記事

皇室典範 女帝を認めないのは性別による差別か 国連女子差別撤廃委員会の報告書最終案

国連の女子差別撤廃委員会の報告書最終案の中に、日本の皇位継承において女帝を認めないのは女性差別に当たるのではないかという内容が盛り込まれていたようです。
 これに対して、安部自民党政権が「毅然と反論」して削除させたとか。
皇室典範見直し要求「反論すべきは反論」…菅氏」(2016年3月10日)
「菅官房長官は9日の記者会見で、日本政府が反論し、記述は削除されたとした上で、「指摘するべき点をしっかり指摘し、反論すべきところはしっかり反論する。国際社会に日本の考え方、立場が理解されるよう努力していきたい」と述べた。」

 今、現在、皇位は男子のみが継承できることになっています。かつては推古帝のように女帝も存在していましたが、それでも「男系」であるとされてきました。
 大日本帝国憲法下では憲法によって男子のみと規定されていました。
第二條 皇位ハ皇室典範ノ定ムル所ニ依リ皇男子孫之ヲ繼承ス

 日本国憲法下では、憲法に規定はなく、皇室典範(一般の法律と同じ)によって規定されています。
 国会が皇室典範という名称の法律を改正すれば、女帝であろうと女系であろうと問題はありません。

 さて、女帝を認めないことは性別による差別なのでしょうか。
 形式的には差別には見えます。しかし、私は女帝を認めることにはどうにも賛成できません。
 皇位そのものが一般国民とは異なる差別的存在なのですが、現実問題としては、現在の皇室は人としての自由がなく、絶えず「公人」として監視され、時には週刊誌にたたかれ、などどうみても人間的な暮らしとはほど遠いようにしか見えません。
 以前、宮内庁は女性宮宅の創設を具申したことがありました。このままでは皇位が途絶えてしまうという危機感からです。男女差別の是正が目的ではありません。民主党野田政権のときです。
 このような支配層の都合で皇位につけられてしまう方もたまったものではありません。
「女性宮家」の検討の行き着く先

 絶対君主のような地位にあったり、庶民が食うや食わずの極貧状態であれば、もしかしたら望んで継承したいと思うこともあるかもしれませんが、現在では明らかに特殊な環境であり精神的に押し潰されそうな生活です。
 女帝を認めることは、犠牲者を増やすだけです。

 もっとも安部自民党政権では、そのような視点から女帝を認めないのではなく、万世一系の天皇家の護持こそが目的であり、また男女差別そのものを温存させることが目的です。
 夫婦別姓制度でもそうですが、婚外子差別違憲判決にすら自民党保守・反動一派は、噛みついていました。
家制度って何だろう? 婚外子差別違憲判決
氏を同じくするのは日本の伝統? 差別意識の表れ、女性は使い捨ての安い労働力

 その意味では日本における女帝禁止は、男女差別の象徴でもあります。
 国連などから勧告の対象として検討されるのも当然なのです。
 とはいえ、私は、女帝問題についても前提として、皇室離脱の自由、退位の自由(継承拒絶の自由を含む)を認めることが不可欠ではないかと考えます。
 そのような前提がない限り、女帝を認めることは差別ではないかもしれませんが、逆に犠牲者を増やすだけにしかならず、別の意味での人権侵害にしかならないからです。

 皇室離脱の自由、退位の自由(継承拒絶の自由を含む)を認めない中で女帝を認める選択肢などあり得ないということです。

あわせて読みたい

「女系天皇」の記事一覧へ

トピックス

ランキング

  1. 1

    立民党はなぜ全く期待できないか

    宇佐美典也

  2. 2

    テレビ劣化させる正義クレーマー

    放送作家の徹夜は2日まで

  3. 3

    社民党を食いつぶした福島瑞穂氏

    文春オンライン

  4. 4

    投資家がマイホームのリスク指摘

    内藤忍

  5. 5

    もともと余裕ない医療 医師嘆き

    中村ゆきつぐ

  6. 6

    トヨタが学校推薦を廃止した衝撃

    城繁幸

  7. 7

    人気のセ・実力のパに「違和感」

    中川 淳一郎

  8. 8

    4連敗の巨人 原監督に欠けた潔さ

    NEWSポストセブン

  9. 9

    敗北認めぬトランプ氏 破産危機

    女性自身

  10. 10

    桜疑惑 安倍氏かばう議員に疑問

    猪野 亨

ランキング一覧

ログイン

ログインするアカウントをお選びください。
以下のいずれかのアカウントでBLOGOSにログインすることができます。

コメントを書き込むには FacebookID、TwitterID のいずれかで認証を行う必要があります。

※livedoorIDでログインした場合、ご利用できるのはフォロー機能、マイページ機能、支持するボタンのみとなります。