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粗雑な『民主主義』批判と自著の宣伝に呆れる

小林よしのり氏が『民主主義』を批判している。時系列でいえば、以下のとおり。

「民主主義」を宗教化した完全な左翼本
http://blogos.com/outline/166414/

よしのり氏の『民主主義』批判に西田氏反論
http://blogos.com/outline/166146/

GHQ教科書『民主主義』の復刻に呆れる
http://blogos.com/outline/166412/

小林氏の最後のエントリには心底がっかりした。というのも、先行して啖呵を切ったにもかかわらず、5月の新刊を読めという宣伝しか書かれていなかったからだ。

GHQが統治下の日本に多くの指令を出し、それが制度化されたことは事実だが、だからといって「GHQが指令を出したから、日本人が洗脳された」などという議論は、短絡に過ぎる。直接統治ではなく、間接統治が採用されたこともあって、この時代の日本では、多くのプレイヤーの興味深い駆け引きがなされている。そこでどのようなやり取りがなされたかを精査し、現代に引き継げるものについては時代背景や文脈とともに検討されてもよいはずだ。『民主主義』についていえば、そもそもGHQが作った教科書でさえない。序にいえば、編者自身も「感動した」などと書いてはいない。

「戦後民主主義」的な価値観もそうかもしれないが、同様に「GHQに洗脳された」などという議論もあまりに粗雑であると同時に手垢にまみれていて、多くの人の参照点にはなりえない。日本の歴史と公共性に関して、それらに代わる第三の道があってもよいはずだが、批判ありきの小林氏の議論とアジテーションのスタイルは1990年代から時計の針が止まったままで、ただただ残念である。

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