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【福島】岡田代表が中間貯蔵施設建設予定地などを視察



 岡田克也代表は4日、福島県を訪れ、東日本大震災からまもなく5年となる被災地の現状を視察し、住民らと懇談した。この視察には、辻元清美役員室長、宮城県を地元とする郡和子「次の内閣」復興担当、地元の金子恵美衆院議員と、吉田泉福島5区総支部長が同行した(上の写真は中間貯蔵施設建設予定地で廃棄物の搬入作業について説明を聞く岡田代表ら)。

大内新興化学工業株式会社にて。岡田代表の隣は桜井南相馬市長、右は大内社長

大内新興化学工業株式会社にて。岡田代表の隣は桜井南相馬市長、右は大内社長

 南相馬市内にある「大内新興化学工業株式会社」原町工場では、桜井勝延南相馬市長、同社大内茂正社長らと復興の現状について意見を交わした。南相馬市議会から、小川尚一、竹野光雄、田中京子、鈴木貞正の各市議も同席した。

 同工場では東日本大震災発災当時、津波の被害はあったものの工場内の建屋にはほとんど影響がなかったが、福島第1原発事故後に設定された警戒区域(20キロ圏)のわずか数十メートル内側であったため、操業停止を余儀なくされた。当時、党幹事長であった岡田代表は同社の要請を受けて政府に掛け合い、操業再開が認められた経緯がある。

 現在も同社は操業を続けているものの、工場の一部をはじめ、市内には避難指示解除準備区域などもあり、従業員の全員が震災前の生活を取り戻したとは言えない。また、南相馬市全体としても、多くの若い人たちが避難したまま戻ってこられずにいる。桜井市長は、すでに市内全域で放射線が健康に影響を及ぼす水準ではなくなっているとし、避難指示解除に向けた対応を急ぎたいと表明した。また、大内社長は、病院や学校などが機能しなくなったことで、地域のコミュニティが分断されてしまったとし、企業としても若い人が安心して暮らせるコミュニティの再建にむけて市と協力して取り組んでいると語った。

双葉町半澤副町長から説明を聞く一行。後方には仮置きされた大量の廃棄物が見える。

双葉町半澤副町長から説明を聞く一行。後方には仮置きされた大量の廃棄物が見える。

 続いて一行は双葉町を訪れ、中間貯蔵施設の建設予定地などを視察した。福島県内で除染によって生じた土や落葉などの廃棄物は、現在は袋詰めにされて田畑などに仮置きされている。こうした廃棄物の中間貯蔵施設が双葉町と大熊町とにまたがって建設される予定で、すでに保管場には廃棄物の搬入が開始されている。しかし、全体で1600ヘクタールという広大な敷地面積には2千人を超える土地所有者・建物所有者がおり、契約実績は今年1月末日時点で44件と、2%にも満たない状況だ。連絡先を把握できていない地権者も990人とされ、何らかの対応策が求められているという説明を聞いた。

洋野町での意見交換の風景

洋野町での意見交換の風景

 その後一行は、楢葉町で洋上風力発電の地上サブステーションを視察した後、広野町に入り、住民らと意見交換した。広野町は人口約5千人。今年1月末現在で町内居住者は2400人で、町民の約半数が帰還しているが、避難を続けている人に若い世代が多いことが大きな課題だという。特に保育士や介護施設の職員の不足は大きな悩みだ。出席者からは「施設の整備より、人材確保のためのベースアップに力を入れてほしい」といった声が上がった。また、原発産業に携わっていた零細企業が立ち行かなくなっている現状や、農地が使えなくなったことで農家が減り、地元生産の野菜が減っていることなども聞いた。

岡田代表は、民主党が国会に提出した介護人材確保法案などを紹介し、今後も復興に力を尽くすことを約束。復興が順調に進んでいることだけを強調する安倍総理を念頭に「いいところばかりを見て『復興が進んでいる』と言うのではなく、苦労している人の話も聞いて現実を知ることが大事だ」などと述べ、参加した住民らに感謝の言葉を述べた。

ミニトマトを試食する岡田代表

ミニトマトを試食する岡田代表

 

この日の最後に一行が訪れたのは、いわき市内でトマトの生産・販売を行っている「とまとランドいわき」。同社もやはり幹事長時代に岡田代表が訪れたところだが、当時はトマトを廃棄しなければならないという厳しい状況にあった。しかしそうした困難を乗り越え、いまではJR東日本など他社とも提携して直売所やカフェ、レストランなどを併設する「ワンダーファーム」をオープンさせるなど、震災前より規模を拡大させ、雇用や賑わいの創出などを通じた地域の復興・活性化に取り組んでいる。岡田代表はこうした取り組みを心から喜び、当初の予定にはなかった「ワンダーファーム」を訪問して買い物を楽しんだ。

記者団の取材 


取材に応じる岡田代表

 一連の日程を終えた岡田代表は記者団の取材に応じた。

 この日の視察の目的について岡田代表は、福島訪問は代表に就任した直後の昨年2月以来となるし、「定点観測的に状況を把握し、いろいろな人のお話を聞かせていただきたいと思って来た」と述べた。その上で、この日の視察で認識した今後の課題について、「頑張って順調に復興しているところもあるが、多くは非常に厳しい状況だ。特に福島は、まだまだ福島第1原発の問題が解決していないし、そもそも人が戻れていない。国がしっかりと引き続き後押しをしていかなければならない」「除染も進んではいるが、早く人が戻って生活できるようにすることがいちばん大事だ。もちろん働く場も必要だ」と、除染を進めるだけでなく、生活の基盤となる環境整備が急務との認識を示した。

 「とまとランドいわき」を視察した感想としては「とても嬉しい。元気のある会社、人が増えてきたというのは力づけられる。ただ、それがすべてではないので、しっかりと底上げしていかなければいけない」と述べた。

 中間貯蔵施設の進捗状況については「まだ1~2%しか契約に至っていないということで、深刻だと思っている。これが進まなければ中間貯蔵施設は絵に描いた餅になる。そもそも所有者が分からないところをどうするのかという問題は、政府にも考えていただきたいし、われわれも知恵を出していかなければいけない。土地が虫食い状態では、貯蔵できない」と述べ、党としても対応を検討する考えを示した。

 また、この日、安倍総理が辺野古の問題について裁判所からの和解案を受け入れ、協議を進める方針を表明したことについての受け止めを問われ、今年1月に岡田代表が総理の施政方針演説に対して行った代表演説の中で「工事の強行を直ちに止めて話し合いのテーブルに着くべきだ、お互いの信頼関係をつくるべきだ」と主張したことに触れ、「その線に沿って、いったん工事を中断して話し合いをするということは非常にいいことだ」と評価した。記者団から、このタイミングでの工事中止は選挙を見据えてのことだと思うか、と問われたのに対しては「いろいろな想像はできるが、このまま強行して工事を進めても、どこかで破たんすることになっただろう。これしかなかったと思う。(工事中止が)必要だと気が付いたことは評価できる」と述べた上で、「問題はその話し合いがどう進展していくかということだ。しっかり話し合いで問題を解決してもらいたい」と述べた。

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