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浮気調査を依頼し、証拠が得られなかったら代金返還されるか?

中国の話だが、以下のような事件があったと報じられている。

揚子晩報網(16日付)によると、男と探偵の契約は30万人民元(約530万円)。浮気相手との“男女関係を証明できる”決定的な写真を撮ることが条件だった。2人が交わした契約書には、「写真が撮れなかった場合は、手数料の2万人民元(35万円)分を除いて返金する」と明記されていた。

男はその契約書を盾にして、金を戻さない探偵を訴えた。

依頼した金額が530万円とは、法外に高い気がするのだが、日本での浮気調査というのもこれくらいするのであろうか?

それはともかく、裁判所の判決は意外なものだった。
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裁判所の判決は「2人の結んだ契約は他人のプライバシーを侵害するものであり、法律の保護を受けることができない。さらにそうした契約は公序良俗にも反する」というものだった。ちなみに男は50代で、妻の浮気を“完全なクロ”と踏んでいた。

中国:不倫現場盗撮を探偵に依頼、「成果なし」でも調査料戻らず

公序良俗に反する契約は、無効である上、不当利得返還請求権についても不法原因給付の制約があることは日本民法にも規定がある。

第七百八条  不法な原因のために給付をした者は、その給付したものの返還を請求することができない。ただし、不法な原因が受益者についてのみ存したときは、この限りでない。

この条文が想定しているのは、例えば拳銃の売買契約のように日本国内では公序良俗に反し無効であるという契約で、契約が無効なら金返せといっても金を返すことを国家が後押しすることも認めないというのが趣旨である。

拳銃を買って金を払ったのに、引渡してもらえないと言って引き渡しを求めて訴えても、請求は棄却される。それと同様に金を返せと言って訴えても、請求は棄却される。
逆に、拳銃を売って渡したのに代金を払ってくれないと言って請求する訴えを提起しても棄却である。

麻薬販売についても同様、売春契約についても妾契約についても同様。
ただし、詐欺を推奨することではないのだが、結果的に悪いことに手を出したものは踏んだり蹴ったりとなっても知ったことではないというわけである。

しかし、配偶者の浮気調査について公序良俗違反で無効、返還も認めないという解釈は、おそらくしていないのではないか。民法の先生というわけではないので、定見はないが。

プライバシー侵害は確かに違法であろうが、その手段がかなり悪どいという評価がないと、例えば配偶者を尾行して交際相手を確かめるとか、SNSで探るとかでは、それ自体が不法行為ともならないであろうし、契約は無効とならないのではないか。

ちなみに、フランスでは、離婚のための証拠収集を執行士(日本の執行官に相当する職務を行う法律専門家)に依頼して、その調書を証拠とすることが古くから行われており、古くからそれが違法収集証拠として証拠能力を否定する理由になるかどうかが議論されてきた。
結論は、30年前に勉強した限りでは違法性なしということであったはずだが、現在の実務はよく分からない。

いずれにせよ、議論の分かれるところではある。

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