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中小企業の春闘 非正規の待遇改善努力に注目

中小企業の賃上げ実現を左右する大手主要企業の2016年春闘の結果が出た。

基本給を底上げするベースアップ(ベア)は前年を下回ったものの、賃金相場の先導役であるトヨタ自動車が月額1500円のベアを実現した。政府が政労使会議を通じた賃上げを経済界に呼び掛けて以降、3年連続でベアが実現したのは、労使双方の粘り強い交渉のたまものだ。

さらに、待遇の改善が強く求められる非正規社員で、パートとアルバイトを合わせた約10万人の時間給を平均2%引き上げる外食大手が現れたことは大いに注目されよう。今や非正規社員は、正社員に引けを取らない企業経営の戦力の要である。少子高齢化で労働力の確保が年々難しくなる中、多くの中小企業でも非正規社員が活躍している。労働に見合う正当な人事評価が非正規社員の士気向上につながることを踏まえれば、各企業で処遇改善に向けた工夫が行われることが期待される。

今後の焦点は、大手企業の賃上げの流れが中小企業に波及するかどうかである。

景気が持続的な成長を維持するためには、日本経済の屋台骨である中小企業の従業員の賃金アップが欠かせない。ただ、世界経済の先行き不透明感を背景にベア実施を見送った大手企業もあり、今春闘の妥結額を参考に今後の賃金交渉を進める中小企業が賃上げに及び腰にならないか、注視しなければならない。

わが国の経済の潜在的な成長力は自公政権の経済政策で着実に高まっており、積極的な賃上げで社員の意欲を高め、新規事業に打って出る絶好のタイミングといえよう。業績が堅調な中小企業は、賃上げに加えて生産性改善を促す設備投資も積極的である。

仮に、中小企業の経営者が賃上げに及び腰になるとすれば、日本経済が再び深刻なデフレに陥り、景気が後退しないかという不安心理を払拭し切れないからだろう。だが、賃上げによって家計収入がアップすれば、個人消費が活発化し、結果的に企業の収益は増すはずだ。

経済はマイナス金利政策の導入で、デフレ脱却まであと一歩のところにまで迫っている。中小企業の一層の賃上げ実現を促す対策が急務だ。

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