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イランの国際社会への復帰で接近するイスラエルとアラブ諸国 - 畑中美樹

イランの国際社会への復帰で共通の脅威が生まれたイスラエルとサウジアラビアなどGCC諸国の接近が顕著となっている。イスラエルの閣僚が外交関係のないサウジのメディアに登場することはまずないのだが、ジーヴ・エルキン・移民併合相は1月下旬、サウジのアラビア語ニュースサイト「エラフ」のインタビューを受けている。

イスラエルとアラブ、共通の敵であるイラン

 注目されるのは、同相が次のような表現でイスラエルとGCC諸国との協調の可能性について言及している点だ。即ち、「イランは核合意後、代理人であるヒズボラ、ハマス、(イエメンの)フーシ派を使い中東を乗っ取り、スンニ・シーア対立を煽ろうとしている」「中東にはイスラエルとアラブ諸国が共通の利害に基づき協調する政治的現実がある」と。

 また同相は「我が国が中東問題の根源との主張には最早説得性はない」「我が国はユダヤ人の聖地での生存権の容認及び共通利益を基本とする協調を歓迎する」「公然、非公然を問わず我が国と関係を持つか否かを決めるのはアラブ諸国だ」「このような連携が過去にはなかった方向に我が国を向かわせている」と続け、同国がGCC諸国と秘かに接触していることを示唆するかの発言を行っている。

 さらにイスラエルのテレビ局チャネル2は1月下旬、ユヴァル・スタイニッツ・エネルギー相がアブダビ訪問から帰国したと報じた。報道によれば、同相のアブダビ訪問は1月20日の国連、米国、EUによるイラン制裁の解除の発表直後に行われたようだ。

 周知のようにイスラエルは昨年11月27日、アブダビにある国際再生可能エネルギー機関(IRENA)の中に外交施設と同水準の代表団事務所を開設することを明らかにした。

 現時点では同代表事務所がアラビア半島におけるイスラエルの唯一の事務所となる。同国は以前オマーンとカタールに貿易事務所を開設していた。しかし、オマーン事務所はインティファーダの激化により2000年に閉鎖され、カタール事務所も08年から09年にかけてのイスラエル軍のガザ侵攻後に閉鎖された。

イラン核合意に反対する

 イスラエルに関する著作もある政治評論家のヨシ・アルファー氏は今回の動きについて「イスラエルとGCC諸国はイラン核合意に反対すると共に、シリア及びイエメンを含む地域紛争へのイランの関与に懸念を表明してきた」「私はGCC諸国のどこかがいっそう開放的な関係づくりに踏み出しても驚かない」と述べ、双方の接近を必然的な動きと分析している。

 ネタニヤフ・イスラエル首相は折に触れ、イランとイスラム過激派と言う共通の脅威に直面するイスラエルとGCC諸国には特異な一致点があると発言していた。イスラエルがどのような次の手を打ってくるのか注視したい。

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