- 2016年03月23日 15:44
「経済にデモクラシーを!」〜「アベクミクスは絶対いらない」と水野和夫氏もコールしたAEQUITAS新宿街宣〜の巻 - 雨宮処凛
2/2次に登壇したのは、この日もっとも注目度が高かった水野和夫氏だ。日本大学教授にして、日本を代表するエコノミストの一人。著書『資本主義の終焉と歴史の危機』(集英社新書)は私ももちろん読んだ。余談だが、この本が出版された直後、ある討論番組の楽屋でこの本への凄まじい批判が繰り広げられている光景を見たことがある。その中には竹中平蔵氏もおり、そのことによって私の中で「水野氏への信頼」は勝手に上昇したのだった。あの時の、水野氏の問題提起を否定したがるいわゆる「勝ち組権力男性」の過剰反応は、彼らの恐怖感をまざまざと表しているように思えた。
そんな水野氏は、景気がよくなっていないのに企業が2年連続で最高益を更新する背景には、正規を非正規にし、人件費の削減をしてきたことがあると指摘。そして安倍政権の「成長戦略」に疑問を呈した。
「成長戦略は主語が抜けている。誰が成長しているかというと、株主が成長している。株主のうち半分は外国人投資家。今の経済政策は民主主義から大きくかけ離れている」
そうして水野氏は最低賃金を1500円に、すぐに上げることが必要と述べ、なんとコール!
エキタスの名物コーラー・19歳のこばしゅんとともに水野氏はコールする。「アベノミクスは絶対いらない!」「アベノミクスは絶対意味ない!」。
なんだか時空が歪むような光景が出現したあとは、社民党・福島みずほ氏、民主党・石橋みちひろ氏、共産党・小池晃氏のスピーチが続き、なんとか自分を取り戻した。
そうして最後は野党議員3人とエキタスメンバーが登壇し、両手を高々と上げると、大きなコールがアルタ前に響き渡った。
「経済イシューで野党は共闘!」「経済にデモクラシーを!」
この日、2時間に及ぶ街宣には700人が集まった。通りすぎる人々も興味津々の顔で立ち止まり、「最賃1500円、むっちゃいいじゃん」と会話するカップルがいたり、「SEALDsみたい!」と声を上げる女の子もいた。というか、「SEALDsみたい」って、新宿の雑踏で通りすがりの女の子の口から聞くと、なんだかしみじみしてしまうのは私だけではないだろう。
この日聞いたスピーチで、忘れられない言葉がある。原田さんが、息子を持つあるお母さんから聞いた話を引用したスピーチだ。
「息子さんが低い給料で、毎日帰ってくるのが深夜。疲弊した姿を見て、いつか過労で倒れてしまうんじゃないかって気が気じゃないって。僕、思ったんですけど、戦場に子どもを送りだす親の気持ちって、もしかしたらこういう気持ちに近いんじゃないかって思いました」
大袈裟な、と思う人もいるかもしれない。しかし、過酷な労働でうつ病や自殺に追い込まれる若者は、この15年で10倍にも増えているのだ。
エキタスの街宣に参加して、改めて、思った。
私たちはもうずっと長いこと、少ないパイの奪い合いの中にいた。到底椅子が足りない椅子取りゲームで他人を蹴落とし、自らが蹴落とされないように必死でしがみついてきた。その中で、隣の人がうつになったり自殺したり過労死したり電車に飛び込んだりしても、いつからか「仕方ない」なんて麻痺するように仕向けられていた。麻痺しないと「サバイヴ」できないぞ、とずっと脅迫されてきた。
だけど、そんなのはもう無理なのだ。限界なのだ。何よりも、そんな社会は嫌なのだ。そしてそう思っている人は、おそらく多数派なのだ。この日の街宣で、改めてそう思った。
次のエキタスの大きな動きは、4月16日のデモだ。このデモはアメリカの「Fight for $15」アクションに呼応したデモで、世界各国でアクションが開催される。15時30分に渋谷・宮下公園に集合に集合して16時に出発だ。
街宣後、原田さんは言った。
「次のデモはワールドワイドな動きなんで。やっぱりこの問題は、最終的には国際的な規制が必要なんで、それに向けて、グローバリゼーション、多国籍企業のことも言っていきます」
今、世界中で「行き過ぎた資本主義」に対する抵抗が始まっている。そして多くの国々で繋がりが生まれている。世界規模のこのうねりに、ぜひ、身を投じてみてほしい。
これは貴重! 「アベノミクスは絶対いらない!」とコールする水野和夫氏。
25条のプラカード
街宣のラスト、「経済イシューで野党は共闘!」。
左からAEQUITAS藤川さん、民主党・石橋みちひろ氏、社民党・福島みずほ氏、共産党・小池晃氏、こばしゅんさん



