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- 2016年03月10日 07:34
【押し寄せる保護主義の波】
大統領選挙をめぐる世論調査について、米WSJ が絵文字で表現。今の選挙戦(state of the presidential race)について「とってもこわい」「恐ろしい」「こわい」ですって。絵文字がかわいい^_^
(すべてWSJより)
これまでの選挙戦を一言で表すと?いう質問に対してはcircus, mess, joke(サーカス、混乱、冗談)などと回答。
さまざまな世論調査を見ると、アメリカ国民が外国に雇用が奪われているとして自由貿易に懐疑的になっていることが分かります。9日に製造業の多いミシガン州の予備選挙で、番狂わせで民主党のサンダース候補が勝利したのもそうした背景ですね。
WSJのGreg IpがPowerful Pair: Protectionism and the Presidency (保護主義と大統領、強力な組み合わせ)を書いています。民主党のサンダース候補も、他の共和党候補もTPPに反対しており、TPPは今の政権で署名しないと成立しないのでは??
ざっくりこんな内容です(全文の翻訳ではありません)。
(すべてWSJより)
これまでの選挙戦を一言で表すと?いう質問に対してはcircus, mess, joke(サーカス、混乱、冗談)などと回答。
さまざまな世論調査を見ると、アメリカ国民が外国に雇用が奪われているとして自由貿易に懐疑的になっていることが分かります。9日に製造業の多いミシガン州の予備選挙で、番狂わせで民主党のサンダース候補が勝利したのもそうした背景ですね。
WSJのGreg IpがPowerful Pair: Protectionism and the Presidency (保護主義と大統領、強力な組み合わせ)を書いています。民主党のサンダース候補も、他の共和党候補もTPPに反対しており、TPPは今の政権で署名しないと成立しないのでは??
ざっくりこんな内容です(全文の翻訳ではありません)。
ドル高と貿易赤字の拡大を背景に、共和党の大統領はアメリカ国内の製造業を保護するために何か手立てが必要だった。このため、輸入品に対して一律に10%の関税をかけて、世界を驚かせた。
将来のトランプ大統領のこと?いや、 1971年のニクソン大統領のこと。
トランプ氏が外国製品を厳重に取り締まる公約を背景に共和党候補としての地位を固めつつある中、世界の人々はアメリカ大統領が一国を保護主義的な方向に誘導できる強力な権限を持つことを吟味する必要がある。
トランプ氏自身は、自由貿易の支持者であり、保護主義に反対だと言うが、中国とメキシコに対して高い関税を課すと脅したり、NAFTAやまだ署名されていない TPPなど、通商協定を軽んじている。
トランプ氏の政策ポジションの多くは、思いつきのようで一貫性を欠く(inconsistent, seemingly on the fly)。とは言え、貿易相手国に対する嫌悪は根深く、 1987年には「日本は身勝手な通商政策でアメリカをめちゃめちゃにした結果、裕福になった(Japan became wealthy by screwing up the United States with a self-serving trade policy)」と書いた。1999年にはNAFTAを「災難だ」と評価し、 2010年には米韓FTAを「ばかしか署名しない代物だ」と語った。
ただし、トランプ氏の拷問やイスラム教徒の入国反対の姿勢などと異なり、通商に対する姿勢は決して異端ではない。
民主党のサンダース候補も同様に自由貿易に対して懐疑的で、5日にはクリントン候補について「アメリカ株式会社が裏にいるとんでもない通商協定のすべてを支持してきた」とこき下ろした。
クリントン候補、それに共和党のクルーズ候補、ルビオ候補もそろって TPP支持の姿勢から決別した。
保護主義的な動きは世界的に増えている。Global Trade Alertによると、インドとロシアでとりわけ顕著で、イギリスも近く EUを離脱するかどうかを投票で決める。要は、保護主義的なアメリカ大統領は世界の流れに合うのだ(In short, a protectionist president would suit the temper of the times)。
どの候補も今なお、通商政策で具体的に何をやるのかは明確にしていないが、大統領は「正当化できず非合理な行動に対して、適切で実行可能なあらゆる手段をとり得る」とした1974年の通商法の 301条など強力な手段を持っている。201条では、輸入の急増に対して産業の保護を求めることもできる。
トランプ氏は、中国を「為替操作国(currency manipulator)」に指定することを公約している。そんなことをしても特に罰則が伴うわけではなく、相手国との協議入りしか規定していない。 トランプ氏は「中国を交渉のテーブルにつかせる」、さもなければ「高い相殺関税を課す」と述べている。
ニクソン大統領が輸入関税を課した 4か月後、各国はドルの切り下げに同意した。1980年代にはレーガン大統領が日本に対して、自動車輸出に対する自主規制(voluntary restraints)の受け入れを強要した。
トランプ氏は、輸入関税を課せば、メキシコ政府が国境沿いの壁の費用支払いに応じることになると言う。国家安全保障を理由に、1962年の通商拡大法の 232条(Section 232 of the Trade Expansion Act of 1962)、あるいは過去にニカラグアとイランに対して貿易禁止を課す時に発動した国際緊急経済権限法(International Emergency Economic Powers Act)を適用できるのではないかという指摘もある。
そんな一方的な手段をとれば、アメリカは報復関税を受ける恐れがある。アメリカはそれを耐えることもできる。弁護士の Gary Horlickは、6か月の通知期間を設ければWTOから離脱できるという。
トランプ氏の側近やアメリカ企業は、通商戦争が起きれば経済と外交的な大惨事が起きると警告するだろう。自由貿易を支持している共和党の議員が反逆するかもしれない。
そうするとトランプ氏につきつけられる質問は、自らの脅しにしがみつくためにどこまでの反発に耐えるつもりか(how much of a backlash is he willing to endure to hold fast to his threats) ?」だろう。



