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国債の急落リスク

 3月8日に10年債利回りはマイナス0.1%に低下した。この日の30年国債入札が好調な結果となったことをきっかけに、超長期国債が買い進まれ、それに影響された格好で10年債利回りのマイナス幅を深めた格好となった。

 8日に入札された30年国債の利率は0.8%と前回の1.4%から大きく引き下げられ、過去最低利率を記録した。超長期債の利回りは1.0%がひとつの節目とみられていたが、1月29日の日銀のマイナス金利付き量的・質的緩和政策の導入により、そのような心理的な節目も取り払われた格好である。投資家は保有している国債を手放すことができず、売り物が出るとそれが買われる状況となり、利回り水準とは関係なく、さながら昔のオイルショック時代のトイレットペーパーのように店頭に並ぶと買われてなくなるような状況に陥っていた。

 日銀によるマイナス金利政策は、銀行の収益悪化や運用難といった副作用が指摘されているが、それによる効果は物価へではなく、期待した円安株高をもたらすわけでもなく、日本国債が異常なまでに買われる事態となっている。

 もちろん長期金利がマイナス0.1%にまで低下するとなれば、住宅ローン金利なども引き下げられようが、ローン金利までもがマイナスになることは考えづらく、こちらは下限も存在する。このため長期金利低下による影響は国債には現れるものの、それを通じた実体経済への波及効果も限られよう。

 ポートフォリオリバランス効果にしても、異常な金利が形成されるなか、これが株高等にも影響を与えていないため、むしろリスク回避の動きを強めさせることも想定される。相場に公式はないものの、株価と国債価格は通常逆相関との認識が強いと思う。つまり国債が買われれば買われるほど、それは日本の実体経済の悪さやデフレを意識させることにもなりかねず、日銀の意図した効果を生まない懸念も存在する。

 そして、ここまで国債が買われてしまうと、その反動を危惧する見方も当然出てこよう。上がったものはいずれ下がる。地価も株価もずっと右肩上がりが続くとの認識が広まったなかでバブルが崩壊したように、オオカミ少年と揶揄された国債価格の急落リスクは、日銀により仕組まれた国債バブルの崩壊というかたちで起きる懸念は当然存在しよう。問題はどのようなタイミングでいつやってくるかであり、まだこの先10年も起きない可能性はあるものの、いまの債券市場の異常さを見る限り、オオカミたちはそっと近づいてきている可能性もあるのではなかろうか。

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