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NHK予算に反対〜ガバナンスを失ったNHK〜

 NHK予算に3年連続反対することとなった。我々は、意思決定に関わる議事録や処分の開示などを求め、受信料の使途をガラス張りにして不祥事の再発防止を図ろうとした。具体例をあげれば、

①不明朗な土地取引(350億円)交渉の経緯、

②1億円かけた不正調査が2億円の着服を見抜けなかった経緯、

③タクシーチケットが不適切使用された場合の公表基準、

などの説明を求めたが、十分な答弁がなく、反対となった。

NHKの混乱は、公共放送の意義を理解していない籾井会長の姿勢によるところが大きい。

 BBCはじめ欧州の公共放送は、支払い義務のある負担金や税で運営されている。一方、我が国の「受信料」は、民法上の契約に基づき、国民が自発的に支払っている。世界に例がない誇るべき制度なのだ。この制度を成り立たせるには、視聴者の声に丁寧に耳を傾けることが必要となる。国会での全会一致が慣例となってきたのも、自主的に支払って頂いているという「受信料」の性格によるところが大きい。また当然のこととして業務にのみ適正に使うことが求められる(放送法第73条)。

 ところが、籾井会長は、①昨年問題になった「私用目的」のハイヤー利用、上述の②土地取引問題(NHKとの取引で生じた子会社の利益剰余金(もとは受信料)を、適正価格を大幅に上回るとされる高額(350億円)の土地購入に充てようとした)、③不正調査に1億円かけるなど、民間会社の経費の感覚で「受信料」を使っている。

 一方で、民間経営者として期待された、子会社関連会社の整理統合や民間経営者の登用などの改革は、一切行っていない。問題を引き起こすばかりで、会長の任を果たしているとは到底言えないのだ。

 さらに深刻なのは、事実上の会長不在の状況で、NHK幹部の官邸への忖度が強まっている点だ。「NHKの職員といえどもサラリーマン。忖度は企業や組織には普遍的に存在している」これは、番組編集権を持つ板野放送総局長の発言だ。報道によれば国谷キャスターの降板も幹部が決めたとされる。退任する理事からNHKの現状を憂慮する発言が相次いでいるように、ガバナンスを喪失し「政府からの独立」を失ってしまったNHK。任期は僅かだが、籾井会長の負の遺産は極めて大きい。

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