記事

【消費増税のハードル】

久々にThe Economist日本の政治に関する記事を 発見。「安倍アゴニスト(正確にはアゴニスティーズ)」というタイトルです。アゴニストは、調べたら、ギリシャの公開闘争が起源で、内部闘争する人という意味だそうです。

画像を見る
(The Economist今週号より)

このところ、消費増税の時期に関するニュースが増えていますが、挿絵は首相が「税」と書かれた 1つ目のハードルは越えようとしているものの、2 つ目のハードルが取り除かれようとしていて、両手には投票箱を持っているようです。

Japanese politics – Abe agonistes – Will the prime minister once again postpone a tax hike and call an election?(日本政治~苦悩する安倍首相~再び増税延期で選挙か?)の記事は、ざくっとこんな感じです(全文の翻訳ではありません)。

画像を見る
(The Economist 12/6/2014号より)

安倍首相が最後に解散総選挙に踏み切ったのは2014年、野党の足並みの乱れを背景に議席数の拡大にチャンスを見出した時だ。選挙では大義として高い理念を前面に打ち出した。景気低迷のため、ずいぶんと前に決まっていた消費増税の延期を決め、そんな重要な決断は国民の支持が必要だというわけだ。首相は手堅く勝利した。

そして、今、理念を理由に近いうちに再び選挙が行われるかもしれない。

日本経済に反転の兆しが見えない中(refusing to show any bounce)、 2017年 4月に予定されている10%への消費増税を見送ることを宣言するかもしれないからだ。5月の伊勢志摩サミットの後に宣言するかもしれない。前例を見ると、そうなれば解散総選挙に踏み切らないとは考えにくい。夏の参議院選挙と同日に行うという見方もある。

一部には安倍政権の幸運が尽きる前に、もっと早期の総選挙を求める声もある。さまざまな課題があるが、とりわけ大きな懸念は日本経済だ。去年の10- 12月期の GDPは年率マイナス1.1%まで縮小した。需要拡大のため、日銀は1月にマイナス金利政策を導入したが、市場の反応は、株安円高となり、狙いとは正反対の動きになった(just the opposite of what was hoped for)。

遅かれ早かれ国民は景気回復を約束した安倍首相に経済低迷の責任を問うことになる。ほかにも原子力発電所の再稼働や安全保障関連法案など、まだ選挙で信を問うていない政策もある。

加えて、政治スキャンダルだ。政治献金をめぐる甘利経済再生担当相の辞任、育児休暇をとると宣言しながら妻以外の女性と不適切な関係を持った自民党議員の辞任。それ以来、首相の支持率は50%を下回っている。

消費税については5%から8%への増税は個人消費の冷え込みをもたらした。本田内閣官房参与は国民の支持を保つには、追加増税の見送りは不可欠だという。

過激な金融緩和を進めて 3年たつが、コア物価はゼロ近辺で、日銀の2%目標からほど遠い。日本の労働組合でさえ大きな賃上げを要求していないし、銀行の収益が圧迫されている。

賃上げ、消費の拡大、設備投資の増加の好循環という首相の公約が危機にさらされ、有権者が夏にどう投票するかに疑問が呈されている。

多くの人たちは、首相が労働市場の抜本改革を含めて、経済の自由化にいっそう取り組むべきだと考えている。例えば、低賃金ゆえに個人消費が持ち直さないということで、非正規労働者の待遇の改善を求めることができる。しかし政府高官は、これ以上の本格的な改革が発表されることはないと語る。

一方、野党の民主党は総選挙に向けて候補者選びを進めているが、あまり足場が強固になるとは考えにくい (it is unlikely to gain much ground)。支持率はわずか 10%で、自民党の40%との差が大きい。民主党は、消費増税の見送りをアベノミクスの失敗と主張するだろうが、国民が苦しむのであれば延期に反対するとは考えにくい。

衆参同日選挙に踏み切るかどうかは、憲法改正に必要な議席を獲得できるかどうかを見極めてからだろう。憲法改正に必要なのは、衆参の3 分の2以上の賛成。しかし、憲法改正は、平和主義に誇りを持っている多くの日本人の警戒心を呼び起こしかねない(cause deep alarm among the many Japanese who remain enormously proud of their country’s pacifism)

つまり、安倍首相が選挙で勝つための主なリスクは、憲法改正について愛情をこめて話す姿勢だ(the main risk to Mr Abe’s hopes of securing electoral victory is his inclination to speak lovingly of his plans for constitutional change)

あわせて読みたい

「消費増税」の記事一覧へ

トピックス

  1. 一覧を見る

ランキング

  1. 1

    「ユニクロ=格好いい」ブランドに 英国ファッション業界で広がる人気

    小林恭子

    09月28日 11:51

  2. 2

    iPhone12 ProMaxからiPhone13 ProMaxに買い替えた結果

    永江一石

    09月27日 14:35

  3. 3

    まだゼロコロナを目指す?行動制限の緩和に消極的な知事らに医師が苦言

    中村ゆきつぐ

    09月28日 08:14

  4. 4

    麻生太郎氏が恐れる「河野家への大政奉還」 総裁選後に麻生派空中分解も

    NEWSポストセブン

    09月28日 09:09

  5. 5

    オンライン授業でレポートの精度が向上 大学准教授が推測する背景とは

    BLOGOS編集部

    09月28日 11:06

  6. 6

    米タイム誌が評価した隈研吾氏の新国立競技場が「負の遺産」に

    渡邉裕二

    09月27日 09:00

  7. 7

    スーパーシティって何だ?

    ヒロ

    09月27日 10:32

  8. 8

    またしても繰り返される新型コロナにまつわる様々な怪現象。

    企業法務戦士(id:FJneo1994)

    09月28日 10:58

  9. 9

    小室圭さん 結婚決定で開き直り?会見拒否で眞子さま単独釈明の現実味

    女性自身

    09月28日 09:22

  10. 10

    SDG's がもたらす物価高 先進国でもエネルギー価格が高騰するリスク

    ヒロ

    09月28日 10:28

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。