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金融庁が監査法人の統治指針策定へ、有識者会議を早期に立ち上げ

[東京 8日 ロイター] - 上場企業に対する会計監査の質を向上させることを目指し、金融庁は監査法人のガバナンスコード(統治指針)を年内をめどに策定する。早期に有識者会議を発足させ、議論に着手する。

東芝<6502.T>の不正会計問題などを受けて、会計監査のあり方を議論してきた有識者懇談会(座長=脇田良一・名古屋経済大学大学院教授)が8日、提言をまとめ、監査法人のガバナンスコード策定を「早急に検討が進められていくべき」課題と位置づけた。

東芝の不正会計では、東芝のみならず同社の監査を担当してきた新日本監査法人も金融庁から行政処分を受けた。この問題などをきっかけに、監査への市場の不信が高まったが、懇談会は監査法人への規制や基準をいたずらに強化するのは得策ではないと判断。コードによって、大手上場企業の監査を担う大規模監査法人の組織運営上の「原則」を明らかにし、実効的なガバナンスの確立を目指すべきだとみている。

コードは、大手上場企業を監査する一定規模以上の監査法人への適用を念頭に置く。詳細な内容は今後発足する有識者会議に委ねるが、提言では、会計監査人としての「職業的懐疑心」の発揮を促すための経営陣のリーダーシップの重要性、運営・監督態勢の構築と明確化といった項目が例示された。

一方、懇談会では、上場企業が一定期間ごとに監査法人を交替させるローテーション制の是非が議論の焦点の1つになっていたが、提言は結論を示さず「金融庁において、深度ある調査・分析がなされるべき」とするにとどめた。

提言ではこのほか、当局と大手・準大手監査法人が定期的な対話の場を設けて問題意識を共有することや、金融庁傘下の公認会計士・監査審査会の大手監査法人に対する検査頻度を上げることが提案された。

また、上場企業の株主への情報提供を充実させ、監査の透明化を図る観点から、提言は監査報告書に詳細な記述を求めることの是非を検討するよう求めた。審査会の検査結果を「モニタリングレポート」として公表することも、株主が会計監査への理解を深めるうえで適当とされた。

会計監査のあり方を議論する有識者懇談会は存続し、提言に盛り込んだ施策の進ちょく状況を見守り、必要に応じてさらなる議論を行う。

なお、自民党の金融調査会・企業会計小委員会の合同会議も8日、監査法人の統治指針策定を柱とした監査の質的向上策を提言した。

(和田崇彦)

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