- 2016年03月10日 20:56
高浜原発、運転差し止め
昨日9日、関西電力高浜3、4号機(福井県)の運転禁止を、隣接する滋賀県の 住民が申し立てた仮処分で、大津地裁(山本善彦裁判長)は、「過酷事故対策や緊急時の対応方法に危惧すべき点がある」として、運転差し止めを決定しました。
稼働中の原発としては、初の停止になります。仮処分の決定は、直ちに効力を持ちます。関西電力は、2基のうち稼働している3号機を、今日10日午後8時前に停止しました。4号機は、トラブルで既に停止中です。
決定は、東京電力福島第一原発事故の原因究明が進んでいない状況を重視し、原子力規制委員会の新規制基準について、「関電の主張や説明の程度では公共の安心、安全の基礎と考えるのは、ためらわざるを得ない」として、疑問を呈しています。関電は、不服申し立ての手続きを取りますが、判断が覆らなければ運転再開はできません。
菅官房長官は、「再稼働を進める方針に変わりはない」と述べています。この決定は、原発事故がなかったかのように再稼働を次々に決める政府に対して、避難計画の不備や、周辺の県など自治体の同意をとらないこと等に不安を持つ、国民の気持ちに 寄り添ったものだと思います。
規制基準は、原発施設に関係する対策は盛り込んでいますが、住民の避難計画など防災対策は含まれていません。規制委員会の審査 対象にもなっていず、避難計画の策定は自治体任せになっています。高浜原発の場合は、5キロ圏に京都舞鶴市、30キロ圏に京都府南丹市や滋賀県高島市などが含まれ、県境を越えた避難が課題になっています。大津地裁は、こうした点も 問題とし、国主導で避難計画を早急に策定することなどを指摘しています。
山本裁判長は、大津のいじめ問題で、和解を成立させたりした裁判長ということです。 規制基準に対して、想定を超える災害に対応できる「十二分の余裕」を要求して います。また、対策の見落としで過酷事故が起きても「致命的な状態に陥らない思想で 基準を策定するべきだ」と指摘しています。原発立地県以外の住民の請求を認めた 意義も大きいと思います。
何でもありの、官邸主導の政権与党のやり方に対して、住民の不安に寄り添った決定を出せる司法に、少し安心します。原発の再稼働については、夏の参院選の争点のひとつにすべきことだと考えます。



