美
出典:『週刊新潮』の報道について/

何かいまの日本の空気はおかしくありませんか??

乙武さんの件について、どうのこうの意見を言うつもりはないのです。また、佐村河内守氏、小保方晴子さん、元兵庫県議の野々村竜太郎氏の騒動あたりまでは、何となくメディアや世間が騒ぐ理由や動機も分からなくはないのです。正直なところ私自身も、「どうなってるの?」くらいの関心と、下世話な意味でニュースに「面白さ」を感じていたのです。

しかし今年の入って、文春のスクープ連発以降、最近は正直なところもう完全に食傷気味です。「飽きる」を超えて、何だか少し一連のバッシング続きの風潮が「怖く」なってきました。

この日本中のいたるところに張り巡らされた「監視社会」「密告文化」的な閉塞感。何とも言えない「暗さ」を感じます。

乙武氏を非難する「声」には3つの種類があると思います。

(1)本当に「浮気」はいかんと思っている人。心から「許せない」という人。

このタイプの方たちは本当に正義感の強い人です。もちろんご本人は決して浮気などしません。同時に周囲に浮気をする人がいたとしたら許すことができない人でしょう。全てにおいて「正しさ」を重視する。「正しい」人です。これはこれで人として理解できます。

ただし私はこの手の人を友達にしたくありません。私が「浮気」をしたいからではありません。単に「めんどくさそう」なので。。。乙武さんの奥さん(当事者)は完全に「許し」ています。「あなたは誰に対して怒ってるの?」と、つい「怒る人」を「めんどくさい人」だと私個人は思ってしまいます。

(2)乙武氏自身を最初から「キライ」な人。批判したいけど「五体不満足」な乙武氏のことは正面から批判しにくい。だからこの件でこのタイミングで批判する人。

この手のタイプの人の考え方も理解はできます。「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」「江戸の敵を長崎で討つ」というのはよくあることです。「手段」が「目的」に変わる人です。仮に「スキな人」に対しては「浮気」しようが「不倫」をしようが何も言わないのかもしれません。「キライな人」に対しては、「良い」「悪い」は別として、この時とばかりに、とにかく「批判」をする。恐らくご本人とは特に面識もない方たちなのだと思います。リアルで知り合いだったら、たとえ「キライ」な相手でも、面と向かって批判はしないのかもしれません。

(3)とにかく何かストレスとか、社会に対する漠たる不満を持っている。誰かを(自分よりも弱い人、あるいは時にはエラい人等)をバッシングすることで、自らの「溜飲を下げる」きっかけを求めている人。

私はこの手のタイプの人が、実際には多いのではないかと思います。だから常に「バッシング」する対象を潜在的に求めている。そして、こうした傾向が一番「怖い」と思います。理由はいわゆる「いじめ」の典型的な構造のような気がするからです。「スケープゴート」を常に探しているというのでしょうか。メディアは世間のこういう風潮を感じ取り、ここにビジネスチャンスを見つけます。

ちょっと目立つ人、話題の人、他人と異なる人、そして最近では、「普通に頑張る人」のことをあえて揶揄したりするケースも目にします。「弱者同士」の中での微妙な「格差」が生み出す現象なのでしょうか。私には、目に見えない「いじめ」のように(あるいはいじめを認める「空気」)も思えます。文学の専門家ではないので詳細の説明は省きますが「阿Q正伝」に出てくる「精神的勝利法」を連想させます。

決して「昔の日本がよかった」などと懐古的なことを言うつもりはありません。ただ事実として、一昔前であれば、「しょせん浮気でしょ?」「しょせん夫婦間の問題でしょ?」「しょせん遊びでしょ?」「しょせん・・・でしょ?」で、終わってた話かなと思います。今後、選挙にでる人は、過去に「浮気」をしていたら、みなさん夫婦で謝罪文出さないといけない時代に日本はなっていくのでしょうか??現役の議員さんたちはどうなのでしょうか?どれだけ日本は「潔癖社会」になっていくのでしょうか。。。日本中の国会や県議会、市議会、首長さん、公職の人・・・いったいどれだけ「資格」があるのでしょう?マスメディアの人たち、ネットメディアの人たちも同様です。

こうしたスキャンダルは過去にも度々ありました。今後も度々出てくると思います。今年に入って何回か、下記の聖書の中に出てくるイエス・キリストの「罪深い女」の中に出てくる言葉を思い出します。

「汝らのうち、罪なき者まず石をなげうて」

石を投げて責めて良いのは「全く罪を犯したことが無い真の善人のみ」だと思うのです。上記の(1)の人たちです。だけど、今の日本でキリストがネット上にこの言葉を書き込むと、きっとイエス・キリストに向かって、石が飛んできて大炎上するのかもしれません。

この投稿に対しても不快感を抱く人が多くいるかもしれませんが、私は日本人の多くの人が「ハイエナ」のようにバッシングできる対象をメディアによって与えられるのを待っているような状態だとしたら、そちらの方が「うす気味悪い」気がしました。

※Yahoo!ニュースからの転載

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