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夫の残業代のかわりに何を「手に入れた」と思えるか、夫婦生活はいいとこ取りできない──小島慶子×主夫・堀込泰三

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組織は形に弱い、「今まで通り」に働けない人全員集合~!で仲間を増やす

画像を見る 会社員時代の経験なんですけれど。たとえば「セクハラ110番窓口」というのができると、「セクハラというものがあるのか」と認知されて、「これを言ったらセクハラになるな」とか、みんな気を付けるようになってきますよね。やっぱり組織って、制度とか形に弱いので、ただ個人で言うよりそういう形を考えたほうがいい。

育休についても、「両立で悩んでいる人、集まれ~!」みたいに声をかけて定期的に会合を持ったりして、いろんな社員でシェアする。そんなふうに、目に見える形でやっていくことも大事かなと思ったんですね。

いきなり会社の制度にするのはムリでも、毎月1回そういう会合があったりすると、「なんか、大変なのね」って認識されていく。そういうことだけでも、「滅私奉公は当たり前」みたいな空気を変えていける力になるんじゃないかな。

画像を見る 仲間を増やしていくんですね。


画像を見る そう、仲間がいると、「こんなこと思うの私だけかな?」と思っていたのが、「同じように思っている人、いっぱいいるじゃん!」って変わっていく。せっかく組織にいるなら、組織ならではのやり方もあるのかなって思うんです。

だって、彼以外にも絶対いるはずですよ。あの上司のもとで、苦労している人が。

画像を見る 片岡さんの後輩で、育児中の木元さんって女性がいましたね。時短で働いている人。


画像を見る そうそう、彼女は女性なので、まだ言いやすいんですよ。「ワークライフバランスってやつだろう」みたいなことは、少なくとも建前上は分かってもらえる。でも男性は、それが分かってもらえないし、言えないんですよね。

だからね、木元さんが音頭を取って、片岡さんとか、その他の声なき育児パパたちと連帯すればいいと思うんです(笑)。

私、実際に組合でそれをやったんですけど。

「女性の問題だ」と言っている限り、オヤジって聞いてくれないんですよ。だから育児してる女性だけじゃなくて、奥さんがキャビンアテンダントで子どもを見なくちゃいけない男性社員とか、介護中の人とか、病気で通院中の人とか、全員を当事者にする。そうやって母数を増やしたうえで、「今の制度だと働きづらいから、休業制度を変えましょう」みたいにやると、オヤジってようやく話を聞くんですよ。

画像を見る

画像を見る 介護の問題も、これからもっと出てきますね。


画像を見る 介護の方が男性の当事者が多いかもしれない。しかもその年代の人って管理職だったりするので、それこそ言い出せずに、結構しんどい思いをしているんですよね。

だからもう、子育てパパ、ママに限らず、「今までどおりでは働けない事情を抱えている人」を、社内で全部募るといいですね。結構な数がいるはずですよ。そうすると、みんなに共通する悩みや改善策が見えてくると思うんです。

たとえば「いまは1日単位でしか休みを取れないのを、時間単位で取れるようにしてほしい」とかね。これだと、育児の人にも介護の人にも、病気で通院中の人にも使えるんですよね。そうした方が、助かる人が多いはず。

画像を見る 若い人も、あまり理解がなかったりするんですよね。前の会社に毎日定時で帰る子だくさんの課長さんがいて、若い人は「なんで課長なのに早く帰るんだろうね」って言っていた。若い人たちって、人それぞれの事情を想像できなかったりするんですよね。そこにもなにか、伝えていけるといいんですけれど。

画像を見る 子育て中の人を応援したからって、別に君が損するわけじゃなく、むしろ君もやりたいことと仕事を両立しながら柔軟に働けるようになって、得をするかもしれないよ、っていうのを伝えていけるといいと思いますね。

ワーッとなったら、自分の頭の中を翻訳して伝えよう

画像を見る 最後にね、堀込さん、あの奥さんのほうに注意点って何かありません? 私「夫にああいう口調でしゃべるのは自分だけじゃないんだ」と思って安心したんですけど(笑)。

ああいう口調になってしまうとき、どうしたらいいんでしょう?

画像を見る え、その、優しく言ってほしいですよね。急に怒られても理由が分からないので、説明をするとか。でないとこっちは、「何で怒ってるんだろう?」って思いながら、うんうんってうなずくしかない(笑)。

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画像を見る そうか。じゃあ「土曜日出かけよう」って言われたときは、「誰が掃除するの?(低い声)」ではなく、「土曜は私、掃除しようと思ってたから、出かけちゃうとお家の中が汚くなっちゃうけど、どうしよう」まで言えばいいのかな?

画像を見る そうですね、そんなふうに頭のなかを開示して欲しいですね。逆にああいうとき、小島さんは、旦那さんにどう対応してほしいです?

画像を見る 反省を込めてなんですけれど。自分がワーッとなっているときは、ただ「私のほうが大変なの!」って言いたいだけだったりするんですよ(笑)。

だからそういうときは、「問題を解決するにはどうしたらいいのか」っていうことに話を引き戻してほしい。そうすると、こっちも「あ、そうであった」と我に返る(笑)。

たとえば「誰が掃除するの?」って言われたら、「わかった、じゃあ誰が掃除するのか問題を解決しよう。まず、果たして土曜日に掃除をする必要が、本当にあるのかどうか。どうしても必要なのであれば、効率的な掃除のやり方を考えよう。掃除の仕方を変えたくないなら、僕に教えて欲しい。教えるのが面倒ならば、申し訳ないけど君がやるしかない」とかね(笑)。そうやって具体的な話に持っていけるといい。

夫でも妻でも、どっちかがそういうふうになったときに、もうひとりが「あなたの辛さを取り除くために、具体的な方法を考えよう」って提案ができるといいと思うんですね。

画像を見る そうか、僕も心がけます(笑)。


画像を見る 堀込さんとお話しして、ちょっと夫の気持ちが分かった気がします。いつかパースにいらして、夫にも会ってくださいね(笑)。

(完)

文:大塚玲子/写真:橋本直己/編集:小原弓佳

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