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日銀はマイナス金利拡大を当面温存、政策効果見極め=関係筋

[東京 9日 ロイター] - 複数の関係筋によると、日銀は1月に打ち出したマイナス金利政策について、当面は政策効果を見極めつつ、追加のマイナス幅拡大のカードを温存する見通しだ。直接的な狙いである市場金利全般の低下が、順調に進行していると日銀は判断しているもようで、引き続き実体経済への波及を注視する。

内外経済や金融市場の環境が急変した場合は、ちゅうちょなく対応する方針は維持している。

日銀内では市場金利の全般的な低下を受け、マイナス金利の効果は「極めて大きい」(黒田東彦総裁、7日の講演)との評価に収れんしつつある。

一方で、国内の金融機関からは「10年超の国債までマイナス金利になれば、手数料など何らかの形でコストを転嫁したい」(関係者)との声も出ている。

また、金利低下のペースに関して日銀内の一部では、想定よりも速いと受け止める声もある。

一方、システムや実務面などで、金融界のマイナス金利対応は「現在進行形」(ある国内金融関係者)といえる。

9日の国債市場では高値警戒感もあり、長期金利が一転してマイナス0.015%まで「急上昇」するなど、値動きの振幅が大きくなり、長期金利の適正な水準が「わからなくなってきた」(別の国内金融機関関係者)という指摘も出てきた。

日銀は1月29日にマイナス金利政策の導入を決定。声明では、量・質・金利の「3つの次元で緩和手段を駆使して、金融緩和を進めていく」と記述され、「今後、必要な場合、さらに金利を引き下げる」とも明記した。

黒田総裁は「金利面での拡大余地は、十分に存在している」(2月3日の講演)など追加緩和に前向きなスタンスを示した。

市場の一部では日銀が連続的な利下げによるマイナス金利の「深掘り」を実施してくるとの思惑が台頭。8日の市場で長期金利は、過去最低となるマイナス0.1%を記録した。

こうした金利押し下げ効果や、金融界の対応の進捗状況などを踏まえ、日銀は当面、その政策効果と影響を見極めていくことが重要との判断に傾いているもようだ。

黒田総裁は7日の講演で「(マイナス金利政策の)効果が、実体経済にどのように浸透し、波及していくのかを、しっかりと見極めていく方針」と発言した。

もっとも、市場の急激な変動などで物価2%目標の実現が困難となれば、量・質を含めて追加緩和も辞さない考えだ。

(竹本能文、伊藤純夫 編集:田巻一彦)

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